防大タイムズNo.223

2021年04月19日

掲載内容一覧
・第10代防衛大学校長に、久保 文明(くぼ ふみあき)氏が4月1日付で就任
・防衛大学校は中山 泰秀防衛副大臣ご臨席の下で令和3年度入校式典を挙行 本科502名(うち女性72名)、本科留学生23名(うち女性1名)、研究科80名(うち女性10名)が入校
・防衛大学校学術・教育振興会、「山崎賞」ほか各賞を贈呈

第10代防衛大学校長に、久保 文明(くぼ ふみあき)氏が4月1日付で就任

教職員に対する挨拶

学生に対する訓示


令和3年4月1日付、防衛大学校長として新たに久保文明氏が就任しました。久保学校長は東京都出身。専門はアメリカ政治。昭和54年3月、東京大学法学部を卒業後、同大学法学部助手、筑波大学社会科学系講師、筑波大学社会科学系助教授、慶應義塾大学法学部助教授、慶應義塾大学法学部教授、東京大学大学院法学政治学研究科教授等を歴任し、第10代防衛大学校長に就任しました。
就任行事の中で久保学校長は歴代の学校長との縁に触れ、「これまで実行されてきた改革・革新の成果を大事にしつつ、伝統を尊重し、また基礎的学問の重要性を踏まえつつ必要とされる自己革新を継続したい」と述べ、そのために「さらなる高みに導く挑戦の先頭に立ち、皆様とともに全身全霊頑張っていきたい」と教職員に対し要望しました。
また、その後に実施された観閲式においては、先人達の地道な努力から成る防衛省・自衛隊に対する期待を心に銘記し、「30年後・40年後に幹部となって組織をけん引する際、防大時代に教わった基礎や土台が何より有益だったと評価してもらえるよう、われわれ教職員も一体となって諸君の成長を支援したい」と述べ、学生に対しては「自衛隊の使命と任務について、深く思いを致す時間をもってもらいたい」と要望しました。
なお、國分良成前学校長は令和3年3月31日をもって離任されました。

防衛大学校は中山 泰秀 防衛副大臣ご臨席の下で令和3年度入校式典を挙行 本科502名(うち女性72名)、本科留学生23名(うち女性1名)、研究科80名(うち女性10名)が入校

中山 泰秀 防衛副大臣に対する栄誉礼

任 命

宣 誓

防衛副大臣訓示


防衛大学校は令和3年4月5日(月)、中山 泰秀 防衛副大臣ご臨席の下、本科第69期学生、理工学研究科前期課程第60期学生、同後期課程第21期学生、総合安全保障研究科前期課程第25期学生及び同後期課程第13期学生の入校式を挙行いたしました。久保文明学校長による本科学生の任命の後、本科代表学生が「防衛大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、全力を尽くして学業に励むことを誓います。」と宣誓しました。
本科留学生及び研究科入校生の任命に引き続き、久保 学校長から式辞、中山 防衛副大臣から訓示、来賓代表の統合幕僚副長 鈴木 康彦 空将から祝辞が述べられました。

防衛副大臣訓示
来賓代表祝辞
防衛大学校長式辞

防衛大学校学術・教育振興会、「山崎貞一賞」ほか各賞を贈呈

「山崎貞一賞」 航空宇宙工学科 田中教授

「鈴木桃太郎賞」 外国語教育室 今村講師

公益財団法人防衛大学校学術・教育振興会は、令和3年3月15日、防衛大学校において、顕著な業績を上げた防衛大学校研究者に対し、「山崎貞一賞」「鈴木桃太郎賞」「教育奨励賞」「研究奨励賞」「出版助成」の各賞が贈呈され、業績が称えられました。また、令和3年3月20日に実施された学生の褒章等授与式において、「学生研究奨励賞」「校友会活動奨励賞」が贈呈され、業績が称えられました。

