防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(10月放送内容)



テ−マ:防衛白書の意義とポイント

パ−ソナリティ−:

それでは本日なんですが、私先日東北防衛局のホームページを拝見させていただいたんですが、最近、中村局長は、防衛白書の説明を各県の知事に対して行っているようなんですが、その狙いは、なんになりますか。


中村局長:

実は私どもの防衛局だけではなくて、各県の地方協力本部ですとか、部隊とも連携しまして、各県知事、市町村の首長さん等に対して説明を行っています。国の防衛は、防衛省・自衛隊だけで出来るものではなくて、やはり自治体ですとか、国民の協力と言うのが非常に重要なんです。この点は、昨年の東日本大震災でも自衛隊が活動が十分出来たと言うのも、自治体ですとか国民の理解と協力があったればこそと言うことだろうと思っています。こういうこともありまして1年に1回、我が国の防衛を取り巻く全般について説明する重要な文書であります防衛白書につきまして、できるだけ多くの方に読んで頂き、防衛政策全般について、ご理解を深めて頂くための一環として説明を実施しています。


パ−ソナリティ−:

そうであれば、防衛白書はどれたけ読まれているのか、また、いつから発行しているのかも重要になってきますね。


中村局長:

 第1回目は昭和45年でして昭和51年以降は毎年発刊しています。従って今年で38回目と言うことになります。防衛省として配布している分などもありますけれども、一般に売っている分につきましては、昨年、約17千部を売ったと言うことです。これは数ある白書の中でも、ずっとベストセラーの一つであると聞いています。一方で防衛省のホームページでは、電子書籍版も無料で閲覧することが出来ます。さらに、過去の防衛白書も全て電子情報でホームページから閲覧可能になっています。外国向けには、英語版も出しています。500ページ近い文書を反訳すると言うのは大変な作業ですけれども、外国向けにも非常に重要だと言うことで日本語版の発刊から間を置かずに刊行するように努力しています。英語版も本年版はもとより、2005年版以降のものがホームページで閲覧出来るようになっています。


パ−ソナリティ−:

はい。分かりました。それでは今年の白書のポイントはどうなりますか?


中村局長:

巻頭を見ていただきますと「ダイジェスト」というページがあります、ここには特に重要な項目ですとか今年特徴的な事項が示されています、対応する本文のページも書かれています。「ダイジェスト」から本文を読んでみると、今年のポイントを押さえることが出来るんじゃないかと思います。この中でも、色々ありますので私なりのポイントを挙げてみれば、次の4つが挙げられるんではないかと思っています。1点目が、我が国周辺の国際情勢です。特に、最近話題になっていますけど中国の海洋における活動ですとか、さらには北朝鮮、核の開発の動向ですとかミサイル開発の動向、さらにはキムジョンウンの新しい体制の動向と言うのがポイントになってくるかと思います。こうした北朝鮮ですとか中国と言ったところの情勢を踏まえた上で、アメリカの国防政策、特にアジア太平洋地域重視の動きを見て欲しいと言うように思っています。実は白書の記述と言うのは今年6月時点までのものですので、その後の状況を反映していないので、若干物足りなさを感じる部分もあると思いますけども、基本的な安全保障環境は理解出来るんじゃないかなと思います。2点目は、次期戦闘機に選定されたましたF−35Aの件です。白書では、新たな戦闘機を導入する必要性ですとか、選定の手続、評価方法、評価の結果などについて、かなり詳細に書いています。これを読んでいただければ、F−35Aの必要性ですとか選定理由はもとより、とういった能力があり、どのように運用されるのかについても、理解が深まってくるんではないかと思います。3点目になりますけども、東日本大震災における教訓事項と、それに対する改善の状況を挙げたいと思います。教訓事項につきましては、10個の大きな項目、すなわち意思決定ですとか、運用、各国との協力、通信と言ったものを挙げまして、それらを27の細分化した項目に分類しています、それぞれに対しまして「だいたいうまくいったなといった点」と「今後検討ですとか改善を要する点」を抽出しています。後者の「今後検討や改善を要する点」につきまして現時点での検討状況ですとか改善の状況を紹介しています。この中では、例えば、大項目「運用」と言うものがありますけれどもその中に「人命救助・行方不明者等捜索」という項目があります。この中で教訓事項としまして「第一線部隊の充足率向上等を通じたマンパワーの確保」、難しく言ってますが簡単に言うと第一線に人が足りない、という教訓があります。これに対しましては、今年の予算で非常勤職員を活用することなどによりまして、第一線に人を増やした例を示しています。さらには自治体との連携要領ですとか、生活支援や物資の輸送、情報共有で教訓事項として挙げられています。これらについては、今後中央防災会議と言うのがありますので、そこで議論するですとか、防衛省部内の体制を強化することなどが書かれています。最後の4点目になりますけれども、日米安保体制です。日米安保と言うと最近はどうしても特定の問題にスポットが当てられがちですけれども、同盟関係の強化ですとか、後は沖縄の負担軽減のため、様々な施策が行われていることを理解して欲しいと思っています。特に、今年の場合ですと、4月にいわいる2+2の合意がありまして、従来はパッケージとされていました沖縄海兵隊のグアムへの移転とそれに伴います土地の返還とが、普天間飛行場の移設の進捗状況とは切り離されて、沖縄の負担軽減を進めると言う形になっています。以上4点ほど申し上げましたけれども、やはり文章を読むのは億劫だという人も多かろうと思います。そう言う人は図表や写真をパラパラ眺めるのもありかと思っています。とにかく書店ですとか図書館で手に取るとか、あとは防衛省のホームページを一度クリックしてご覧いただければと思います。


パ−ソナリティ−:

有り難うございました。


中村局長:

 有り難うございました。

 

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