自己紹介
トップページINDEX>真夏の夜のクラゲ

クラゲと聞いて思い浮かぶのは神秘的、癒し、もろい、はかなげ、などなどそんなイメージを持っているかと思います。私もそうでした。
眠れぬ夜を過ごす前までは…。

話は変わりますが車はエンジン等の冷却のために冷却水を空気の流れで冷やしますよね?
船の場合は空気より冷たい水の上に浮かんでいるので、空気の変わりに海水で冷却します。

 しかし海水で直接冷やさず、真水を海水で冷やして循環させています。(機械によっても冷却方式は様々ですが)

その日は当直で、深夜に勤務しているときでした。操縦室で雑務をしていたら警報が突然鳴り響き、深夜に一人で勤務している「ビビリ」な私には心臓が止まるくらいのサプライズです。
作動していたのは発電機の異常警報でした。

懐中電灯を携え、異常の出た発電機を単身チェックに行きます。

夜の艦は意外と怖いんですよ。近くの居住区に何人も人が寝てるのは分かってるんですが、人が居るにもかかわらず「ブ〜ン」と機械の物音しかしないシーンとなった艦内が…。

そんなこんなで発電機室にたどり着き点検開始です。どうも冷却器のフィルターに何か詰まって水量が低下した結果、機械の温度が設定値よりも高くなり、警報が鳴ったようです。
この時期、この時間に考えられる原因はひとつしかありません。
申し訳ないと思いつつも、すぐさま寝ている乗員を起こして作業開始です。

その発電機は2つのフィルターを切り替えてメンテナンスできる複式タイプだったので、切り替えて先に作業を開始しました。
仲間が眠気まなこで集まってきます。「ついに来たか…。」「またか…。」「今日は来ないと思ったのに…。」「何時に寝れるんだ…。」などとグチをこぼしながら体制を整えて作業開始です。

フィルターの蓋を開けると…いるわいるわ!隙間も無いくらいに詰まった「クラゲ」が!!
大体がふつうのミズクラゲなんですが、死ぬと白く濁って硬くなります。具材の中華くらげみたいな硬さに近いですね。あ!同じくらげか!(お食事中の方申し訳ありません)
クラゲは詰まって死ぬとひどい悪臭を発します。臭いを我慢しつつ、フィルターを切り替えながら掃除するんですが、切り替えたそばから詰まって掃除、詰まって掃除の繰り返しになりますのでゲッソリしてきます。

配管の中や外にたくさんいますので、それがいなくなるまで続きます。飽きてきて眠気が限界に達しようとした時にようやく終わりまして、たぶん外は朝焼けの頃でしょう。
次の日…あ!実質今日ですね!休みだったのが唯一の救いでした。
そしてクラゲがいなくなるまで眠れぬ当直の日々が続くのでした…。