HOME ≫ 岩手地方協力本部について

海賊対処の概要

民間船舶を護衛する護衛艦

ソマリア沖・アデン湾の海域は、アジアとヨーロッパを結ぶ海上輸送の大動脈。

年間約2,000隻の日本関係船舶を含むおよそ20,000隻の船舶が通行するなど、

日本の暮らしを支える重要な海上交通路ですが、

近年この海域では、武装した海賊による事案が多発・急増しています。

我が国はこうした状況に対して、海上警備行に基づく護衛艦による民間船舶の護衛と

海賊対処法の整備という対応策を講じました。


護衛艦とP3−C

自衛隊は、平成21年7月に海賊対処法による護衛活動が開始されてから、

派遣海賊対処行動水上部隊(護衛艦2隻)を派遣し、

この海域を通行する船舶の護衛を実施するとともに、広大な海域における海賊対処を

より効果的に行うため、派遣海賊対処行動航空隊(固定翼哨戒機2機)を

現地(ジブチ共和国)に派遣して海賊の監視警戒を実施しています。


アデン湾での海賊対処活動についてインタビュー


海上自衛隊 護衛艦まきなみ
2等海曹 金崎 央(かねざき ひろし)


平成20年3月から平成23年4月まで、
自衛隊岩手地方協力本部釜石地域事務所で
広報官として勤務

平成24年8月から平成25年2月までの約6ケ月間、
第13次派遣海賊対処行動に参加
 

本日は、宮古港で行われている護衛艦まきなみ・すずなみの艦艇広報の合間をぬって、

お時間をいただき自衛隊岩手地方協力本部のインタビューに爽やかに答えてくれました。


はじめに

地本インタビュアー:地本

回答者:金崎2海曹


地本:アデン湾での海賊対処、お疲れ様でした。

本日は、護衛艦まきなみに乗船され、第13次隊の要員として

平成24年8月から平成25年2月までの約6ケ月間、アデン湾で海賊対処に

あたられた金崎2曹にお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。


アデン湾とは

海賊対処行動中の護衛艦

地本:それでは、まずは、基本的なことからなんですが、アデン湾というのは、どこにあるんでしょうか?

世界地図でいうと、日本を越えて、アフリカがあって、アラビア半島がありますよね。
で、インドのさらに向こう側です。・・・ほぼ赤道の近くですね。

      
アデン湾海域の概要

地本:すごく遠いんですね!

日本との時差は6時間ですから。

地本:赤道の近くにあるということは、アデン湾はかなり暑いんですか?

ええ、雨はめったに降らないですね。気温が40度を超えることもザラですよ。
洋上では、風が吹くので、体感温度はそこまで暑くはないんですが、蒸し暑いです。

地本:護衛艦にはエアコンもあるんですか?

あります。でも、船は鉄板なので、太陽の熱でデッキが急激に熱くなって、
フライパンの上に立ってるみたいになるんですよ。靴の底が溶けかけたりとか。

地本:そんなにですか?!

目玉焼きが焼けるくらい暑いんですよ。(笑)

イメージ図

海賊対処の任務とは

地本:また基本的な質問なんですが、海賊対処というのは、どんなことをするんですか?

海上監視をする海上自衛隊員

護衛艦の任務は、アデン湾を往復しながら、民間商船を護衛することです。
海賊対処というか、この商船は各国の護衛艦によって守られているということをアピールすることで、
海賊が近寄れない環境を作るということにあるんだと思います。

アデン湾上空で活動中のP3−C

地本:どうやって護衛するんですか?

護衛方法としてはまず、アデン湾の東西に一か所ずづ定められた集合地点がありまして、
そこで護衛の対象となる民間船舶の受け入れ作業を実施します。
その時、性能などが異なる民間船舶を海賊から効果的に防護するため、
最適な陣形となるよう調整するんです。

海図を読む海上自衛隊員

地本:陣形というのは、どういう感じなんですか?

