防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
(5月放送内容)



テ−マ:防衛記念章

パ−ソナリティ−:

 防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A、このコーナーでは防衛省・自衛隊や日本の防衛について、詳しく分かりやすくお話をいただいております。本日も東北防衛局の増田義一局長にお話をいただきます。局長、本日もよろしくお願いいたします。


増田局長:

 よろしくお願いいたします。


パ−ソナリティ−:

 それでは早速ですが、今日はどういったお話をいただけますでしょうか。


増田局長:

 はい、東日本大震災が発災してからですね、1年が過ぎましたのを機にですね、私ども東北防衛局の震災対応につきまして、田中防衛大臣から表彰されましてですね、第1級賞状というものを授与されました。これは陸・海・空の部隊が授与されたのと同じ第1級賞状でありましてですね、大変名誉なことなので、職員一同大変喜んでいます。東北防衛局のようなシビリアン主体の組織がですね、第1級賞状というものを授与されるのは非常に珍しいことでありまして、殆ど前例のないことだと思います。お陰様で、職員の士気がですね、非常にハネ上がりました。


パ−ソナリティ−:

 この度は大変おめでとうございます。私たちにはあまり馴染みのないものですので、もう少し詳しくお話をいただけますか。

増田局長:
  そうですね、今回の受賞は、東北防衛局という組織がですね、第1級賞状を授与されたものでありまして、職員の一人一人が何か貰えるというわけではないんですね。ただ、東北防衛局に勤務している自衛官が、わずかに15名ほどおりますけれども、彼らは表彰の対象となった業務に従事していましたので、この第1級賞状に対応する防衛記念章というものをですね、着けることができるんですね。ということで、今日は防衛記念章についてお話しをしたいなあと思います。


パ−ソナリティ−:

 はい、お願いいたします。防衛記念章というのはシビリアンの方は付けられないものなんですね。それではまず防衛記念章とはどういったものなんでしょうか。


増田局長:

 はい、映画とかテレビで、外国の軍人の方が胸に色彩豊かな飾りといいますか、何か色とりどりなものを着けているのを見たことがあるんではないかなあと思いますけれども、あれが、自衛隊では防衛記念章というふうに呼ばれているものであります。
それで1つ1つはですね、縦1.1センチ × 横3.6センチの小さい長方形なんですけれどもね。これを従ってグリコのおまけなんて言う人がいますけれども、これを沢山寄せ集めると大きな固まりになるわけです。
この小さなピースである1個1個のですね、防衛記念章というのは、複数の色で構成されておりまして、例えば先ほど申し上げた第1級賞状、これに対応した第18号防衛記念章と言うんですが、それですと、緑、白、若草色の3色でデザインされています。ですから違う種類の防衛記念章をいくつも獲得してですね、これを1つの固まりにしますと、色とりどりのとても美しいものになるわけですね。


パ−ソナリティ−:

 なるほど、どのくらいの種類があり、またどういった条件などでこういった防衛記念章を授与することができるんでしょうか。


増田局長:

 現在、自衛隊では約40種類の防衛記念章が制定されています。どういう場合にこれを着けることができるかと言いますと、大雑把にいえばですね、先程の第1級賞状の例のように、部隊がですね、表彰を受けて、その表彰の対象となった業務に従事していた場合、こういう場合とかですね、あるいは個人単位で表彰を受けた場合とかですね、あるいは国際平和活動に従事した場合とかですね、あとは部隊長を経験した場合とか、内局・各幕僚監部などの組織に勤務した場合とかですね、あとは永年勤続した場合とか、色々ありますですね。それが更に具体的に細分化されておりまして、それで約40種類の防衛記念章になっているわけであります。ちなみに、ソマリア沖海賊対策に従事した者はですね、第35号の防衛記念章を着けますですね。あとはイラク人道復興支援活動に従事した者は第39号とかですね、あるいは先の東日本大震災とかですね、福島の原子力発電所事故における災統合任務部隊、これに従事した者は第36号というような具合であります。
自衛官にとりましては、胸に着ける防衛記念章というのは、それまでのですね、功績の証でありまして、自分の誇りなんだと思いますですね。ですから胸の防衛記念章が一つづつ増えていくということは、業務を進めるうえでの一つの張り合いになるものだと思います。単なる飾りというわけではなくてですね、命を懸けて業務に邁進する自衛官の誇りということになると思いますですね。


パ−ソナリティ−:

 なるほど、それでは外国でのこういった防衛記念章と同じような制度というのは存在しているんでしょうか。


増田局長:

 はい、これは英語ではですね、RibbonとかあるいはRibbon Barというような言い方をしますけれども、外国ではですね、Ribbonはメダルの略章として使われるケースが多いんですね。つまり、普段は略章としてのRibbonを着けていますけれども、本章であるメダルがですね、どっかにしまわれているわけであります。米軍なんかの場合、Awardの名前にですね、○○Medalというのが付いていればRibbonの他に必ず本章であるMedalが存在するんですね。そして、ミリタリーの方々がですね、礼服を着用するような場合がありますけれども、そういうふうな場合には略章でなく本章を着けることになりますので、胸にですね、沢山のメダルをジャラジャラとブラ下げるわけですけれども、そういう写真だの映像だの見たことがある方もいらっしゃるんじゃないかなあと思います。


パ−ソナリティ−:

 私も見たことがあるんですが、日本にはこういったメダルはないんですか。


増田局長:

 えぇそうなんですね、自衛隊の場合は、防衛記念章であるRibbon Barのみが存在してまして、これとセットとなるメダルは存在してません。ですから、礼服でもですね、メダルをジャラジャラとブラ下げることは出来ないわけですね。そうしますと、各国軍人がですね、礼服で一同に会するというような場がありますけれども、そういう場合には、自衛官だけはブラ下げるものが無いんだという悩みをですね、ある自衛官から聞いたことがあります。現在では自衛官は国際社会へいろいろ出て行く機会が増えましたので、これは一つの今後の課題かもしれませんですね。

パ−ソナリティ−:
 あまり聞いたことがなく、伺ったことがないお話でしたが、そういった悩みもあるんですね。それでは本日は東北防衛局の増田義一局長から「防衛記念章」について、お話をいただきました。局長、本日もどうも有難うございました。

増田局長:
 どうも有難うございました。
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