自 衛 隊 百 科
11月放送内容)


テ-マ:地域コミュ二ティーとのつながり


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局の熊谷昌司局長からお話をお伺いしたいと思います。 熊谷局長、よろしくお願いいたします。

局長:
 はい、よろしくお願いいたします。  
 防衛省・自衛隊は、日々の訓練から、災害時の救援や国際協力まで様々な活動を行っていますが、このような自衛隊の活動は、国民一人一人、地方公共団体などのご理解とご協力があって初めて可能となるものです。 本日は、このような観点から、防衛省・自衛隊が、「地域コミュニティーとのつながり」を深めるために実施している活動について、お話ししたいと思います。 防衛計画の大綱では、近年、自衛隊及び在日米軍の活動及び訓練・演習の多様化、装備品の高度化などが進んでおり、防衛施設周辺の地方公共団体や地元住民の理解と協力を得ることは、これまで以上に重要であるとしています。 このため、防衛省・自衛隊は、民生支援活動、地方公共団体や、地域の方々の理解と協力を確保するための施策、防衛施設周辺地域との調和を図るための施策等を通じて、地元の方々の要望や情勢に応じたきめ細やかな調整を実施しています。

パーソナリティー:
 具体的な活動内容をご紹介いただけますか。

局長:
 はい、まず、地方公共団体や関係機関などからのご依頼に基づき、国民生活に直接関わるような様々な分野で実施している民生支援活動があります。 具体的には、戦前・戦中の不発弾の処理や離島の救急患者の緊急輸送など、地域の安心・安全に寄与する活動、さらには、駐屯地や基地を部隊活動に支障のない範囲で開放するなど、地域住民との交流に努める施策も行っています。

パーソナリティー:
 戦後70年以上経っても不発弾が見つかるのですね。 年間、どの位不発弾処理を行っているのでしょうか。

局長:
 はい、戦後70年以上が経った現在でも、北海道から沖縄までの全国各地において、主に戦前・戦中の不発弾が発見されており、その都度、自治体からの要請を受けて、自衛隊が処理に当たっています。令和元年度の処理実績は1,441件、約33トンになります。特に、沖縄県で発見される量は全国でも突出しており、同年度において処理した不発弾は529件、約18トンと、全国で発見される3分の1以上を占めています。そのため、那覇駐屯地に所在する第101不発弾処理隊は、昼夜を問わず、多い時には1日5回以上出動し、手動による信管の除去や不発弾の回収を実施して安全化を図り、国民の安全・安心に寄与しています。 東北地方でも本年7月9日に、宮城県仙台市内の建設現場で、旧日本軍が使用していた約3kgの砲弾が発見され、陸上自衛隊神町駐屯地に所在する第6後方支援連隊が回収しました。 全国の不発弾処理隊は、引き続き住民の方々の安心安全に貢献する任務を遂行するため、日々の訓練に励んでいます。

パーソナリティー:
 宮城県でも不発弾のようなものが発見されたのですね。 自衛隊の方々が、国民の安全・安心のため、危険と隣り合わせの任務に従事されていることがよくわかりました。 地域住民との交流活動についても詳しく教えていただけますでしょうか。

局長:
 はい、地域住民との交流活動は、各地において様々な形で実施しており、その中の航空機の展示飛行について今回ご紹介します。この活動は、航空自衛隊の存在を多くの方々に知っていただくためにも各種航空祭やイベントなどで、華麗なアクロバット飛行などを披露するものです。  
 山形にお住まいの皆さんの中には、ご記憶の方もおられるかもしれませんが、2014年5月に開催された「東北六魂祭2014山形」において、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム、ブルーインパルスがダイナミックなアクロバット飛行を披露しました。
 本年3月20日、宮城県の松島基地で行われた東京オリンピックの聖火到着式にも参加しました。  
 また、本年5月29日に、新型コロナウイルス感染症に対応する医療関係者などに対し、ともに対応にあたっている防衛省・自衛隊として敬意と感謝の意を表するため、東京都心上空において飛行を実施しました。

