パーソナリティー:
本日は東北防衛局三沢防衛事務所の齊藤労務対策官にお話を伺います。
齊藤さん、よろしくお願いします。
労対官:
はい。よろしくお願いします。
今回は、在日米軍基地で働いている日本人従業員についてお話をさせていただきます。
東北防衛局管内には在日米軍基地が4箇所ありまして、その全てが青森県に所在しています。代表的な三沢飛行場のほか三沢対地射爆撃場、八戸貯油施設、車力通信所があります。その中で従業員が勤務しているところは、三沢対地射爆撃場を除く3箇所です。
パーソナリティー:
はい、青森県内にも米軍基地が複数あるのですね。
労対官:
はい。そこで質問です。
茂木さん、米軍基地と聞いてどのようなことをイメージしますか?
パーソナリティー:
そうですね、がたいがいい外国人がたくさんいて、英語が飛び交っているイメージです。
労対官:
なるほど。
実際の基地の中には、生活感を感じられる学校や病院、スーパーマーケットやフードコートなどがあって、そこでは軍人に交じって日本人従業員も働いています。
基地の中には軍人のほか、軍人ではないものの軍に所属する軍関 係者やその家族も一緒に暮らしています。
パーソナリティー:
そうなんですね。
基地の中に学校やスーパーマーケットがあるのでしょうか。基地というよりは小さな町といった方がいいですかね。
労対官:
はい、その通りです。
基地の中には家族向けの住宅があったり、保育園から大学まで、各年代の教育機関が設けられています。家族向けと言いましたが、三沢飛行場内にあるトロイ大学院とメリーランド大学は、平成2年から日本人も受け入れています。これまでに500名以上が就学しているそうです。
パーソナリティー:
なるほど。
そのような環境で従業員の皆さんは、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
労対官:
はい。 従業員の仕事は、小学校の教員やスーパーの店員、獣医師や看護師、警備員や消防士など本当に多岐にわたります。
例えば、小学校の教員は、日本文化を教える授業などを受け持っていますが、日本には「お正月」や「ひな祭り」という行事があることや行事の内容、由来などを教えています。
獣医師は、軍人が自宅で飼っているペットや軍用犬の治療が主な業務です。軍人が休暇で一時帰国する際は一緒に連れて行くことがあり、その時に必要となる検疫証明書の発行なども獣医師が担当しています。
そして、これらの従業員は、日本国政府が雇用していて、東北防衛局管内では三沢防衛事務所が雇用管理をしています。
パーソナリティー:
三沢防衛事務所が雇用管理している従業員は、どれくらいいるのでしょうか。
労対官:
約1,400名です。その中には日本国籍以外の方も含まれています。
パーソナリティー:
ちょっとした大企業並みの人数ですね。従業員の皆さんの給料や勤務時間などはどのようになっているのでしょうか。
労対官:
給料については、国家公務員の給与を基準としておりまして、青森県内の従業員には、気温や積雪量をもとに決められた寒冷地手当が支給されます。
三沢飛行場では、ジェットエンジンの騒音の中、航空機に燃料を補給する仕事があります。このような作業に従事する従業員には、特殊作業手当が支給されます。
また、勤務時間ですが、大部分の方は7時30分から16時30分までの1日8時間、週40時間勤務で、週休2日制となっています。 ただし、一般の公務員や企業と違う点もあります。
パーソナリティー:
はい。では、どのあたりが違うのでしょうか。
労対官:
祝祭日です。日本の祝祭日ではなくアメリカの祝祭日に倣っています。7月のアメリカの独立記念日や11月の感謝祭、12月のクリスマスなど、日本で馴染みのない日が従業員の休日になります。その代わりゴールデンウィークなどがありません。もちろん、年末年始は休日になります。
パーソナリティ:
日本に居ながらアメリカで働いている、ということが伝わってきますね。
従業員の皆さんの雇用管理を三沢防衛事務所の方々が担当しているとのことですが、どのような業務内容でしょうか。
労対官:
三沢防衛事務所の職員数18名のうち、従業員の雇用管理を担当している職員は、私を含めて5名です。雇用契約の締結や従業員の方の労務管理などを行っています。
また、防衛省が所管する独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構、通称「エルモ」の三沢支部が、従業員の募集や給与計算など行っています。
パーソナリティ:
米軍基地で働きたい場合はどのようにしたらよろしいのでしょうか。
労対官:
米軍から従業員の募集依頼があると、エルモがホームページに求人情報を掲載するとともにハローワークにも求人の掲載依頼をします。
希望する職種の求人がありましたら、エルモのホームページかお近くのハローワークから応募していただくことになります。
パーソナリティー:
一般の求人と同じですね。誰でも応募できるのでしょうか。
労対官:
原則として18歳以上の方で、その職種に求められる資格要件を満たす方であれば誰でも応募ができます。職種によって専門知識・技能・英語の能力が求められます
パーソナリティ:
筆記試験もあるんですか。
労対官:
はい。
試験は、筆記、技能試験及び面接を実施します。職種によっては。筆記や技能試験がないものもあります。
パーソナリティ:
仕事柄、英語力は高い方がやはりよろしいんでしょうか。
労対官:
これは一概には言えないです。
職種により要求される英語能力が異なりますし、中には必要のない職種もあります。TOEIC730点以上であれば応募できる職種は広がりますが、これは米軍に限ったことではありませんね。
どこの職場でもそうだと思いますが、コミュニケーション能力が高い方が採用後はうまくやっていけると思います。
パーソナリティ:
そうなんですね。米軍だから特別ということはないんですね。
労対官:
はい。気構えることはないと思います。
パーソナリティ:
コロナ禍ですが、従業員が勤務する在日米軍基地というのは、コロナ対策はどのようになっているのでしょうか。
労対官:
手指の消毒やマスク着用など、基本的な感染予防対策はもちろんのこと、しっかりとした感染対策がとられています。
パーソナリティ:
なるほど。ちなみに、アメリカではワクチン接種義務化、みたいな話もありますが、従業員の方にも適用されているのでしょうか?
労対官:
米軍人はワクチン接種が義務化されていますが、従業員は、私たちと同様、日本のルールに則り任意接種です。
パーソナリティ:
最後になりますが、齊藤さんからリスナーにお伝えしたいことはありますか?
労対官:
はい。 我が国には日米安全保障条約に基づき、全国に在日米軍基地があります。この在日米軍が安定的に任務を行うためには従業員の存在が不可欠です。
この放送をお聞きになって興味を持って頂けた方は是非、防衛省や東北防衛局、エルモのホームページを御覧になっていただければと思います。
パーソナリティ:
本日は、三沢防衛事務所の齊藤労務対策官から、お話をお伺いいたしました。
どうも、ありがとうございました。
労対官:
こちらこそ、どうもありがとうございました。
パーソナリティー:
このコーナーでは、よりよい内容にしていくため、ラジオをお聞きの皆さまからご意見・ご感想を募集しております。お聞きのコミュニティ放送局までご連絡ください。
|