本部長の群馬紀行
第2回 岩宿遺跡(国指定史跡)


 皆様、こんにちは。
 
本部周辺の桜は、満開の最盛期は終わったようです。この時期、日々又は朝晩の気温差が大きいので、外出時等の服装選びに悩むところですが、皆様、風邪を引かないように注意して下さい。
 大卒者等を対象とした自衛隊一般幹部候補生試験の受付期間は4月25日(金)までとなっておりますが、4月19日(土)に本部で同試験の説明会を行います。既に応募された方はもちろん、応募を検討されている方や応募をためらっている方は、自衛隊一般幹部候補生について詳しく説明しますので、奮ってご参加ください。

 さて、群馬紀行第2回は、みどり市笠懸町にある岩宿遺跡(国指定史跡)をご紹介します。

 

前回ご紹介した吾妻公園から南西方向に約5kmほどの距離にあり、私は、吾妻山登山の帰りに立ち寄りました。岩宿遺跡は、昭和21年秋、地元の考古学研究者である相沢忠洋氏が、行商で稲荷山と琴平山に挟まれた鞍部(切り通し)を横切る村道を歩いていた際、崖の赤土(関東ローム層)の中に数個の石片を発見したことが発端となり、その後の本格的な調査により、日本にも旧石器段階が存在することが初めて明らかにされた重要な遺跡です。



 
関東ローム層と呼ばれる赤土は、約1万年前より古い時代の火山の噴火によって堆積した火山灰で、その頃の日本列島は火山活動が激しく人間が住めるような環境ではないと考えられていましたが、この発見以降、日本全国において旧石器時代の遺跡の発見が相次ぐことになりました。遺跡に隣接する駐車場に車を停め、稲荷山と琴平山を横切る道路側に出てみると、発見当時の様子がイメージできます。

 


  道路の両側に遺跡の碑と相沢氏の胸像が建ち、また、石片の発見地点には史跡岩宿遺跡遺構保護観察施設(岩宿ドーム)が整備され、地層の観察ができるほか、当時の自然環境や岩宿時代の人々の生活の様子を描いた5分間程度の映像を無料で視聴することができます。さらに、遺跡から200mほど離れた場所には近代的な雰囲気の岩宿博物館があり、入館は有料(300円)ですが、岩宿時代をより詳しく学習することができました。

 


  最後に、琴平山の南端ある「大間々扇状地展望台」に行ってみました。琴平山は196mほどの小山で、岩宿ドームの脇から登り、山のピークを超えて約10分ほどで展望台です。展望台からは、笠懸町から太田市方面、更に南側に広がる関東平野を広く望むことができました。(参考図書等:史跡岩宿遺跡遺構保護観察施設見学のしおり、岩宿博物館パンフレット等)