なお、各賞においてはコロナの影響もあり振興会理事長代理として國分良成学校長(当時)からの授与となりました。

○山崎貞一賞
 システム工学群 航空宇宙工学科   教 授  田 中 宏 明

○鈴木桃太郎賞
 電気情報学群  電気電子工学科   准教授  井 上   曜
 総合教育学群  外国語教育室    講 師  今 村   怜

○教育奨励賞
 総合教育学群  外国語教育室    講 師  今 村   怜
 電気情報学群  機能材料工学科   講 師  田 邉 豊 和

○研究奨励賞
 人文社会科学群 人間文化学科    講 師  菅 沼 慎一郎
 応用科学群   応用物理学科    助 教  平 田 靖 透

〇出版助成
 人文社会科学群 国際関係学科    准教授  佐々木 智 弘

○学生研究奨励賞(理工系)
 理工学研究科後期課程        防衛技官 松 林 一 也
 理工学研究科前期課程    ベトナム陸軍中尉 ブイ ドク ヴェト
 同                 2等陸尉 清 田 翔 吾

○学生研究奨励賞(人社系)
 総合安全保障研究科前期課程     3等海佐 長谷川   悌

○校友会活動奨励賞
 サッカー部
ソフトテニス部 

※官職及び所属については、受賞当時のものです。

【山崎貞一賞:システム工学群 航空宇宙工学科 教 授 田中 宏明】

この度は、栄誉ある山崎貞一賞を賜り、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の先生方ならびに関係各位に心より御礼申し上げます。
受賞の対象となりました研究テーマは、反射鏡アンテナに代表される高精度な大型宇宙構造システムに関する研究です。衛星通信や天文観測、地球観測など様々な用途において大型で高精度な反射鏡の利用が期待されているのですが、地球から打ち上げるためにその構造は軽量で収納・展開可能である必要があります。私の研究は、そのような構造の設計法や軌道上での能動的形状調整に関するもので、将来のより高精度で大型の宇宙構造システムの実現を目指したものです。衛星搭載用機器の高度化に寄与する研究であり、通信、観測、安全保障など多くの分野での利用が期待されています。今後も研鑽を重ね、高精度大型宇宙構造物をはじめとする宇宙システムに関する研究に精進していく所存です。また、自衛隊における宇宙利用の重要性が増しておりますので、研究の成果を学生教育に生かしたいと考えております。この度は、誠にありがとうございました。

【鈴木桃太郎賞:電気情報学群 電気電子工学科 准教授 井上 曜】

多くの候補者の中から複数段階の選考を経て、鈴木桃太郎賞という栄えある賞をいただき、たいへん光栄に感じております。選考過程において、多くの選考委員の方々のお時間を使っていただき、誠に恐縮です。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の皆様、またご推薦していただきました森武洋先生に厚くお礼申し上げます。
 研究者の仕事においては、高い研究レベルを常に維持し続けるために膨大な活力や原動力となるものが自分の中に必要だと感じております。そういった中で、研究奨励賞、鈴木桃太郎賞、山崎貞一賞といった複数のステップが示されている褒賞制度は、段階的な形のある目標として大きな活力を与えてくれるものの一つであり、研究者にとって大変励みになります。
次のステップである山崎貞一賞に向けて、今後ともさらなる研究成果を積み重ねていきたいと考えております。また、教育面でも学生達のやる気を引き出す魅力的な研究テーマを生み出し続けていけるように頑張りたいと思います。


【鈴木桃太郎賞:総合教育学群 外国語教育室 講 師 今村 怜】

この度は、栄誉ある鈴木桃太郎賞を賜りまして、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様をはじめ、鈴木桃太郎賞等選考委員の先生方ならびに関係各位に心より御礼申し上げます。受賞対象の研究テーマは、語順の選択を左右する通言語的な制約を探るものであり、機能的観点から脳内の文処理のメカニズムを明らかにするものでもあります。今回の受賞を励みとして、今後も言語に関する知見を深め、その成果を学生教育に生かしていく所存です。この度は、誠にありがとうございました。

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