防大タイムズNo.164

2014年06月13日

「山崎賞」各賞贈呈式

財団法人防衛大学校学術・教育振興会は、平成26年3月12日、顕著な業績を上げた防衛大学校研究者に平成25年度「山崎賞」各賞を贈り業績を称えました。

〇山崎賞
 応用化学群地球海洋学科 教授 小林文明

〇山崎奨励賞
 システム工学群機械システム工学科 准教授 吉田秀久
 総合教育学群外国語教育室 准教授 河内一博
 電気情報学群情報工学科 助教 白川智弘

〇教育奨励賞
 システム工学群機械システム工学科 准教授 藪下和樹
 システム工学群建設環境工学科 講師 平川大貴
 人文社会科学群国際関係学科 講師 石井由梨佳

〇研究奨励賞
 電気情報学群通信工学科 講師 和田篤
 システム工学群機械システム工学科 講師 山脇輔
 応用科学群応用物理学科 助教 吉永智一

〇山崎学生奨励賞
 総合安全保障研究科前期課程 三等陸佐 佐藤一也
 理工学研究科前期課程 一等陸尉 渡邊伸
 理工学研究科前期課程 二等海尉 重見眞千子
 理工学研究科前期課程 二等空尉 宮崎幹己

〇校友会活動奨励賞
 短艇委員会
 應援團リーダー部

【寄稿:応用科学群地球海洋学科 教授 小林文明】
 この度は、山崎賞という栄誉ある賞を頂き大変感激しております。西原理事長をはじめ、防衛大学校学術・教育振興会の皆様、山崎賞選考委員の皆様に心より御礼申し上げます。今回、受賞の対象となった研究テーマは、「竜巻等シビアストームの観測的研究」というものです。気象学の中でもメソスケールといわれる、積乱雲あるいは積乱雲に伴う、雨(集中豪雨)、風(竜巻・ダウンバースト)、雷を対象に、ドップラーレーダー等のリモートセンシング手法を用いた観測を行い、それらの構造を明らかにしようとする、理学的な基礎研究であります。世界の自然災害の8割は風水害といわれており、わが国でもゲリラ豪雨、集中豪雪、竜巻や猛暑など極端気象が頻発しています。防災は自衛隊にとっても重要なテーマであり、多くの卒業生が直面している課題でもあります。今回の受賞を励みに、さらに研究活動に精進し、研究成果を本校学生教育に生かしたいと思います。この度は、ありがとうございました。

【寄稿:システム工学群機械システム工学科 准教授 吉田秀久】
 この度は、山崎奨励賞という栄誉ある賞を賜り、誠に有難うございます。防衛大学校学術・教育振興会の皆様並びに選考委員の先生方に厚くお礼申し上げます。受賞の対象となった自動車の運転支援技術の研究分野において昨今、ドライバーが突発的に意識を失ったり、正常な操作ができなかったりする事象での心痛める人身事故が後を絶ちません。これらによる事故を減らしたい、現在はその思いで研究に取り組んでおります。社会において本技術の必要性が認められ受容されるよう技術の普及に寄与すべく、今後も引き続き教育研究活動に精力的に取り組み、精進していく所存です。また、これらの取り組みは、一人でも多くの幹部自衛官となる学生諸子に、講義や卒業研究等を通じてその一端を伝えることで、システム全体を統合して見渡し、問題解決する志向力を養う何らかのお役に立てればと思います。この度は、誠に有難うございました。

【寄稿:総合教育学群外国語教育室 准教授 河内一博】
 この度は山崎奨励賞をいただきまして、大変名誉に感じております。理事長を初めとしまして防衛大学校学術・教育振興会の方々、選考してくださいました先生方にお礼を申し上げます。私の場合、フィールドワークを使った言語学の理論研究が専門ですが、長期間にわたってデータ収集に付き合ってくれる現地の調査協力者の人たちの支え、防衛大学校の先生方、事務の方々のご理解とご協力、家族の理解がなければ、現在のような研究を行うのは不可能であったのではないかと思います。今回の受賞を励みといたしまして、今後とも努力を続けていく所存でございます。どうもありがとうございました。

【寄稿:電気情報学群情報工学科 助教 白川智弘】
 この度は、栄誉ある山崎奨励賞を受賞することとなり、大変光栄に存じます。防衛大学校学術・教育振興会の関係各位、先行委員の先生方並びに今回ご推薦をいただきました情報工学科、中村学科長に厚く御礼申し上げます。私の研究テーマは情報科学と生命科学の境界領域にありますが、どちらかに重心を置いていると言うよりは、両者を同時に使いこなすMulti-disciplinaryな研究手法により、これまでになかった新しい観点から研究を展開することを目指しています。具体的には、情報科学のツールを用いて生命の持つ自律性や能動性を理解しようとすることや、逆に、生物の持つ適応や探索の原理を工学的に再構築することに取り組んでいます。今後もより質の高い研究成果を目指すと共に、生命と情報という複合的な足場を生かした教育を通じ、学生により幅広い視野を与えるべく努力して参ります。

