自 衛 隊 百 科
5月放送内容)


テ-マ:防衛施設紹介シリーズ その⑫青森駐屯地について


パーソナリティー:
 本日は東北防衛局の熊谷昌司局長からお話をお伺いします。熊谷局長、よろしくお願いします。

局長:
 はい。よろしくお願いします。

パーソナリティー:
 はい、本日はお電話を繋いでお届けしていきたいと思います。
 今日のお話は、東北地方に所在する防衛施設について紹介してもらうシリーズです。 今回はどんなところを紹介してもらえますか。

局長:
 はい、本日は、陸上自衛隊の青森駐屯地についてご紹介したいと思います。
 青森駐屯地は、青森県青森市に所在する陸上自衛隊の駐屯地です。自衛隊の前身である警察予備隊の時代の、昭和26年10月に金沢駐屯地から当時の第5連隊が移駐し、開設されてから現在まで長い歴史を辿っています。
 青森駐屯地は、青森市中心部から南西約4.0キロメートルに位置し、面積約29万㎡の敷地に、庁舎、隊舎、弾薬庫、厚生センターといった施設が配置されています。周辺地域は都市計画により第1種低層住宅専用地域に指定され、住宅地となっています。また、駐屯地の周辺地域には、県立美術館、県立運動公園のほか、来年の世界遺産登録を目指している北海道北東北縄文遺跡群の中心的な遺跡である三内丸山遺跡が所在しています。
 駐屯地の所在人員は約2,000名であり、第9師団司令部及び第5普通科連隊をはじめ多くの部隊で構成されています。また、様々な任務に対応可能な装備品を保有しており、非常事態に備え、日頃から厳しい訓練等に取り組んでいます。

パーソナリティー:
 はい、とても長い歴史のある駐屯地ですね。 青森駐屯地で保有している装備品について詳しく教えていただけますか?

局長:
 はい。青森駐屯地で保有していますのは、迫撃砲、無反動砲、小銃等及び車両等といった装備品です。
 原発事故等や化学・生物材に対応する化学防護車、野外炊事に使用する炊事トレーラー、水トレーラー及び物資等を運搬する7tトラックといった車両等は、自然災害等の緊急事態に対応可能な装備品です。その他にも、患者を輸送する救急車、初期の外科手術及び応急治療が可能な野外手術システム等といった装備品が配備されており、緊急の事態に備えています。

パーソナリティー:
 それらの装備品が常時配備されていることで、自然災害等の緊急事態に対応可能なのですね。
 実際に災害派遣をした実績等はありますか?

局長:
 はい。最近の例で言いますと、昨年10月に、多くの地域で甚大な被害をもたらした台風19号が発生しました。その際に、災害派遣に対応しております。
 青森駐屯地の隊員は、10月15日から21日の間、岩手県山田町及び普代村において道路啓開、流入土砂の撤去、給水支援、災害廃棄物の撤去を実施しました。 さらに、10月29日から11月3日の間にも、福島県相馬市において流入土砂の撤去、災害廃棄物の撤去を実施しています。

パーソナリティー:
 はい、自衛隊の皆さんの日頃から徹底した訓練があってこそ、台風19号のような未曾有の災害にも早急な対応が可能だったのですね。
 では続いて、青森駐屯地の広報施設について教えていただけますか?

局長:
 はい。青森駐屯地には、「防衛館」という資料展示館があります。
 防衛館は、明治11年、青森県筒井に八甲田山雪中行軍で有名な歩兵第5連隊本部兵舎として建てられたもので、終戦後は高校の施設として使用されていました。昭和43年に現在の駐屯地に移築保存されました。この建物は当時としては珍しいルネサンス様式によるもので、青森県に現存する西洋建築物としては最も古いものの1つです。なお、館内は2階建てで、6つの展示室があり、テーマ毎に多数の資料を展示しております。

パーソナリティー:
 はい、展示室が6つあるんですね。どのような資料が展示されているんですか?

局長:
 はい。旧軍のものですと、八甲田山雪中行軍遭難の資料、日清・日露戦争、満州・支那事変関連の資料等が、また、自衛隊のものですと、国際貢献など海外での隊員の活動、東日本大震災をはじめとする災害派遣における隊員の活動に関する資料が展示されています。その他にも、郷土の歴史のある、ねぶた祭りに参加してきた自衛隊ねぶたの絵や写真を展示しています。  
 開館時間につきましては、平日は午前8時30分から12時、午後13時から16時、土日祝日は午前9時から12時、午後13時から16時となっており、入館は無料です。皆さんも機会がありましたら、ぜひ足を運んでみて下さい。

パーソナリティー:
 はい、歴史的価値のある資料がたくさん展示されているのですね。わたしも、一度訪れてみたいなと思いました。
 その他に、一般の方が参加できる行事等がありましたら教えて下さい。

局長:
 はい。青森駐屯地では毎年、師団創立記念行事及び駐屯地創立記念行事を実施しています。昨年度は、6月8日にJR青森駅東口前の新町通りを車両部隊等が行進する市中パレードが行われ、9日には、駐屯地を一般開放し、野外音楽演奏や戦闘訓練展示、戦車・高機動車への体験試乗等が行われました。当日は、沢山の来場者の方々により大いに盛り上がり、楽しんでいただきました。
 令和2年度は、10月上旬に記念行事等を実施する予定ですので、お時間がありましたら、ぜひ参加してみていただきたいと思います。

パーソナリティー:
 はい、自衛隊の活動や青森駐屯地について深く知ることができる、大変良い機会ですね。多くの方に足を運んでいただきたいと思います。  
 本日は、東北防衛局の熊谷昌司局長から、青森駐屯地について、お話をお伺いしました。熊谷局長、本日はどうもありがとうございました。

局長:
こちらこそ、どうもありがとうございました。



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