ラッタルとは・・・

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 全国から試験をパスして教育隊にやって来た、ドキドキワクワクの新入隊員が多分最初に受けるであろう試練が台風だと思われます。
(決して発達した熱帯低気圧の事でも、必殺技の事でも、ましてやアジア系料理の名前でも無い。)

 教育隊在籍中は常に整理整頓を心がけなければなりません。その際たるものがベッドメイクです。予定がミッチリ詰まっている時間割の中でも、いかに短時間で綺麗に仕上げるかを問われます。仕上げが悪いとその後が大変ですw

 いつの世も要領の良い人間はいるもので、短時間にパパッと綺麗なシワ1つ無い、ボールを落とすと跳ね返るくらいのベッドに仕上げます。もちろん横のシワや“みみ”の折込み、毛布も畳んだ横がバームクーヘンのように綺麗な層になります。私のような要領の悪い人間は、毎日悪戦苦闘の連続で時間ギリギリにやっと仕上げる感じです(汗

ようやく会心の作品(ベッド)が出来たというときに限って何の前触れも無く「台風」がやってきます。優しい隊では台風予報で台風の接近を知らせてくれる場合もありますが・・・。

その日も午前の教務から帰って来て、ちょっと休憩でもするかと自分達が寝泊りしている隊舎の階に来ると各部屋のドアに紙が張ってあります。

「サッカー場」・「広い!」・「大型台風」・「グラウンド」などなど・・・。

そこには各部屋ごとに見学者を飽きさせないよう、趣向を凝らせたアーティスティック&ファンタスティックな班長達が作り出した芸術作品が転がっています。

ゴールポストのように組みあがったベッド、全て垂直に立たせて広場になった部屋(意外に広い!)、骨組みまでバラされたベッド+ロッカー、何故か見当たらないベッド(?)。

 数少ない貴重な休憩時間があっと言う間に阿鼻叫喚な地獄のベッドメイキングの時間に早変わり!

 奇跡的に無傷の部屋の住人も手伝って台風の事後処理に総力を結集します。

 あらかた処理が終わっても、ベッドが消えた部屋の同期はまだベッドを探していましたが、他の同期が「おい!あったぞ!」と指差した方向を見てみると、グラウンドの真ん中にポツンと1台ころがっています。1人で持ってくるのは無理!ということで、力自慢の同期数人がベッドを8階まで運んできて事無きを得ました。
台風の威力を目のあたりにし、次の日から各部屋のベッドが見違えるように綺麗になったのは言うまでもありません・・・。

そして時が過ぎ、新入隊員が弛んできた頃また台風の脅威が迫ります。

お気付きかと思いますが、ベッドメイクの下手な部屋には台風が頻繁に襲来します。綺麗な部屋にも連帯責任でたまにやってきますがw
大抵は時間の無い切羽詰った時を狙ってやってくるもので、予期せぬ事態に冷静に対処し、周囲の状況判断と仲間との連携により、次の予定に間に合わせる技量を養う事に目的があります。班長は別に憎くて部屋の中をひっくり返しているわけではないのであしからずw

慣れてくると台風も楽しめるぐらいになってるから不思議です(^^;

整然と並ぶ綺麗にメイキングされたベッド。本人は満足の出来栄えでも、班長の辛口チェックからは逃れられない。
新入隊員がこの後、班長による前衛的芸術作品を見て戦慄する事になる・・・。