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防衛省・自衛隊東京地方協力本部 隊員コラム

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『しばられて生きる』

募集課(当時) 
大森准陸尉

 私は決して「M」ではない。世の中には「〇〇にしばられない生き方」という本がたくさん出版されている。 人は様々なことにしばられて生きている。誰もが時間、お金、 人間関係、規則やルールなどの様々な制約の中で生活をしている。 仮に時間が自由に使えるとしよう。毎日24時間をどのように過ごすのか。 自由気ままに生きることが本当に楽なことで楽しいことなのか疑問に思う。
 今まで自衛隊という組織の中で勤務をしてきて思うことがある。 入隊直後の数年は、自由になりたいと思っていた。外出に制限があったり、 様々な規則や規律などのしばりから解放されたいという理由からだ。 でも今は違う。その一定の規則やルールに守られている。規律正しい生活をし、 給料の範囲内で生活ができている。これもしばられているおかげだと思う。
 私にはいくつかの「ルーティン」がある。毎日同じ時間に起床、 出勤、その後1時間運動をして仕事に取りかかる。 何気ない毎日だが同じことを繰り返すことを無駄だと考えることがない。 また、休日のルーティンもある。夫婦で一緒に家事をするのが、 毎週土曜日の恒例行事みたいなものだ。夫婦のどちらかがこれをやるといった分担に決まりはなく、 何となく「私がご飯作る」、「俺が掃除する」といった感じで役割分担し、 全て完了後に一緒にご飯を食べる。午後の時間は互いに好きな時間に使う。 誰でも行っていることかも知れないが、しばられている感は全くない。 何も考えずに決まった時間にやるべきことをやっていれば、考えずとも自然にできる。 体が覚えたルーティンを繰り返すことにより、工夫も生まれる。 やらされているという意識がないからだ。また、ちょっとしたことが刺激にもなる。 私たち夫婦は旅行が好きで年に数回、旅行をする。いつもやっている家事や通勤をやらないだけで開放感があり、 小旅行も刺激的に脳が感じ、楽しくなる。
 もう少しで定年を迎える。再就職をし、引き続き組織で仕事をすることとなるだろう。 その上で様々な「しばり」を守られているとポジティブに考え、空いた時間を楽しむよう生きていきたい。