ペンキ塗装

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 自衛官には品位を保つ義務と言うのがございまして・・・。
常に制服をビシッと決めるのも大事ですが、最も目立って人の目に触れる船も常に綺麗でなければなりません。

 それ故、船乗りの仕事で忘れちゃいけないのがペンキ塗装です。
通常の整備でも錆が酷い時や定期的な整備により、外観を綺麗に保つ事を怠りませんが、艦艇広報の
事前準備で外観・内部の整備を行う時もペンキ塗装します。(気合入れていつもより綺麗にします。)

 錆汁が垂れた跡を塗って綺麗にしたり、錆が酷く浮き出てボコボコのところはハンマー
(チッピングハンマー:錆落とし用の小型ハンマー)等で叩き、大まかに錆を落としてブラシで磨いてから塗ります。
錆を落としたら地金が出ましたら、また錆びない様に錆止めのペンキ等を重ね塗りしますので、下のペンキが
乾いてからまた塗装を繰り返しますから2〜3日かかる場合もあります。(下地が乾くのに約半日〜1日かかる)
船体は分隊ごとに受け持ちが分かれていますが、モノがモノだけに大きいので塗装範囲が広く、ムラや垂れが
無い様に均一に塗らないといけないのでちょっと一苦労です (-。- )

 遠目では全然目立たないであろう煙突部分等の高所も安全帯(高所作業用ベルト)を付けて命綱を引っ掛け、
ピカピカに塗っていきます。煙突等の上部は風と揺れが強く、高所作業が苦手な人間はあまりの高さにビビリます。
慣れてくると見晴らしが良く、横須賀を海から一望できるいいスポットなので私は好きですが、よそ見していると
落ちるので油断は禁物です。自分が落ちて怪我をするのは一大事なのですが、ペンキを上司に垂らして怒りを
買う事が稀にあるので、それも気をつけなければなりません。後者の方がどっちかというと一大事です(´w`)

 外ばかり綺麗にしてる訳ではなく、しっかり艦内も塗装します。外観の方も場所によっては灰色・黒・白や
同じ灰色でも外壁と甲板(歩く所)で色分けしているように、艦内もツヤあり白・ツヤなし白・アイボリー・
内部デッキ色etc…。場所や機材で色分けして綺麗に塗っていきます。

 艦内で塗っている時は、注意が必要になります。外で塗っている時は常に海風が吹いているので、換気はそこまで
気を使いませんが、完璧に密閉された空間である艦内では換気に注意しなければなりません。綺麗に塗るのに
夢中になりすぎて、シンナーで気分が悪くなってしまう時があります。そのため、可搬式の通風機を設置し、安全に
留意して作業するよう心がけてます。

 停泊中は乗員の手により中も外も塗装で綺麗にして、次の出港での訓練や艦艇広報等に臨みます。