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北関東防衛局は「防衛省」の地方支分部局で、東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、新潟県、長野県の1都7県を管轄しています。

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 北関東防衛局広報第87号(平成28年2月発行)

特集!海上自衛隊下総航空基地

~海自固定翼哨戒機の教育の最前線 千葉県柏市・鎌ヶ谷市~

編隊飛行する下総教育航空群のP-3C哨戒機(房総沖:平成28年1月7日の初訓練飛行)

目次

1 特集!海上自衛隊下総航空基地 ~千葉県柏市・鎌ヶ谷市~
2 管内の414自治体等に防衛白書を説明
3 米海軍空母ロナルド・レーガンを視察研修 ~在日米海軍横須賀基地~
4 第35回防衛問題セミナー開催のお知らせ ~埼玉県さいたま市~


特集!海上自衛隊下総航空基地~千葉県柏市・鎌ヶ谷市~

 下総航空基地の概要

 哨戒機搭乗員等のスペシャリストを養成

 下総航空基地は、千葉県柏市にある海上自衛隊の航空基地です。所在地は柏市ですが、敷地は同県鎌ヶ谷市にまたがっており、滑走路の南端は鎌ヶ谷市の中心部にも近くなっています。千葉県の内陸部に位置し、基地の周囲には千葉県が収穫量日本一を誇る「梨」園が多数存在します。下総航空基地は昭和20年4月に旧陸軍の飛行場として開設。戦後、米軍の接収を経て昭和34年の白井術科教育隊(後に第3術科学校に改称)開隊、米軍からの基地の全面返還後、航空集団の新編、その後の複数回の部隊の新編や移転、管制塔、滑走路等諸施設の整備等を経て平成23年6月に現在の組織になっています。

 現在、下総航空基地には教育航空集団司令部、第3術科学校、下総教育航空群司令部、第203教育航空隊、第203整備補給隊、下総航空基地隊等多数の部隊が在籍しています。第3術科学校では、主に航空機関係の機体や機器の教育を行い、第203教育航空隊では、哨戒機P-3C等の操縦士や航空士になるための教育を行っています。











 哨戒機とは?    

 日本の領海に侵入する艦船等を監視

 海上自衛隊は、固定翼機のP-1、P-3C、回転翼機(ヘリコプター)のSH-60J、SH-60Kの哨戒機を保有しています。哨戒機は、警戒・監視ための哨戒飛行や潜水艦を相手とする対潜戦などの任務を行う航空機です。

 このうち、海上自衛隊の固定翼哨戒機の主力であるP-3Cは、海中の潜水艦に対する優れた探知能力はもちろん、広い海域を長時間飛行できるのが特徴で、上空からの広域的な警戒監視、情報収集活動を行うことができます。海上自衛隊のP-3Cは平成21年からソマリア沖・アデン湾における海賊の警戒監視にも派遣されていますが、その活動能力は世界でも高く評価されています。日本国内においては、八戸(青森県)、厚木(神奈川県)、鹿屋(鹿児島県)、那覇(沖縄県)の各航空基地に配備され、我が国の周辺海域をくまなくカバーできるよう警戒監視にあたっています。

 平成25年3月にはP-3Cの後継機となる純国産の最新型哨戒機P-1の開発が完了し、平成27年度に厚木航空基地に2機が配備されました。今後、海上自衛隊のP-3Cは、順次P-1に更新されていく予定です。

写真(上)房総沖を編隊飛行するP-3C、 (中)下総航空基地の誘導路を移動するP-3C、(下)アデン湾沖における警戒監視活動の様子

 第203教育航空隊    

 固定翼搭乗員課程学生の最終教育地

 第203航空教育隊はP-3C型航空機の操縦士をはじめ、各種航空士の教育部隊として、飛行に必要な知識及び技能を修得させるための教育を行う部隊です。

 P-3Cには、操縦を行う操縦士及び副操縦士、戦術に関する指揮を担当する戦術航空士、飛行前後に航空機を点検し、飛行中は機体やエンジンの専門家として操縦士を補佐する機上整備員、気象条件を考慮して航空機の航法を実施し、司令部や他の航空機との通信を担当する航法・通信士、海中に向けたソノブイ(音響探知機)などにより得られるデータを分析して戦術航空士に伝える音響員、レーダーや赤外線などの非音響探査機器を操作して得られるデータを分析して戦術航空士に伝える非音響員、搭載されている電子機器を整備し、故障が発生した際は原因を特定、修理する機上電子整備員、哨戒機に搭載される武器を担当し、弾薬や音響捜索機器を投下する機上武器員など様々な職種の隊員が搭乗します。そのため、実際に全員でP-3Cに搭乗して行う訓練のほか、座学教育やシミュレーターによる教育など各職種ごとの教育も行われています。

 第203教育航空隊での教育訓練を終えた学生たちは、教育航空集団司令官から、搭乗員の資格保有者の証であるウィングマークを授与され、それぞれ配属先の航空隊で哨戒機による警戒監視等の任務にあたります。




