防衛省・東北防衛局がおくる日本の防衛Q&A
 自衛隊百科 
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(8月放送内容)



 

テ−マ:オリンピックと自衛隊について

 
 

パーソナリティー:
 本日は、本年7月東北防衛局長に着任されました市川道夫局長からお話を伺います。
 市川局長、よろしくお願いします。

局長:
 東北防衛局長の市川です。
 東北での勤務は初めてになりますけども、よろしくお願いします。

パーソナリティー:

 はい、よろしくお願いします。
 さて、東京オリンピックが開幕しました。今回は、そのオリンピックと自衛隊の関わりについてお話いただけるということですね。 

局長:

 はい。オリンピックと自衛隊についてなんですけども、まず、1964年、これは前回の東京オリンピックになりますけども、そのことについてちょっとお話ししたいと思います。前回の東京オリンピックの開会式では、ブルーインパルスが東京の空に、オリンピックの五輪のマークを描いたり、自衛隊の音楽隊が、オリンピック・マーチやファンファーレを演奏しました。何かの映像で見た、という方もおられるのではないでしょうか。
 また、前回の東京オリンピックでは、選手として自衛官が大変活躍をしました。齋藤さん、誰か知っている自衛官の選手はいますか。 


パーソナリティー:

 自衛官でもありオリンピック選手でもあるというのがちょっとつながらなくて……。そういった選手がいらっしゃったんですね。

局長:
 はい。前回の東京オリンピックの時のウェイトリフティングの三宅義信(みやけ よしのぶ)選手、マラソンの円谷幸吉(つぶらや こうきち)選手です。おそらく齋藤さんも映像では見たことがあるんじゃないかと思うんですけども、このお二人はどちらも陸上自衛官でした。三宅選手は金メダルをとりましたし、円谷選手は、銅メダルを獲得しました。
 この東京オリンピックを始めとして、これまでのオリンピックで、自衛官の選手は、7種目の競技で合計20個のメダルを獲得してきましたが、この7種目を全部言ってみてもらえますか。


パーソナリティー:

  7種目を全部ですか?自由にでは言わせていただきますね。まず日本のお家芸柔道、マラソン、レスリング、ウエイトリフティング、だんだん声が小さくなってきた。え、あと3つ?水泳、えーなんでしょう、うわーわからない。

局長:
 柔道の自衛官の選手はこれまでいないんですね。メダルを獲得した自衛官選手の種目は、先程のウエイトリフティング、マラソン、それからレスリング、これは正解ですね。あと自衛官ならではの射撃、ボクシング、競歩、これも答えは正解でたんですけども水泳ですね。この7種目で、特に レスリングで一番メダルを獲ってまして、過去自衛官が12個のメダルを獲得しています。
 このように自衛隊は、ブルーインパルスなどによる大会運営への協力と、選手の派遣の両方において、オリンピックと関わりを持ってきました。

パーソナリティー:
 東京オリンピックでは、自衛隊は大会運営と選手派遣の両方において協力を行ったということなのですね。そもそも自衛隊がオリンピックに協力するはなぜなのでしょうか。
 

局長:
 これはですね、まずあの自衛隊がオリンピックに協力する根拠何ですけどね、「自衛隊法」という法律で、国際的なスポーツ大会への協力は自衛隊の任務です、という風に決まっていることからオリンピックに協力しているということになります。自衛隊法の中では、いわゆる有事における防衛出動や、それから自然災害ですね、自然災害のときの自衛隊の「災害派遣活動」といったことも、自衛隊の任務として規定しています。またここで齋藤さんに質問したいと思うんですけども、自衛隊が協力することとされているスポーツ大会について、オリンピック大会のほかに何か思いつくものはありますか。
   

パーソナリティー:

つながりやすいのはワールドカップ?


局長:

 正解です。 他には?

パーソナリティー:

 他にですか?

