防災特別番組
(9月放送内容)


 
 
 


パーソナリティー:
 ラジオモンスターでは、毎年9月の防災月間に合わせて、各界からゲストをお迎えし、「防災特別番組」を放送しています。
 本日は、東北防衛局の熊谷昌司局長をゲストとしてお迎えし、お送りいたします。

局長:
 東北防衛局長の熊谷です。
 東北防衛局は、東北6県を管轄区域とする防衛省の地方支分部局です。防衛施設の取得、管理、建設工事、基地周辺対策事業等を実施していまして、政策広報活動の一環として、ラジオモンスターにおいて、「日本の防衛Q&A」や「自衛隊百科」を担当させていただいています。 本日は、「防災特別番組」のなかで、お時間をいただきましたので、防衛省・自衛隊の災害発生時の対応と防災への取組みについて紹介させていただきます。

パーソナリティー:
 はい、熊谷局長よろしくお願いします。

局長:
 はい、よろしくお願いします。
 近年、大規模な自然災害が発生し、各地で甚大な被害が生じています。 私達、防衛省・自衛隊は、自然災害をはじめとする災害の発生時には、地方公共団体などと連携・協力し、被災者や遭難した船舶・航空機の捜索・救助、医療、給水、人員や物資の輸送など様々な活動を行っています。
 防衛大綱においては、防衛力の果たすべき役割のうち、大規模災害等への対応の考え方として、次のとおり述べられています。すなわち、所要の部隊を迅速に輸送・展開し、初動対応に万全を期すとともに、必要に応じ、対処態勢を長期間にわたり持続する。また、被災した住民の方々や地方公共団体のニーズに丁寧に対応するとともに、関係機関と適切に連携・協力し、人命救助、応急復旧、生活支援などを行うとしています。
 災害発生直後は、地方公共団体が混乱している場合もあることを前提として、より多くの被災者を救助・支援するため、自治体からの要請を待つのみではなく、積極的に支援ニーズを把握しつつ、活動内容について「提案型」の支援を自発的に行うこととしています。
 さらに、全国の陸海空自衛隊は、災害派遣を迅速に行うための初動対処態勢を平素から常時整えており、このような部隊を「ファスト・フォース」と呼んでいます。 山形県に所在する陸上自衛隊第6師団の部隊も、365日24時間、常に応急の対応がとれるように備えているのです。

パーソナリティー:
 山形県では今年7月27日からの大雨による被害がありました。
 これから先の台風の時期になると、豪雨災害が発生するのではないかと心配になります。

局長:
 ご心配されるように、近年は豪雨による災害が毎年のように日本列島の各地で発生しています。
 今年7月の豪雨の際は、山形県大石田町の最上川など河川の氾濫が相次ぎ、山形県知事からの災害派遣要請を受け、陸上自衛隊第20普通科連隊が断水が続いていた尾花沢市と大石田町において延べ約40トンの給水支援を行いました。
 昨年10月の台風19号による豪雨災害も記憶に新しいところです。河川の氾濫、大規模な浸水、土砂災害が東北地方から関東甲信越地方まで広範囲にわたって発生し、各都県知事からの災害派遣要請を受け、防衛省・自衛隊は、最大272ヶ所の地方公共団体に対し連絡員約590名を派遣し、緊密な連携を図りながら、救難ヘリコプターやボートによる人命救助、食物アレルギー保持者に配慮した給食、掃海母艦による入浴などの生活支援を行ったほか、道路の啓開、災害廃棄物の処理に従事しました。
 また、昨年8月に陸上自衛隊の各地域における災害派遣を担当する部隊に災害用ドローンが配備されていたことから、倒木が密集して、地上からの接近が困難な地域を上空から撮影し、民家などの被害、また河川などが氾濫した状況を情報収集し、現地で活動する災害派遣部隊や、関係自治体に提供しました。
 この台風19号による被害は、甚大かつ極めて広範囲にわたるものであり、長期間にわたって様々な救援活動が予想されたことから、初めて陸上総隊司令官を長とする統合任務部隊によって対応しました。また、即応予備自衛官及び予備自衛官の招集を行い、約410名が支援活動に従事しました。この災害における派遣の規模は、隊員延べ約8万4,000名、艦艇延べ約100隻、航空機延べ約1,610機に上りました。

パーソナリティー:
 一言で災害派遣といっても、様々な活動をされているのですね。
 防衛省・自衛隊では、日頃から災害派遣活動を行うための準備をされていると思いますが、どのような防災訓練を行っているのですか。

局長:
 はい、防衛省・自衛隊では、各種の災害に迅速かつ的確に対応するため、各種の防災訓練を実施しているほか、国や地方公共団体などが行う防災訓練にも積極的に参加し、各省庁や地方公共団体などの関係機関との連携強化を図っています。
 近年、自衛隊が実施した大規模な訓練としては、昨年5月に、自衛隊統合防災演習として、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催中に首都直下型地震が発生した場合を想定して、約1万2,000名が参加し、自衛隊の指揮幕僚活動、主要部隊間の連携要領、防災関係機関などとの連携に関する防災訓練を実施しました。
 また、本年2月には、日米共同統合防災訓練として、南海トラフ地震発生を想定し、在日米軍との共同対処を実動により訓練し、自衛隊と在日米軍、関係省庁、関係地方公共団体などの関係機関との連携による震災対処能力の維持・向上を図りました。
 また、災害派遣活動を円滑に行うためには、平素から地方公共団体などと連携を強化することが重要であるため、各都道府県に置かれている自衛隊地方協力本部に国民保護・災害対策連絡調整官を配置しているほか、地方公共団体からの要請に応じ、防災の分野で知見のある退職自衛官の推薦なども行っています。
 更には、陸上自衛隊は地方公共団体の危機管理監などとの交流の場を設定し、情報共有・意見交換を行い、連携強化を図っています。

パーソナリティー:
 防衛省・自衛隊では日頃から様々な訓練を実施し、災害に備えているのですね。
 東北地方でも防災訓練を実施しているのですか。

局長:
 はい、東北地方における代表的な防災訓練として、陸上自衛隊の東北方面隊を中心に実施する「みちのくアラート」という大規模実動防災訓練があります。これは自衛隊の災害対処能力の維持・向上を図るとともに、災害発生時における地方公共団体、関係機関及び自衛隊の連携強化を図る目的で実施しています。一昨年の訓練においては、自衛隊員約1万3千人のほか、東北6県、139市町村及び72の関係機関の職員が参加しました。
 私達、東北防衛局においても、年2回、独自の防災訓練を実施しているほか、地方公共団体や自衛隊が実施する累次の防災訓練に対してもその都度参加しています。その中で、連絡員を派遣し、被害情報などの各種情報の収集や、自衛隊をはじめとする関係機関との連携強化などの練成強化を図っています。 昨年8月に実施された山形県・山形市合同総合防災訓練にも参加し、災害等の各種事態が発生した際の迅速かつ的確な対応の資とすることができました。

パーソナリティー:
 普段から訓練を行い、関係機関との連携を確認し、防災意識を高めることが、実際に災害が発生したときには役に立つのですね。
 本日は、東北防衛局の熊谷局長をゲストに迎え、防災関連の番組をお送りしました。 局長、ありがとうございました。

局長:
 こちらこそ、ありがとうございました。

 
 
  
 
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