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自衛隊インビテ−ション
(4月放送内容)



テ−マ:松島基地の復旧復興



パ−ソナリティ−:

 皆さんこんにちは、本日は東北防衛局の増田局長をゲストにお迎えしてお送りいたします。局長、今日はどのようなお話をしていただけるのですか。


増田局長:

 はい、今日は、宮城県にあります松島基地の復旧復興について、話したいと思います。


パ−ソナリティ−:

 東日本大震災では松島基地も被害にあったようですが、それではまず始めに松島基地の復旧までのお話をしていただけますか。

増田局長:
 はい、東日本大震災のときのようにですね、鉄道も道路も不通となっている状況ではですね、航空輸送が非常に重要になってくるわけですね。仙台付近で航空機が発着できる滑走路、これがあるのはですね、松島基地と仙台空港ということになりますけれども、どちらも海の近くにありますので、昨年3月には津波に襲われましてですね、甚大な被害を受けました。しかし、救援物資や人員を一刻も早く受け入れるためには、滑走路等の復旧を大急ぎでやらなければいけないわけでありまして、それで、この復旧にあたりましてはですね、松島基地は主として自衛隊が、仙台空港は主として米軍がですね、それぞれうまく分担・連携してやりました。滑走路に散乱・堆積している瓦礫を取り除いたりとかですね、滑走路のダメージを受けた箇所の補修を行いまして、また流されてしまった航空保安施設のうち最低限必要なものは復旧するということでやったわけですが、東北防衛局では建設・土木・設備の専門家を多数抱えていますので、これらの者が現場へ行きまして、部隊の自衛官と一緒になって連携をとりながら、24時間体制で復旧に当たったわけです。それで、発災から5日後にはですね、松島基地や仙台空港に救援機が離発着できるようになりました。その後はですね、夜間離発着もできるように保安灯等の設置も進められまして、松島基地と仙台空港は、24時間体制でですね、救援活動ができる物流・交通の二大拠点となったわけですね。一般旅客の輸送についてはですね、ターミナル等の旅客施設が流されてしまっていますので、山形空港や花巻空港といった内陸にある地方空港が利用されたんですね。
以上が、復興以前の復旧のフェーズでの話になります。

パ−ソナリティ−:
 震災時における航空輸送拠点の早期復旧の陰には、東北防衛局の活躍があったんですね。

増田局長:
 はい、それで、松島基地にあった航空機等のですね、防衛装備品の被害の話もしたいと思いますけれども。松島基地には、第4航空団と松島救難隊が所属しておりましてですね、ここに所属しますF−2戦闘機とかですね、T−4練習機、U125A救難捜索機、UH60J救難ヘリ、こういったものの多くがですね、津波で流されたり水に浸かったりするという甚大な被害を受けたんですね。せめてもの救いは、ブルーインパルスの6機が、たまたま他の基地へ遠征していましたので、難を逃れることができたことですね。戦闘機等は、現代の技術の粋を集めた防衛装備品ですので、価格も非常に高価なんですね。ちなみにF−2は1機100億円以上もしますので、被害総額も相当なものになりました。
それで23年度3次補正予算で、これらの被害を受けた航空機の修理や取得について予算がつきましたんですけれども、F−2についてみると、被害を受けた18機のうち修理がなされるのは6機ということになります。このF−2はですね、最終号機の製造はもう既に終了してまして、製造ラインもクローズされてますので、修理にもそれ相応の時間がかかると思います。

パ−ソナリティ−:
 とても大きな被害だったようですが、基地を移転するというような意見はなかったんですか。


増田局長:

 将来また襲ってくるかもしれない津波のことを考えましてですね、松島の地から出て行くというそういうオプションはありません。この場所にですね、航空基地があるということは非常に重要なんですね。松島基地は青森県の三沢基地と茨城県の百里基地の中間に位置していますけれども、ここに空白を作るというわけにはいかないんですね。あと、松島基地というのは地元との関係が非常に良くてですね、地元に支えられていると言っても良いと思いますけれども、こういったものも他では得難いものだなあというふうに思います。昨年、東松島市のですね、市議会で決議がなされてましてですね、松島基地の機能回復とブルーインパルスの早期訓練開始を要望すると、そういった決議なんですが、こういった非常に良好な関係というのは、大切にしていきたいというふうに思っています。


パ−ソナリティ−:

 松島基地は地理的条件と地元の人たちに支えてもらっているんですね。

増田局長:
 はい、それで、最後に松島基地の復興の話ですけれども、昨年11月に23年度3次補正予算が成立しまして、政府全体で12兆円近いお金が投入されることになりまして、その後、着々と復興が進められています。それで被災した自衛隊の施設の復興も予算が手当されたわけですけれども、松島基地についてはですね、仮に再び巨大津波に襲われても、大切な航空機を喪失しないと、また、国民の貴重な税金で購入した高価な航空機ですから、こういったものは絶対に喪失しないというそういうフィロソフィーでやっています。それで3次補正予算で色々な工事が行われるわけですが、ひとつの目玉はですね、ブルーインパルスや救難機の駐機場とか格納庫を高台化するということですね。これについてはもう業者との契約も終わりましてですね、今後やっていくということになりますけれども、離着陸時以外はですね、この高台化された場所に航空機を置きますので、大きな津波が来ても被害に遭うことはないということで、ブルーインパルスは現在、福岡県の芦屋基地で訓練を行っていますが、これらの施設が完成すれば戻ってきて松島に常駐するということになると思います。
F−2についてはですね、修理に相応の時間がかかりますので、これも含めて今後の復興の全体像をお示しするのは、もう少し先になると思いますけれども。他の基地に所属するF−2がですね、松島基地に飛来して離着陸訓練をやるというのはもう今月から始めております。
いずれにせよですね、松島基地の復興については、今後とも頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


パ−ソナリティ−:
 東北防衛局の増田局長より、「松島基地の復旧復興」のお話をしていただきました。本日は有難うございました。

増田局長:
 どうも有難うございました。




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