2023年03月30日
掲載内容一覧
任命・宣誓
令和5年3月8日(水)、公益財団法人 防衛大学校学術・教育振興会より、きわめて優れた研究成果を上げた教官に対して「山崎貞一賞」、将来の伸展性が期待できる若手教官に対して「鈴木桃太郎賞」などの各賞が、令和5年3月25日(土)には研究科学生による優れた研究、そして本科学生による優れた校友会活動に対し、「学生研究奨励賞」及び「校友会活動奨励賞」がそれぞれ贈呈されるなど、受賞された教官そして学生に対してこれまでの業績が称えられました。
〇山崎貞一賞
応用科学群 応用化学科 准教授 竹 清 貴 浩
〇鈴木桃太郎賞
総合教育学群 外国語教育室 准教授 土 屋 知 洋
システム工学群 機械工学科 准教授 山 田 浩 之
〇教育奨励賞
防衛学教育学群 国防論教育室 准教授 齊 家 裕 一
応用科学群 地球海洋学科 教 授 菅 原 広 史
〇研究奨励賞
総合教育学群 外国語教育室 講 師 遠 藤 寛 文
電気情報学群 機能材料工学科 講 師 根 本 文 也
〇学生研究奨励賞(理工系)
理工学研究科後期課程 陸軍上尉 フン・クァン・クァン
理工学研究科前期課程 2等陸尉 福 井 智 大
〇学生研究奨励賞(人社系)
総合安全保障研究科前期課程 3等空佐 多田羅 健 志
〇校友会活動奨励賞
短艇委員会
アメリカンフットボール部
※官職及び所属については、受賞当時のものです。
【山崎貞一賞 受賞コメント:応用科学群 応用化学科 准教授 竹清 貴浩】
この度は、大変栄誉ある山崎貞一賞を賜り、誠に光栄に存じます。まずはじめに、防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の先生方、ご推薦頂きました応用化学科長、及び関係者の方々に厚く御礼申し上げます。受賞の対象になりました研究テーマは、ペプチドやタンパク質の凝集過程における分子間相互作用に関する物理化学的研究です。一般に、多くのペプチドや蛋白質は、溶媒組成や温度等の外的因子を変化させることで凝集体を形成します。このような凝集体は、例えば、病気に関連する原因物質や大腸菌等を用いて発現させた遺伝子組換えタンパク質の回収率の低下に繋がります。それ故、様々な環境下で、如何にペプチドやタンパク質が凝集体を形成せず、安定な状態で存在できるのかは生体分子を取り扱う幅広い学術分野で重要な課題として注目されています。我々のグループでは、この課題に対して、物理化学的観点から、①イオン液体水溶液は、ペプチドやタンパク質の分子間相互作用を阻害できること、②希釈/透析法は脱イオン液体処理法として有効であることを提案しました。この研究は、将来的には、希少価値の高い遺伝子組換え蛋白質から細胞及び組織までに適用できる長期保存技術の基礎知見に繋がるものと考えております。
最後になりますが、今回の受賞を励みとし、今後より一層の研鑽を重ね、防衛大学校の学生教育や研究活動に精進してまいりたいと思います。この度は、誠にありがとうございました。
【鈴木桃太郎賞 受賞コメント:総合教育学群 外国語教育室 准教授 土屋 知洋】
この度は、鈴木桃太郎賞を賜り、大変光栄に感じております。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の先生方ならびに関係各位に厚く御礼申し上げます。私の研究は、コーパスという電子化された生の言語データを用いた実証的な手法で、現代英語の語法文法の実際の振る舞いを明らかにするものです。この研究成果は、英語学のみならず英語学習者が拠り所とする学習英和辞典や学習教材の内容の改善にも大きく貢献できるものです。今回、評価頂いたのは、この英語学と英語教育における研究成果に加え、データに基づいて構築してきたグローバルコミュニケーションという本学のリメディアル教育プログラムをはじめ実践的な施策を考案・実施し、本科学生のTOEICスコア上昇に貢献してきた点でもあります。今回の受賞を励みとし、研究と教育両面でより一層の研鑽を積み、国際的に活躍できる人材育成にこれからも努めてまいりたいと思います。この度は、まことにありがとうございました。
【鈴木桃太郎賞 受賞コメント:システム工学群 機械工学科 准教授 山田 浩之】
多くの候補者の中から栄誉ある鈴木桃太郎賞をいただき、光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の皆様、推薦していただきました熊谷達夫先生、お世話になっている共同研究者の皆様、そして防衛大に赴任してからお世話になり続けている小笠原永久先生に厚くお礼申し上げます。私の専門分野は、機械工学という「ものづくり」の中の基礎中の基礎の材料力学という分野です。ものづくりの安全設計に関わる重要な分野ですが、学問的にはある程度完成されたものです。その中で、最先端の研究を行うためには、専門に固執せず、他者から学ぶ異分野融合が欠かせないと考えております。工学および科学の両視点から、周りから面白いと言ってもらえる研究を行い、研究成果を教育にも反映させ、この度の受賞に恥じぬよう、これらも日々精進致します。