防衛大学校は内閣総理大臣ご臨席の下で平成25年度卒業式典を挙行 本科448名、研究科88名の学生が卒業

防衛大学校は、平成26年3月22日、本科第58期学生、理工学研究科前期課程第51期学生、同後期課程第11期学生、総合安全保障研究科前期課程第16期学生及び同後期課程第3期学生の卒業式を挙行いたしました。國分良成学校長は、本科448名(留学生14名を含む)及び研究科88名(留学生6名を含む)の卒業生全員に卒業証書を授与し、野上智行大学評価学位授与機構長は代表学生に学位記を伝達いたしました。続いて、國分良成学校長から式辞、安倍晋三内閣総理大臣及び小野寺五典防衛大臣から訓示、田中明彦来賓代表から祝辞が述べられ、その後、本科卒業生代表の河野健学生が答辞を述べました。

内閣総理大臣訓示
防衛大臣訓示
防衛大学校長式辞
来賓代表祝辞


防大総合安全保障研究科前期課程を初めて1年で卒業

平成26年4月1日、総合安全保障研究科前期課程第17期学生のうち2名(桑原和洋 2等陸佐、高橋英樹3等海佐)が卒業しました。通常であれば、第17期の学生は平成27年3月に卒業予定ですが、この2名は卒業に必要な30単位を修得し、さらに卒業論文審査・最終試験にも合格したため、本来2年である修業期間を1年の修業期間に短縮した上で卒業が認められました。このように、前期課程を1年で卒業したのは初めてです。卒業した2名の卒業論文のテーマは、桑原2等陸佐が「2011年リビア内戦とドイツ外交~更なる自立への苦悩~」、高橋3等海佐が「米海軍『海洋戦略』の成立過程」です。卒業した2名については、独立行政法人大学評価・学位授与機構が実施する論文審査及び口頭試問を受けて合格すれば、平成26年8月頃に修士(安全保障学)の学位が授与されます。当制度の立ち上げに尽力した元総合安全保障研究科教務主事 廣瀬教授は、「各幕に受け入れやすい前期課程を目指し、各幕と何度も調整したが、今回第1期生ともいうべき修業年限1年間での学生が無事卒業を迎えたことに感慨深いものがあります。」と述べています。また、桑原2等陸佐は、「充実した教育課程、良い指導教授、そして素晴らしい同期生に恵まれ、充実した時間を過ごせた。学位授与機構での口頭試問も万全の態勢で臨みたい。」と、高橋3等海佐は、「1年間という限られた時間の中で指導を受けながら、修士に相当する論文を書き上げるのは辛い時期もあったが、良い経験になった。以後この1年で卒業する者が今後も続くことを望んでいます。」と述べていました。

防衛大学校は防衛副大臣ご臨席の下で平成26年度入校式典を挙行 本科571名、研究科85名(留学生を含む)の学生が入校

防衛大学校は、平成26年4月5日(土)、防衛副大臣ご臨席の下、本科第62期学生、理工学研究科前期課程第53期学生、同後期課程第14期学生、総合安全保障研究科前期課程第18期学生及び同後期課程第6期学生の入校式を挙行いたしました。國分良成学校長による本科入校生の任命の後、代表の割方誠一学生は「防衛大学校学生たる名誉と責任を自覚し、日本国憲法法令、校則を順守し、全力を尽くして学業に励むことを誓います。」と宣誓しました。本科留学生及び研究科入校生の任命に引き続き、國分良成学校長から式辞、武田良太防衛副大臣から訓示、来賓代表の統合幕僚副長 松村五郎陸将から祝辞が述べられました。

防衛副大臣訓示
防衛大学校長式辞
来賓代表祝辞

フィリピン国防大学研修団、防衛大学校を訪問

フィリピン国防大学校長 フェルミン・R・デ・レオン退役准将等18名が、平成26年4月9日、防衛大学校を訪問いたしました。デ・レオン学校長は月橋晴信副校長らを表敬したのち、研修団とともに防衛大学校の概況説明を受け、資料館を視察されました。また、フィリピンからの留学生7名と懇談し、学生生活について質問するなど、防衛大学校に対する理解を深められました。

沖縄県副知事、防衛大学校を訪問

高良倉吉沖縄県副知事は、平成26年4月16日、防衛大学校を訪問いたしました。高良副知事らは國分良成学校長を表敬した後、資料館、学生舎、総合情報図書館を見学され、防衛大学校に対する理解を深められました。また、学生舎では沖縄出身の本科学生と面会、激励されました。

モンゴル国防大臣、防衛大学校を訪問

モンゴル国防大臣 ダシデンベレル・バトエルデネ閣下他5名は、平成26年4月17日、防衛大学校を訪問し、國分良成学校長らを表敬いたしました。同大臣らは日本語の授業、資料館、第2学生舎を視察された後、幹部食堂で同国からの留学生20名と昼食を交えながら懇談され、親睦を深めていただきました。

アーミテージ元米国務副長官、防衛大学校を訪問

リチャード・アーミテージ元米国務副長官は、平成26年4月24日、防衛大学校を訪問しました。アーミテージ元長官(現アーミテージ・インターナショナル代表)は、資料館、学生舎等を視察された後、記念講堂で講演されました。また、訪問の最後には國分良成学校長、本科学生らと懇談されました。

第7艦隊戦闘部隊司令官、防衛大学校を訪問

第7艦隊戦闘部隊司令官 マーク・モンゴメリー少将は、平成26年4月30日、防衛大学校を訪問されました。同少将は國分良成学校長らを表敬したのち、記念講堂で本科学生(海上要員)を対象に講演を行われました。講演の中では、第7艦隊の責任地域である西太平洋及びインド洋における米海軍の作戦ついて説明するとともに、米国のアジア重視政策と日米同盟の重要性について話されました。

防大タイムズ