内火艇

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 使用しない時や航海中は、艦艇の両舷(りょうげん:両サイド)にコバンザメの様に収容されていて、
停泊している護衛艦の近くをちょろちょろ動き、荷物を載せたり人を乗せたりする内火艇(ないかてい)のお話です。
 
 内火艇はFRP製(Fiber Reinforced Plastics:ファイバー・リインフォースド・プラスティック:繊維強化プラスチック)で長さ7.9m、
定員25名(艇長1名艇員2名 計3名含む)ディーゼルエンジン1基 速力約7ノットの小型の艦載艇です。
FRP製ですが、所々木材を使っています。整備時はニスを塗って綺麗にしたり、傷みが酷い場合は交換したりもします。
※艦艇広報時はスクリュー等の金属部を顔が映るくらい光らせます。
 
 艦艇には基本的に2艇搭載されており、停泊の際は内側(接岸する側)の内火艇が降ろされて後ろに係留されます。
なぜ内側の内火艇が降ろされるのかといいますと、「2艇必要な状況になった場合、艦艇が岸壁から離れないと降ろせなくなるから」です。
投錨の時(沖に泊まる時)は艦艇の横に係留される事もあります。
 
 内火艇は次のような場面で活躍します。
・沖に錨泊している艦艇から陸(または艦艇)への乗員(物資)輸送
・他の艦艇等への連絡
・派遣防火(僚艦や民間船に被害が出た時の人員や器材を輸送)
・港湾・水路等の調査
・溺者の救助
・外壁のペンキ塗り
などなど、訓練や艦艇の雑務によく使われます。
 

 内火艇の整備でメカニカルな部分は3分隊(機関科)が受け持ち、エンジン等は朝に毎朝必ず点検します。
使用する時に「エンジンが起動しない!」という状況を回避するために暖機運転まで済ませておきます。若手が行う場合が多いです。
冬はなかなか起動しないので、寒さが厳しい時は湯を掛けて、エンジンを暖めてから起動させる場合もあります。
あんまりやりすぎるとエンジン下部が水浸しになり、故障してしまう可能性が出てくる諸刃の剣でもあります(-ω-)
※溜まった水は油を含みますので、艦内で分離してから処理します。 

 港内を世話しなく航行している内火艇は任務が無い時は決して動きません。
動いている時は何かの任務中なんだと眺めていて下さい(´・ω・)

内火艇の簡単な解説ヾ(´▽`*;)ゝ"
雨天や波浪で荒れている時は艇内への浸水を防ぐため、
部分覆いから全覆いに換装します。(覆い:カバー)
艦長席は艦長以外は座れません。
艦長以外は、両サイドの座席に座ります。
座れなかった乗員は足場(灰色)に立ちます。


※乗り降りにも作法があり、乗る時は乗員が先で
降りる時は艦長が先です。

理由は乗員が先に乗って重さで船を安定させ、
降りる時は乗員が残って安定させている内に艦長に降りてもらいます。
先に乗る事で船の安全確認をするという意味も含まれます。
艇長:内火艇の操縦者兼指揮官
    (艇なので艇長です。幹部ではありません)

艇員(バウメン):艇首(バウ)で見張り等をする役目。
          艇長に逐次近づく目標や浮遊物の有無を知らせます。

艇員(機関長):内火艇の機関に何かあった場合に処置をする役目。
          ある程度の知識と修理技術が要求されます。

※運行中は、揺れで倒れないようにするために「爪竿」というお手製の
引っ掛け棒で、内火艇の出っ張りに爪を掛けて体を固定します。
船や岸壁に横付けする時にも重宝します。

こんな形です。棒の先に金具がついてます。
極稀に根性注入棒の代わりをするという説もあります。