 地元との交流事業等を実施   

 基地の一般開放や職場体験支援など

 下総航空基地は航空機を運用して教育を行う部隊であるため、航空機の特性上、どうしても基地周辺に騒音の影響を与えることが避けられませんが、基地の担当者は「航空機の運用に当たっては飛行安全の確保を最優先するとともに、周辺住民の皆様への騒音の影響を極力低減するよう努めています。日本の領海監視を行う重要な任務のための搭乗員教育を行っていることに御理解いただければありがたいです。」と話していました。

 下総航空基地は毎年基地を一般公開し、飛行展示、体験搭乗、各種イベントなどを行っています。昨年は9月26日(土)に開催されましたが、今年も9月から10月の間に開催される予定です。また、周辺自治体に所在する中学校の職場体験の支援などを行い、自衛隊の活動を理解していただけるよう努めています。





下総航空基地の武道場を新設

 第3術科学校が落成式を挙行

 下総航空基地では、昭和28年に建設された体育館(兼武道場)の老朽化が著しいため、平成25年度から武術専用の武道場として新たに整備を行い、平成27年11月30日に完成しました。去る1月26日(火)には第3術科学校の主催で落成式が行われました。

 香取神宮の神官による道場開きの神事の後、第3術科学校長が「本武道場を使っての稽古や訓練を通じ、多くの有為な人材が輩出されることを切に願う。」と挨拶され、その後、教育航空集団司令官による祝辞、建設会社に対する感謝状の贈呈などが行われました。
 北関東防衛局からは小柳局長が出席しました。


 防衛白書の説明が終了

 管内の414の地方公共団体等を訪問して説明

 平成27年版防衛白書が平成27年7月21日の閣議において了承され同年8月に刊行されました。防衛白書はわが国防衛の現状と課題およびその取組について広く内外への周知を図り、その理解を得ることを目的として毎年刊行しています。平成27年版防衛白書は、新たに、日米防衛協力のための指針の見直しや防衛省改革、沖縄の基地負担軽減への取組などについて記述するとともに、政府が国会に提出した平和安全法制に関する法案の概要を記述しています。あわせて、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることなどについて記述するとともに、わが国を守り抜くための統合機動防衛力の整備や積極的平和主義の理念の下で進めている各国との安全保障協力などについても、わかりやすく紹介しています。

 北関東防衛局では、地域の皆様に防衛政策に対する理解を深めていただく一助となるよう、管轄する茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の各地方協力本部と協力し、平成27年8月から平成28年2月の間に1都7県の414の地方公共団体等を訪問し、知事や市長等に対し防衛白書の説明を行いました。



空母ロナルド・レーガンを視察~米海軍横須賀基地~

 米海軍原子力空母ロナルド・レーガン(CVN76)

 北関東防衛局は、横須賀に展開している米海軍空母の艦載機が暫定的に硫黄島(東京都小笠原村)で行う艦載機着陸訓練(FCLP:Field Carrier Landing Practice)を支援しています。その支援担当部署の職員を中心に、1月26日、米海軍横須賀基地に入港中の空母ロナルド・レーガンの視察研修を行いました。

 ロナルド・レーガンは2003年に就役した米海軍の原子力空母で、ミニッツ級空母の9番艦です。艦名は第40代アメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンにちなんで名付けられました。2008年から横須賀に展開していた空母ジョージ・ワシントンが2015年5月の帰国後、2015年10月から横須賀に配備されています。同艦は、2011年3月の東日本大震災において、支援活動(トモダチ作戦)に従事した艦船です。米海軍によると、同艦は全長が東京タワーの高さと同じ約333メートル、全幅(甲板含む)が約77メートル、排水量約9万7千トン、17階建て建物と同様の階層で、60機以上の航空機を搭載し、空母要員、航空要員を合わせて約5千人以上が乗り込むそうです。自衛隊最大級の護衛艦いずもの排水量が約2万トンですから、その大きさは驚くばかりです。


 空母への着艦には高度な技術が必要

 同艦を案内してくれた在日米海軍のギャンブル兵曹長は「艦載機の空母への着艦は通常の滑走路での着陸と違い、機体後尾に付けられたフックを艦上に張られたワイヤーに引っかけて停止させます。ジョージ・ワシントンでは4本あったワイヤーがロナルド・レーガンでは通常3本になっています。着艦する航空機はその3本のうちどれか1本にフックを引っかけないと艦上で止まれませんが、万が一どのワイヤーにもフックを引っかけられない場合は再上昇する必要があるため、艦載機はエンジンフルパワーで機体をたたきつけるように着艦します。飛行甲板は約77メートルの幅がありますが、その全てを着艦に使えるわけではなく、海上で移動する空母に着艦することは非常に高度な技術が必要になります。」と説明してくれました。

 艦載機搭乗員はその技術の維持・向上のために暫定的に硫黄島で着陸訓練を行っていますが、当局の職員は「実際に空母を見て、着艦の難しさがわかった。今回の視察研修を参考として、硫黄島での着陸訓練が支障なく実施できるよう支援していきたい。」と話していました。

 なお、今回見学途中に偶然お目にかかった在日米海軍司令官のカーター少将と写真を撮る機会に恵まれました。