防衛大学校に入校して早4か月が経ち、私たち1学年は日々忙しく生活しています。防衛大学校では幹部自衛官を育成するために勉学や訓練を行っています。
私はその中で我々1学年の夏季定期訓練の最大のイベントのひとつである遠泳8q遠泳訓練について述べたいと思います。入校直後に1学年は水泳能力測定を実施しました。そこで私は合格基準に達成することができず水泳補備訓練の対象者になってしまいました。水泳補備訓練とは遠泳を完泳するために校友会時間(課業時間外)にプールで訓練担当指導教官の指導のもと実施されるものです。訓練開始までは「補備訓練をしても本当に8q泳げるだろうか」と不安をもっていましたが、指導官の言う通りの泳ぎをすれば楽に泳ぐことができ補備訓練もすぐに抜けることができました。7月の夏季定期訓練ではまずプールでの1時間泳からの訓練でしたが、水補備訓練を受けていたためプールでの訓練は不安なく泳ぐことができました。海面訓練へと移り最初の海面訓練では海水の冷たさと海中の汚さに驚きましたが、何とか乗り切りました。海面訓練では日に日に距離が長くなり本番前に最長で4q泳ぎましたが、楽に泳げたとはいえず、泳いでいる途中は疲れていました。8q遠泳本番は天候も良く海水もそんなに冷たくはなく泳ぎやすい状態で行われましたが、8qはとても長く泳いでいる途中は完泳できるか不安で仕方がなかったです。しかし、バディーチェックでバディーの学生の手を握るとバディーと一緒に完泳すべきだと、私の中で強い思いが生まれ完泳することができました。達成感はとても大きなものでした。私は、この遠泳訓練では1学年の絆がとても深まったのではないかと考えます。来年入校する学生に「遠泳はしっかりと訓練すれば誰でも完泳することができる」ということを伝えることができたらうれしいです。
今回の定期訓練で、私たち2学年陸上要員は、その大部分を相馬原演習場で過ごしました。そこでは、戦闘訓練、射撃訓練、行進訓練、歩哨・斥候訓練等普段の学校での訓練ではできないような訓練をたくさん実施することができ、貴重な体験となりました。また、その多くは体力面や精神面で厳しいものでありました。特に、昼間10km、夜間40kmの行進訓練は、厳しかった訓練として印象に残っています。この行進訓練で完歩したことは、私にとって自信になりました。このように、この定期訓練を乗り越えることで、私は、陸上要員としての基礎を身に着けるとともに、陸上要員としての意識を高めることができ、大きく成長できたと考えています。
私はこれまでの人生で平泳ぎをしたことがなく、入校当初の泳力判定において、5mしか泳ぐことが出来なかった。平泳ぎの泳ぎ方もわからず、息継ぎもうまく出来ず、半ば溺れ掛けながら足を着いた。羞恥と悔しさを噛み締めながらプールから上がったのを覚えている。また、4月から参加していた水泳準備訓練においてもなかなか要領を得られず、上達していく同期達に対して焦りを抱きながら訓練を実施していた。しかしそれでも私は諦めずに訓練を行い、指導教官の方々のアドバイスをしっかりと実践することで、少しずつ上達が見られ始め、遂には赤帽(水泳準備訓練)を脱することが出来た。
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中隊の責任者になったからには必ず優勝へ導いてみせるという志を持って、本番まで訓練に臨んできた。それまで頼りない中隊責任者であったかもしれないが、中隊の皆は本当に積極的に練習に参加してくれたと思う。
今回の水泳競技会は、私個人としてはライフジャケットパートで優勝することで大隊の一員として貢献することができたうえ、大隊優勝も勝ち取るという最高の結果を残すことができた。この結果は、もちろん私個人の力だけではなく、43中隊、また4大隊の皆が一丸となって競技会に臨んだ証であると思う。
このような最高の思い出をプレゼントしてくれた各スタッフ、最後まで全力で頑張ってくれた選手、競技会中声が嗄れるまで応援してくれた皆には感謝の気持ちでいっぱいだ。3か月という短い期間だったが、本当にありがとう。
43中隊水泳責任者に任命されたのは、丁度昨年度の水泳競技会が終わった直後のことだった。実のところ、私は3学年までは水泳競技会に対する思い入れは特に強いといったわけでもなく、自分から積極的に参加していたわけでもなかった。しかし4学年になり水泳競技会に向けての練習を始めるにつれ、勝利というものへのこだわりが一段と強くなっていた。
水泳競技会、第1大隊は準優勝でした。午前の競技終了時点では、1位でしたが、最後に逆転されました。スタッフの意見を取り入れてメンバーを決めていきましたが、最終的に決めたのは私自身なので、負けたのはすべて私の責任です。
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今回の3学年航空要員の夏季定期訓練は戦闘航空団での部隊実習であり、私は石川県の小松基地に所在する第6航空団で約1か月にわたり研修を行った。第6航空団は日本海側に所在する唯一の戦闘航空団であり、日本海側の空の守りの要である。その第6航空団での研修を通して、多くのことを学んだ。
