予備自衛官補(技能)10日間の教育訓練を終えて

予備自衛官補(技能(建設))出身
階 級: 予備1等陸曹(令和3年8月4日任用)
氏 名: 不破 大仁(ふわ ひろひと)さん
職 業: 石川県議会議員(平成23年4月~、3期)

【予備自衛官紹介文】
 令和2年12月18日付で予備自衛官補に採用後、令和3年8月3日に予備自衛官補任用に必要な計10日間の訓練を修了し、8月4日付で予備自衛官 予備1等陸曹に任用されました不破 大仁さんの訓練参加所感を紹介させていただきます。

【予備自衛官補(技能)10日間の教育訓練を終えて】

 コロナ禍で国内の各地では緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が指定される都市が多く発生する中、技能試験で予備自衛官補となった私は東京オリンピック2020開会式となる令和3年7月23日からの5日間(訓練Ⅰ)と7月30日からの5日間(訓練Ⅱ)、合わせて10日間の教育訓練に続けて参加しました。
 訓練に入る2週間以上前から手引きを何度も読み、毎日の体温計測を行い、数日前からは足りないものを買い足したりして徐々に荷物をまとめました。また、訓練中は携帯電話を所持できないため、それでも仕事で支障がでないような段取りも行い、満を持して参加しました。


 訓練Ⅰの5日間は主に予令・動令の言葉とそれに伴う基本的な動き・リズムを覚える事にあったと思っています。
 私は15年近く地域の消防団に所属しているため、「右向け右」や「回れ右」などの号令には比較的早く対応できていたと思いますが、基本動作における手の形が握り拳というのが初めてであり、初めは違和感があってなかなか慣れませんでした。しかしながら毎日の訓練によって日程が全て終わる頃には握り拳が当たり前になり、今では日常生活でもつい癖でやってしまいます。また、89式小銃を手にしながらの基本動作訓練はさすがに初めてで、自衛隊ならではの訓練だなと強く印象に残っています。


 もう一つ、訓練Ⅰの5日間では隊舎での生活に馴れるという要素も重要だったと思っています。寝床の上げ下げや洗濯、掃除等、お互いが気持ちよく集団生活を送るための決め事がいろいろとありましたし、物を揃えて置く、折り目正しくアイロンがけをする等の細かな点まで丁寧に教えていただき、 少しずつ覚える事ができたと思っています。また、これらの事を忘れないうちに続けて訓練Ⅱに入ったのは良かったなと思っています。
 訓練Ⅱの5日間は実弾射撃が出来る様になるために集中的に訓練されたと思っています。射撃姿勢の入り方や射撃手順、銃の手入れ等、日々の訓練の内容がとても濃密で、訓練Ⅰよりもかなり忙しかったですが、実弾射撃をするためにはそれだけの学びが必要不可欠なんだろうと気を引き締めて取り組みました。一つ困った点は、利き目が左目だったため実射訓練の前日にやっと覚えた射撃姿勢が左右逆になり、銃の操作が大変だった事です。早めに利き目のチェックがあれば良かったのにと思いました。


 また実射の際には、分解結合など自分で手入れした銃で撃つ事に対して、本当に大丈夫なのかと最初の弾を撃つまでは少し不安になっていましたが、そんな心配をよそにあっという間に終わりました。


 これまで述べてきた以外にも10日間の教育訓練では建設分野の技能訓練もあり、実に盛りだくさんの内容で、充実した日々を送らせていただきました。一緒に訓練を受けた皆さんとも仲良くなり、同志として支え合うことで楽しく過ごす事もできました。また、何と言っても教育訓練を無事に終えることができたのは、指導してくださった教官の皆様のおかげであり、本当に感謝しかありません。
 これからは予備自衛官としての責任と誇りを持って日々を過ごし、有事に備え、招集訓練にも意欲的に参加していきたいと思います。