パーソナリティー:
 医療関係者などへの激励のために、ブルーインパルスが東京都心上空を飛行したことは、私も記憶に新しいです。ブルーインパルスの飛行は、国民に夢と希望を与える大変素晴らしい支援活動だと思います。
 先ほど「東北六魂祭2014山形」での展示飛行支援についてお話しいただきましたが、他に山形県内で実施された、防衛省・自衛隊と地域との交流のための活動がございましたらご紹介をお願いいたします。

局長:
 はい、今年は、新型コロナウイルスの影響により惜しくも中止となってしまいましたが、毎年5月5日、スプリングフェスティバル「はたらく車大集合」が山形市内で開催されて、七日町・本町のほっとなる通りに、消防車、パトカー、白バイなどの約30台のはたらく車が勢揃いすると聞いています。 昨年は、陸上自衛隊神町駐屯地から、人員輸送用車両や偵察用オートバイ等が展示され、隊員がカレーの炊き出しを実施するなどしました。自衛隊山形地方協力本部においては、自衛隊の制服を試着できるブースを設け、大人の方々もお子さんも楽しめる広報を行いました。 東北防衛局もブースを設け、まんがで読む防衛白書と銘打って政策広報活動を行ったほか、ブルーインパルスのポストカードのほか、戦車等の缶バッジなども配布いたしました。  
 また、例年6月上旬に、東根市主催のさくらんぼマラソン大会が開催されています。この大会では、東根市に所在する神町駐屯地が発着地点となり、車両の駐車場への誘導や、コースの安全管理といった運営にも陸上自衛隊が協力しています。

パーソナリティー:
 どのイベントも凄く楽しそうですね。
 地方防衛局として、地域コミュニティーとのつながりを深めるために、特に力を入れて実施している活動がありましたらご紹介お願いいたします。

局長:
 はい、ありがとうございます。全国8か所に所在する地方防衛局は、防衛政策全般を進める上での地方における拠点として、自衛隊の部隊や地方協力本部などと連携し、それぞれの地方との協力関係の構築に努めています。  
 令和元年度は、日米共同訓練をはじめとする各種訓練や防衛力整備に係る計画等について地元説明を実施するとともに、台風や豪雨等への対応における地方公共団体との連絡調整なども行いました。 また、防衛セミナーを全国で16回実施したほか、全ての都道府県、市町村に対し、防衛白書の説明を行うなど、防衛政策全般に対する理解を促進するための活動を実施しました。 さらに、日米の相互理解を深める取組みとして、地方公共団体と在日米軍の双方が、互いに理解と協力をしながら施設周辺の住民の方々とスポーツ、音楽、文学などを通じて交流する日米交流事業も開催しております。

パーソナリティー:
 様々な活動をされているのですね。 最後に、地域コミュニティーと連携していく上での、局長の意気込みがございましたらお聞かせくださいませ。

局長:
 はい、地域コミュニティーとのつながりを形成する、或いは保つためには、地方公共団体や地域住民の方々に対して、平素から防衛省・自衛隊の政策や活動に関する積極的な広報を行うとともに、自衛隊及び在日米軍の部隊の装備品の配備、訓練・演習等の実施に当たっては、地元に対する説明責任をしっかりと果たしながら、きめ細やかな調整を実施することが、大変重要であると考えています。この放送につきましても、地域の皆様に、より防衛省・自衛隊の活動にご理解とご協力をいただき、地域社会と自衛隊相互の信頼をより一層深める一助となればと思っておりますので、この番組をお聞きのリスナーの皆様、引き続き「自衛隊百科」をよろしくお願い致します。

パーソナリティー:
 本日は、東北防衛局の熊谷昌司局長から、地域コミュニティーとのつながりについて、お話を伺いました。ありがとうございました。

局長:
 こちらこそ、どうもありがとうございました。


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