防大タイムズNo.211

2019年04月17日

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防衛大学校は防衛副大臣ご臨席の下で平成31年度入校式典を挙行 本科516名(うち女性59名)、本科留学生25名、研究科77名(うち女性4名、留学生9名)が入校
・MLBオープニング・セレモニーへの参加
・防衛大学校学術・教育振興会、「山崎賞」ほか各賞を贈呈 
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防衛大学校は防衛副大臣ご臨席の下で平成31年度入校式典を挙行 本科516名(うち女性59名)、本科留学生25名、研究科77名(うち女性4名、留学生9名)が入校

原田 憲治 防衛副大臣に対する栄誉礼

任 命

宣 誓

防衛副大臣訓示

防衛大学校は平成31年4月5日、原田 憲治 防衛副大臣ご臨席の下、本科第67期学生、理工学研究科前期課程第58期学生、同後期課程第19期学生、総合安全保障研究科前期課程第23期学生の入校式を挙行いたしました。
 國分 良成 学校長による本科学生の任命の後、本科入校生全員で「防衛大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、全力を尽して学業に励むことを誓います。」と宣誓しました。
 本科留学生及び研究科入校生の任命に引き続き、学校長から式辞、防衛副大臣から訓示、来賓代表の統合幕僚副長 増子 豊 空将から祝辞が述べられました。また、入校式典には、ホーム・カミングデーとして昭和34年に防衛大学校に入校された第7期のOBの方々が列席され、これらの方々に対し学校長式辞において、国民の安全で平和な生活を守るべく、黙々と任務を完遂されたことへの感謝と敬意が表され、盛大な拍手が送られました。

防衛副大臣訓示
来賓代表祝辞
防衛大学校長式辞

MLBオープニング・セレモニーへの参加

写真提供:航空総隊

防衛大学校儀仗隊は、平成31年3月20日に開催された、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)開幕戦(オークランド・アスレチックス対シアトル・マリナーズ)の試合に先立って行われたオープニング・セレモニーに、中部航空方面隊音楽隊及び米軍音楽隊とともに参加しました。
 東京ドーム(東京都文京区)で行われた本試合は、2012年以来7年ぶりに日本で行われる公式戦であり、またイチロー選手が所属するシアトル・マリナーズとオークランド・アスレチックスの対戦という非常に注目度の高い試合でもありました。
 日頃の練習に加えて、共演した日米の音楽隊との綿密な調整によって披露された統制のとれた演技は、音楽隊の演奏とともに試合前の会場を大いに盛り上げ、スタジアムに訪れた多くの観衆から大きな拍手をいただきました。

防衛大学校学術・教育振興会、「山崎賞」ほか各賞を贈呈

「山崎賞」 建設環境工学科 別府 教授

「山崎奨励賞」 人間文化学科 丸山 准教授


 

公益財団法人防衛大学校学術・教育振興会は、平成31年3月11日、防衛大学校において、顕著な業績を上げた防衛大学校研究者に対し、西原 正 理事長から平成30年度「山崎賞」「山崎奨励賞」「教育奨励賞」「研究奨励賞」の各賞が贈呈され、業績が称えられました。また、平成31年3月16日に実施された学生の褒賞等授与式において、優秀な成績を修めた学生等に対し、岡崎 匠 常務理事から「山崎学生奨励賞」「校友会活動奨励賞」が贈呈され、業績が称えられました。

○山崎賞
  システム工学群建設環境工学科   教 授 別府 万寿博

○山崎奨励賞
  人文社会科学群人間文化学科    准教授 丸山 大介

○教育奨励賞
  電気情報学群情報工学科      准教授 岩井 啓輔
  防衛学教育学群統率・戦史教育室    准教授 德田 道之

○研究奨励賞
  応用科学群応用化学科       助 教 平原 将也
  電気情報学群通信工学科      講 師 上原 知幸

○山崎学生奨励賞(理工系)
  理工学研究科後期課程       1等陸尉 麻生 篤
  同                ベトナム陸軍大尉 ブイ・ヴァン・ヴァオ
  理工学研究科前期課程       2等陸尉 上垣 薫

○山崎学生奨励賞(人社系)
  総合安全保障研究科前期課程    2等陸佐 福本 正樹

○校友会活動奨励賞
  銃剣道部
  相撲部

※官職及び所属については、受賞当時のものです。

【寄稿:システム工学群建設環境工学科 教 授 別府 万寿博】
 このたびは、栄誉ある山崎賞をいただき、たいへん光栄に感じております。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の皆様、またご推薦していただきました建設環境学科宮田学科長に厚くお礼申し上げます。
 受賞の対象となりました研究は、社会基盤構造(土木・建築構造物)の耐衝撃設計法です。具体的には、落石、土石流などによる衝突および爆破テロや爆発事故等による爆発から人命を護るように構造物を設計する方法を提案しています。特に、衝撃現象は一瞬で終わってしまうため、破壊現象の可視化や計測が非常に難しい面がありますが、データを詳細に収集して分析を行うとともに、構造設計のモデルを検討しています。日本ではこのような研究の歴史は浅いのですが、地球温暖化や気候変動の影響による自然災害の大規模化および爆破テロや爆発事故の増加に伴って、このような研究の重要性が指摘されています。今後も、防護構造物のより合理的な設計法を提案するために検討を進めていく所存です。
 今回の受賞を励みとし、一層の研鑽を重ね、防衛大学校の学生教育や研究に精進してまいりたいと思います。このたびは、誠にありがとうございました。

【寄稿:人文社会科学群人間文化学科 准教授 丸山 大介】
 この度は山崎奨励賞という栄えある賞を頂戴し、とても光栄であると同時に、身が引き締まる思いが致します。
 私が研究しておりますスーフィズム(イスラーム神秘主義)は9世紀頃に神秘的合一を目指す宗教的エリートの営為として登場致しましたが、現在では、よきムスリムとして生きるための倫理的な指針を示す思想でもあります。イスラームと聞くと、過激思想やテロリズムというイメージを抱きがちです。それ自体イスラームを理解する上では重要な研究分野の一つではありますが、私は自己の内面を磨こうとするスーフィズムという思想とそれに関わる人々の実践から、イスラームという宗教に肉薄しようと努めております。
 今回ご評価頂いた研究の基礎となる臨地調査をスーダンで行っている際、防衛駐在官やPKOの司令部要員として赴任されている陸上自衛官の方々とお話しする機会がございました。遠い異国の地で国を代表しながら働く彼らの姿を見る度、私も調査・研究を頑張らねばと思い直した次第です。今回頂いた賞を励みに、研究・教育の両面で研鑽を積みながら、国際的な舞台で活躍できる幹部自衛官の卵を育てたいと思っております。
 この度はどうもありがとうございました。

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