自 衛 隊 百 科
6月放送内容)


テ-マ:防衛補佐官と防衛局について


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局防衛補佐官の佐藤1佐からお話を伺います。よろしくお願いします。

防衛補佐官:
 はい、よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 東北防衛局にも自衛官が勤務しているのですね。
 防衛局に勤務する前は、何をされていたのでしょう?

防衛補佐官:
 前職は、第30普通科連隊長兼ねて新発田駐屯地司令でした。  
 第30普通科連隊は新潟県新発田市に所在する部隊です。  
 連隊長着任時、ちょうど県内で発生した鳥インフルエンザに対応するための災害派遣中であり、着任関連の儀式はなくなり、部下隊員とは、いきなり現場で初対面となったため、強く印象に残っています。 また、佐渡市における厳冬期の大規模断水に対応するための災害派遣も経験しました。

パーソナリティー:
 災害派遣にご尽力いただいたのですね。これまで、東北での勤務のご経験はございますか?

防衛補佐官:
 東北での勤務は今回が2度目となります。前回は平成26年12月~28年11月まで同じ仙台の宮城地方協力本部で勤務しました。
 新潟出身ですが、父が県北部の村上市出身であることもあり、東北の水が私には合っていると感じています。

パーソナリティー:
 これまでの経歴を簡単にご紹介いただけますか?

防衛補佐官:
 はい。防衛大学校を卒業してから、現職まで13回転勤して、西は福岡県の久留米、北は北海道の千歳まで日本全国で勤務してきました。  
 普通科連隊の小隊長、中隊長、連隊長として勤務した他、司令部の幕僚(スタッフ)、陸上幕僚監部等の機関、海自呉地方総監部の連絡官、地方協力本部の募集課長等、本当に多種多様な職務を経験させてもらいました。

パーソナリティー:
 いろいろなことを経験されているのですね。

防衛補佐官:
 はい。この経験が、今の仕事にも活かされていると思います。

パーソナリティー:
 いろいろと経験されて仕事をする上ではプラスになっていると思いますが、引っ越しが多くて大変ではないですか?

防衛補佐官:
 大変な面もありますが、異動する先々で新たな人との出会いがあるのでそれを毎回楽しみにしています。

パーソナリティー:
 そうなのですね。防衛局に勤務されてどのくらいになるのでしょうか?

防衛補佐官:
 まもなく1年半が経とうとしています。

パーソナリティー:
 1年半近く勤務されているので、いろいろな話が聞けそうですね。
 それでは、本題に入りますが、防衛局における防衛補佐官の役割について教えてください。

防衛補佐官:
 はい。まず防衛局ですが、地方における防衛行政全般の拠点としての役割を担っています。その中で防衛補佐官は、事務官や技官が主体の防衛局において、自衛官としての専門的知見を活かして防衛局の業務全般に参画し、部隊運用の見地から助言を行ったりすることが、役割として期待されているものと認識しています。
 また、自衛官という立場から自衛隊の部隊と防衛局との橋渡し役ということも当然期待されています。  
 防衛局の局議などにおいては、自衛官としての専門的知見に基づき局長を補佐する立場から必要な発言を行っています。

パーソナリティー:
 具体的にはどのような業務を行っているのですか?

防衛補佐官:
 東北防衛局の近傍に東北6県を管轄する陸上自衛隊の東北方面総監部があるのですが、そのカウンターパートと定期的に情報共有したり、個別に自衛官同士で業務調整を行うなど、平素から部隊との連携を図って情報収集や情報共有に努めていますし、東北を管轄地域に含む海空自衛隊とも同様にお付き合いしています。
  また、大きな災害発生時などの緊急時には、自衛隊の部隊からの情報収集や連絡調整を行ったり、防衛局の対応に関し部隊運用の観点から助言を行ったりしています。  防衛局として災害対処訓練などを行う場合は、訓練に対する助言や訓練実施の支援など、主に危機管理面での業務を行っています。

パーソナリティー:
 部隊との連携や危機管理業務以外では、どのようなことを行っていますか?

防衛補佐官:
 防衛局の実施する業務の中に「地方協力確保事務」というのがあります。防衛省の事務を円滑・効果的に実施できるよう、地域の理解と協力を得るために行う業務になります。その業務において、自衛官という立場から支援を行っています。
 例えば、このラジオ放送への出演もそうですし、局長が防衛白書説明に行かれる場合に随行し、サポートを行うなどです。
  その他、本局に所属する私以外の4名の陸・海・空自衛官の人事管理に関する助言、防衛局職員に対する自衛隊に関する知識の普及など行っています。

パーソナリティー:
 今までの勤務を通じた防衛局の印象を教えて下さい。

防衛補佐官:
  自衛隊の部隊等と比較して、防衛局の役割は、より地域社会に密着したものであり、関係地方公共団体からの信頼も非常に高いように感じます。
 今、コロナウィルス感染症の影響で各種制約がある中でも、一定のルールの下で、関係地方公共団体とはしっかり連携していると思います。
 また、職員である事務官や技官の皆さんに関しての印象ですが、彼らは、法律や規則を熟知しており、仕事の進め方には、ゆっくりとしかし一貫していて、まるで大きな船が進んでいくような安定感を感じます。

パーソナリティー:
 今後取り組んでいきたいことを教えて下さい。

防衛補佐官:
 危機管理の分野について、災害対処が主体の業務でありましたが、今後、陸自の東北方面隊が日米共同方面隊指揮所演習を担任する際のことを考え、しっかり連携できるよう、中期的に少しずつ準備を進めていこうと考えています。

パーソナリティー:
 もう少し具体的に教えて下さい。

防衛補佐官:
 この演習は有事を想定した演習です。 防衛局には有事に果たすべき各種の役割がありますが、それを本格的に演習する機会を防衛局が独自で準備することは困難です。 日米共同方面隊指揮所演習であれば、多くのプレーヤーの一員として、連続的で多層的な設定の中で訓練を実施することができ、自分たちの実力を向上する上で非常によい機会になると思います。 そのためには、しっかりした準備が必要であり、それを中期的に進めていこうと考えているのです。

パーソナリティー:
 分かりました。 最後に、今後の抱負を教えて下さい。

防衛補佐官:
 はい。これからも、東北防衛局が地方における防衛行政全般の拠点として地域の皆様方からご理解とご協力をいただけるよう防衛補佐官の立場からしっかり支えていきたいと思います。

パーソナリティー:
本日は、東北防衛局防衛補佐官の佐藤1佐から、お話をお伺いいたしました。どうもありがとうございました。

防衛補佐官:
 はい、こちらこそ、どうもありがとうございました。


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