本部長の群馬紀行
第4回 嵩山(たけやま)


 皆様、こんにちは。
 晴れて日が差すとたちまち気温が上昇し、初夏の陽気になる今日この頃ですね。

 自衛隊幹部候補生試験に応募された皆様、ありがとうございました。受験される皆様には、是非とも合格していただきたいと思いますので、5月10日(土)の試験日に向けて、準備方宜しくお願いします。

 さて、群馬紀行第4回は、中之条町の嵩山(たけやま)をご紹介します。

 


 嵩山は、古くから「霊山」として信仰されてきた山で、戦国時代には嵩山城があり、武田信玄方の武将、真田幸隆に攻められて落城した際、若き城主の斉藤城虎丸(じょうこまる:18歳)は頂上から飛び降り、一族も後を追って自刃したと伝えられています。元禄時代には、霊山信仰と合戦での犠牲者を供養するため、百観音が建立されました。

 



 
嵩山は、中之条盆地の北部に位置し、吾妻八景の一つに数えられ、小天狗、中天狗、大天狗の3つのピーク(頂)を持った台形状の岩山で、その特徴ある姿は、遠くからでも一目でわかります。登山口は、前橋市内から約45km、車で1時間15分程度の距離にある道の駅「霊山たけやま」内にあり、訪れた当日は、たくさんの鯉のぼりが山と駅を繋いで泳いでいました。

 



  駅内に2か所ある登山口のうち西側の「表登山道」から登り始め、約25分で「天狗の広場」という稜線上の広場に着きます。ここから西に10分で「小天狗」、広場に戻って北東方向に15分で「中天狗」、更に15分で頂上のある「大天狗」に着きますが、鎖を頼りに登る岩場が随所にあるので注意が必要です。

 

 


  いずれのピークも眺望は抜群で、頂上の標高は789mほどですが、切り立った岩状のピークであることと、独立峰で周囲に高い山がないため、非常に高度感があります。このほか、登山道から分岐して、「こうもり穴」、「不動岩」、「石門」、「胎内くぐり」、「烏帽子岩」、「五郎岩」、「弥勒穴」などの奇岩・怪石や切り立った岩場の小穴に祀られた観音像などがあり、岩場でのスリルと感動を味わえます。

 


  特に、「胎内くぐり」は、最狭部がわずか22cmの岩間をくぐるもので、ウエスト85cmの人が限界だそうですが、私は強引に何とかくぐり抜けることができました。(ウエストより胸の部分がきつく、挟まれそうになりました。)

 下山は、山頂下の「経塚」という鞍部から、もう一つの登山道「東登山道」を下り、約20分程度で駅に着きます。このように嵩山は、道の駅から手軽に1時間半程度で登り降りはできますが、見どころが非常に多い山なので、これらを満喫するのであれば、半日は必要です。
(参考図書等:「新・分県登山ガイド・群馬県の山(山と渓谷社)」及び中之条町パンフレット等)