防大タイムズNo.171

2015年04月15日

「山崎賞」ほか各賞贈呈式

財団法人防衛大学校学術・教育振興会は、平成27年3月12日、防衛大学校において、顕著な業績を上げた防衛大学校研究者に岡崎匠常務理事から平成26年度「山崎賞」ほか各賞を贈られ、業績を称えました。

○山崎賞
 電気情報学群電気電子工学科   准教授 道下 尚文

○山崎奨励賞
 人文社会科学群公共政策学科  講 師 赤上 裕幸
 応用科学群応用物理学科    助 教 塚本  哲
 システム工学群建設環境工学科 助 教 鴫原 良典

○教育奨励賞
 人文社会科学群国際関係学科  准教授 伊藤  融
 応用科学群応用化学科     准教授 竹清 貴浩

○研究奨励賞
 応用科学群応用化学科     助 教 林 正太郎
 システム工学群建設環境工学科 助 教 市野 宏嘉

○山崎学生奨励賞
 理工学研究科後期課程    1等海尉 藤山 伸次郎
 理工学研究科前期課程    2等陸尉 山﨑 祐樹
 理工学研究科前期課程    2等陸尉 立山 耕平
 総合安全保障研究科前期課程 3等海佐 楠  公一

○校友会活動奨励賞
 剣道部
 少林寺拳法部
 バスケットボール部

【寄稿:電気情報学群電気電子工学科 准教授 道下 尚文】
 この度は、山崎賞という栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の先生方に心より御礼申し上げます。受賞対象の電磁メタマテリアルとは、周期的に配列された人工構造のことであり、負の屈折率を示すなど、新奇な電磁現象が起きる材料です。近年、アンテナやマイクロ波などの分野において実用化が期待されています。電磁波を自在に操ることができるメタマテリアルを用いることで、従来性能を超えるアンテナを実現するとともに、新たな課題を発掘してきました。今後も、アンテナ工学の研究活動に邁進し、本校の学生教育に生かしていきたいと思います。この度は、誠にありがとうございました。

【寄稿:人文社会科学群公共政策学科 講師 赤上 裕幸】
 この度は、山崎賞という栄誉ある賞を頂き、誠に有難うございます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、選考委員の皆様並びに今回ご推薦をいただいた公共政策学科の武藤功先生に心より御礼申し上げます。私は、メディア史の中で描かれてきた未来像を社会学的な観点から分析を行ってきました。今回、受賞の対象となった著書『ポスト活字の考古学』(柏書房)では、日本映画教育史において「ポスト活字」(=活字の次に来るメディア)という分析視角を導入することで、映像メディアの黎明期から、ジャパニメーションがグローバルなレベルで受容される現代に至るまで、連続した系譜が存在することを明らかにしました。今回の受賞を励みに、現在さらには未来のメディア文化政策に貢献しうる研究成果を生み出せるよう精進して参ります。この度は、誠に有難うございました。

【寄稿:応用科学群応用物理学科 助教 塚本 哲】
 この度は、栄誉ある山崎奨励賞を賜りまして、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の各位をはじめ、選考委員の先生方ならびに関係各位に厚く御礼申し上げます。細胞バイオメカニクスは細胞が力に与えられる影響を研究する学術分野です。触覚や聴覚をはじめ、血流や呼吸でも細胞に力が与えられます。当然ながら、過大な力であると疾患が誘発されます。一方で,適度な力であれば、我々の生体機能を維持する不可分な存在となります。この分野は、学術分野としては物理学と生物学に亘り位置します。そのため、学術的な背景をより多く理解し、かつ柔軟に活用していくことが求められます。それらの思考活動は将来の幹部自衛官たる防大生の教育にも通ずるところがあるとも理解しております。研究に対し精進し続けることは当然のことながら、今後ともその思考活動を学生の教育にも還元して参りたく存じます。

【寄稿:システム工学群建設環境工学科 助教 鴫原 良典】
 この度は、山崎奨励賞を受賞することとなり大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様、山崎賞等選考委員の皆様、ならびに関係各位に深く御礼申し上げます。授賞の対象となった研究テーマは「津波被害の発生メカニズムの解明と予測手法の開発」というものです。この10年余りの間、2004年インド洋大津波や2011年東日本大震災などの津波災害が頻発し、国際的にも津波対策の必要性が迫られております。そのような状況下において、新しい津波予測技術の開発を通し真に有効な防災対策を提案することで、将来発生する津波被害を少しでも減らしたいという思いから研究に取り組んでおります。今回の受賞を励みに今後も研究活動に邁進し、その研究成果を将来、災害現場の陣頭指揮をとることになる本科学生に教育として生かすことで、本校の発展に微力ながら力になってゆければと考えている次第です。
最後になりますが、本受賞の業績の多くは平成26年5月2日に逝去された故藤間功司教授(建設環境工学科)と長年取り組んできた成果によるものです。ご本人に授賞の報告ができなかったことが大変残念ではありますが、先生の遺志を引き継ぎ、今後も防大での教育・研究を続けてゆく所存です。謹んでご冥福をお祈りいたします。

防衛大学校は防衛副大臣ご臨席の下で平成27年度入校式典を挙行 本科568名、研究科78名(留学生を含む)の学生が入校

防衛大学校は、平成27年4月5日(日)、防衛副大臣ご臨席の下、本科第63期学生、理工学研究科前期課程第54期学生、同後期課程第15期学生、総合安全保障研究科前期課程第19期学生及び同後期課程第7期学生の入校式を挙行いたしました。國分良成学校長による本科学生の任命の後、本科入校生全員で「防衛大学校学生たるの名誉と責任を自覚し、日本国憲法、法令及び校則を遵守し、全力を尽して学業に励むことを誓います。」と宣誓しました。本科留学生及び研究科入校生の任命に引き続き、学校長から式辞、左藤章防衛副大臣から訓示、来賓代表の統合幕僚副長 山崎幸二陸将から祝辞が述べられました。

防衛副大臣訓示
来賓代表祝辞
防衛大学校長式辞

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