局長:

 ちょっと難しかったかもしれませんね。答えとしては、例えば毎年開催されている国体ですとか、アジア選手権大会といったものにも自衛隊は協力するということになっております

パーソナリティー:

 オリンピック・パラリンピックでの協力も防衛出動や災害派遣と同じように、自衛隊の任務にあたるということですね。今回の東京オリンピック・パラリンピックでの自衛隊の協力としては、例えば、セキュリティの面での協力を行っているのでしょうか。

局長:
 はい。セキュリティ面は、基本的には、警察ですとかあるいは大会の組織委員会、そういったところが中心となって実施していますが、例えば、日本の上空ですね、空の守りですとか競技会場でのセキュリティーチェックの支援、あるいはサイバー攻撃への対処といった面では、自衛隊も警察や大会組織委員会に協力するという形でいろいろな機関と連携して活動を行っています。


パーソナリティー:

 オリンピック・パラリンピックが無事成功するためにも多機関連携は必要となんですね。 セキュリティ以外では、どのような協力を行っているのでしょうか。


局長:

 はい。大会運営への協力の一つということになるんですが、例えば、ライフル射撃、この競技にあたっては、陸上自衛隊の朝霞駐屯地を競技会場として提供しております。このほか、セーリング競技では、海上救護といったことにもあたっております。こういった支援をするために、自衛隊では約8,500名の隊員からなる東京2020オリンピック・パラリンピック支援団という特別の部隊を編成して協力を行ってます。
  

パーソナリティー:

 そうだったんですね。また、会場の提供も行っていたのですね。ところで、今回のオリンピック・パラリンピックは復興五輪と位置づけられていますが、防衛省・自衛隊としてどのような取組をされているんでしょうか。。

局長:

 復興五輪という点ですが、昨年3月20日に、宮城県にございます航空自衛隊松島基地、こちらで聖火の到着式が行われましたけども、この成果の到着式にはギリシャから航空機で運ばれてきた聖火が、宮城県の松島基地に到着して、その際に自衛隊のアクロバット飛行チームのブルーインパルスが、お祝いの飛行を行いました。このブルーインパルスの飛行の時には、東日本大震災で津波により甚大な被害を受けた岩手県山田町(やまだまち)出身のパイロット方がお祝いの飛行をしました。また、東日本大震災では、このブルーインパルスの基地である松島基地自体が2mを超える津波により浸水し、大きな被害を受けました。その松島基地に、ギリシャから聖火が運ばれてくる、そのこと自体震災からの復興の一つの象徴となっているのかなと思っています。

パーソナリティー:

 そうですね。聖火到着式の様子は多くの方がニュース等でご覧になられたと思います。東日本大震災の際には多くの国や地域の方から支援をいただきましたので、今回のオリンピック・パラリンピックで復興した東北そして日本の姿を世界にアピールしていきたいですよね。

局長:

 そうですね。前回の東京オリンピックでの自衛官のオリンピック選手の活躍を紹介しましたが、今回の東京オリンピック・パラリンピックにも、自衛官選手17名が、レスリングやボクシングなどの競技において、日本代表として参加しています。自衛官選手をはじめ、出場する選手全員が日頃の成果を発揮し、ベストを出せるよう、応援したいと思います。


パーソナリティー:

 はい、そうですね。自衛官選手もメダル獲得期待しています。楽しみです。
 では最後に、リスナーの方々に局長からのメッセージをお願いします。

局長:

 コロナ禍ではありますが、東京オリンピックがようやく開幕しました。是非、選手として活躍する自衛官選手を応援していただきたいと思います。それに加えて、大会の運営に協力している自衛官の姿も、カメラにちらっと映ることもあるかもしれませんので、そのときにはぜひ、あ、ここでも活動しているんだなあということを見てあげてもらえたらなという風に思っています。


パーソナリティー:

 はい、そうですね。本日は、東北防衛局の市川局長にお話を伺いました。ありがとうございました。

局長:

 ありがとうございました。


パーソナリティー:

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