アデン湾を護衛船団が航行する時、船団の前後を護衛艦が守り、
護衛艦に搭載された哨戒ヘリコプターも、上空から船団の周囲を監視しています。
このように昼夜を問わず船団の安全確保に万全を期しつつ、
アデン湾を約1日半ほどかけて通過するんです。
護衛艦には8名の海上保安官が同乗していて、必要に応じて、
司法警察活動ができるように、自衛隊は海上保安庁と協力して活動しているですよ。

海賊対処行動を実施中の海上自衛隊員

地本:そうやって護衛されているのを海賊がみたら、近づけないですもんね。

そうですね。護衛艦はとても大きいですからね。

海上監視任務中の海上自衛隊員

地本:海賊の船というのは、小さいんですか?

自分は実際に海賊を見る機会がなかったのですが、小さい船だと聞いてます。

地本:そうなんですか?!
海賊というと、ドクロの旗をなびかせた帆船で霧の中から現れるというイメージなんですけど、
そういう感じではないんですね。

ぜんぜん違いますね(笑)
機関銃やロケット・ランチャーなどで武装した海賊もいるらしいんですよ。
見たことはないんですけど。


洋上での生活について

地本:続きまして、洋上での生活について教えて下さい。
アデン湾はとても暑いとお伺いしましたが、そんな暑くて、見渡す限り海っていう環境で、
病気にでもなったら、治療とかどうやってしてもらえるんですか?

船には医師が乗っていますので、その辺は大丈夫です。

艦内で治療中の歯科医官

地本:あと不思議なのは、船の水は真水だと思うんですが、足りなくなることはないんでしょうか?

水はどんどん減っていきますが、船には造水装置が付いているんで、
海水を真水に変えることができるんですよ。
普通の客船なんかにも付いていると思うんですが、
そういったものが護衛艦にも付いているわけです。
「護衛艦まきなみ」は、比較的新しい船なので、造水装置も最新のものが搭載されてますよ。
まあ、港に入れば、港から水は積めますけども。

地本:そうなんですね。アデン湾といっても、ずっと海の上にいるわけではないんですね。

寄港する護衛艦

ええ、水や食糧を補給するために寄港します。

地本:ということは、食材もその国のものが多いんじゃないですか?

結構、地元の食べ物が多いですね。
見たこともない熱帯魚みたいなものが夕食に出ることもあります。
煮つけにしたり、調理をする隊員がいろいろ工夫をして出してくれますよ。

地本:アデン湾に寄港した時、港の酒場でお酒は飲めるんですか?

宗教的な理由で、飲めない場所と飲める場所がありますが、基本的には飲めます。


家族について

家族との別れを惜しむ海上自衛隊員

地本:家族との連絡はどうのようにされているんですか?

海外の洋上なので、基本的には携帯電話は通じないですね。
ただ、船乗りが集まる場所では、たまにWifiが使える場所があったりしますので、
そこだと通信ができますし、船には家族との連絡用に衛星電話がありまして、
通話の制限時間が決められているんですけど、そこは無料で話すことはできます。

家族とテレビ電話をする海上自衛隊員

地本:たとえば、この海賊対処活動の半年間に家族に一大事が起こったりしたら、
どうしようもないと思うんですけど、そういう時のなにか対策はあるんですか?

家族支援センターがありまして、なにかあれば家族がそこへ連絡して、
センターの方が面倒を見てくれるという態勢ができてるんです。

地本:ちゃんと家族支援態勢が整っているんですね。

はい。この前は、日本で子供が産まれたという連絡が奥さんからありまして、
それが艦内に一斉に放送されて、みんなでおめでとう!とお祝いしたりしたんですよ。


最後に

地本:最後に、やはり金曜日はカレーなんですか?

そうです。カレーです。護衛艦まきなみのカレーは、特別おいしいですよ(笑)

おいしそうにカレーを頬張る海上自衛隊員

地本:本日は、アデン湾での海賊対処活動について、貴重なお話をお伺いすることができました。
ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。
久しぶりに自衛隊岩手地方協力本部の方々とお話ができて、とても懐かしかったです。


トピックス



平成25年7月20日(土)・21日(日)

岩手県宮古港にて

海上自衛隊 護衛艦まきなみ・すずなみの一般公開が行われ、
2日間で約6300名の来場者があった。