一番印象に残っていることは戦闘機への体験搭乗である。初めて戦闘機に乗り、戦闘機の迫力や重力を肌で感じることができた。命を懸けて訓練をしているパイロット、また航空機を安全に飛ばすために航空機等の整備をしている整備員、基地の運営を安全かつ円滑に進めている基地業務群の方々、これらすべての隊員が誇りと責任を持って職務に励み、協力し合って基地の運営が成り立っていることを実感した。また、約1ヶ月間空曹・空士の方々と内務班で生活を共にすることで、隊員が何を目標・やりがいとし、どのようなことを思ったり感じたりしながら働いているのか、幹部に何を期待しているのか等の生の声を聴くことができた。この内務班生活を通じて部隊の様子を間近で見ることができ、どのような幹部自衛官が理想なのか、その理想に近づくためには何をしなければならないのか考える良い機会であった。
(左が本人)
9月6日の晴れ渡った青空の下、水泳競技会が行われました。この競技会は学年や性別に関係なく選手になれることが特徴です。私は選手として4度目の出場、そして今年は中隊責任者としての参加となりました。こうして6月の準備期間から、選手要員の練習時間の確保や怪我をさせないためにどのように管理し、大隊優勝に多大に貢献できるよう中隊としてどうするべきか考える日々が続きました。普段は翌日の練習パートを中隊に伝達し、大隊内のミーティングに参加し優勝するために日々作戦を練っていました。本番当日は、選手のマネージメントを行いつつ、自ら選手として出場し3大隊へ貢献することができました。結果、3大隊は3位でしたが思い返せば事前練習や中隊、大隊での各場面においてまだやることが多かったと反省点が浮かんできます。しかし、責任者として人の前に立つことでリーダーとしてどうすれば人を引き寄せることができるかを学ぶことができました。大隊・学生隊責任者、各種スタッフや指導官のおかげで競技会は成り立っていることを間近で感じることが出来、非常によい経験になりました。そしてそんな自分を誇らしく思う事も出来ました。
防大生活の記憶に残る夏を過ごさせてくれた多くの方々に感謝します。
今回の夏季定期訓練において一番重きを置いたものは、乗艦実習において、護衛艦の乗員の方々と接することでした。なぜならば、術科については、海上自衛隊幹部候補生学校において比較的学ぶ機会があるものの、学生という比較的自由な立場での乗艦実習はこれが最後であり、もう機会がないと考えたためです。もちろん、術科に関しても、非常に勉強になる内容ばかりでしたが、日本の最前線で活動されている幹部、そして海曹士の方々が、どのような考えを持ち、実際の勤務に励んでいるのか、ということを実際に拝聴する事が出来たことが、本訓練において、最も自らの糧となった事であると感じております。
そして当日、8kmという距離に不安を抱きながらスタートを切った。波は高く、中々前へ進まず、徐々に体力を消耗して何度も心が折れそうになったが、水泳準備訓練から培った精神力や同期の激励等のおかげもあり、何とかリタイアすることなく完泳することが出来た。
私が遠泳を完泳することが出来たのは、同期、特にバディの存在があったからである。自分自身もきつかったはずだが、私のことを気遣い、励ましそして応援してくれた。バディの支えなくしての完泳はあり得なかった。遠泳訓練は、諦めないこと、そして改めて「同期」の大切さを知る貴重な経験を得られた場であったと思う。今後は今回の経験を活かし、今度は私が同期を気遣い、励まし、応援できるような自分になりたい。
(前列右が本人)
中期学生隊学生長を拝命した秋島一弥と申します。三年に一度、防衛大学校学生も参加する、陸上自衛隊による中央観閲式典を控えたこの中期に学生隊学生長を務めさせていただくことの誇りと責任を日々噛みしめながら勤務しております。
これまでの学校生活を通して、学生の現状は必ずしも理想の姿とは言えず、まだまだ向上の余地を大いに残していると感じています。全学生が「防大生らしさ」とは何かを自己に問えば、規制や処罰などなくとも「自主自律」は達成されると信じております。
この中期、私は「常道」の勤務目標のもと、防大生のあるべき姿とは何かを全学生に問い、それを追求していきたいと考えております。私の愛する防衛大学校がこのままであっていいはずがありません。学生を理想の姿に一歩でも近づけるため、微力ながらこの学校のため尽力させていただく所存です。
防大生らしく情熱と覇気をもって学生隊を牽引してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
防衛大学校学生としての最後の水泳競技会が終わった。
我が第2大隊は前年の水泳競技会において優勝しており、今回は連覇をかけた競技会であった。このため6月から練習を開始し、夏季休暇後の短い期間においては可能な限り各パート単位で練習を重ね、各選手は連覇に向け一丸となって積極的に練習に取り組んだ。
私は前年までは選手として競技会に参加していたが、今年の競技会においては4学年として中隊の責任者を兼務していた。このため選手に対する指導、諸調査、練習調整等の諸業務にあたり、競技会前日まで多忙な日々を送ったが、選手のみならず運営の一員として参加したことにより、管理業務がいかに難しいものでありまた重要であるかを実感し、今後の勤務における貴重な体験をすることができた。
競技会当日は連日と同様に猛暑日となった。しかし、それをものともしない熱烈な応援のもと、各選手は懸命に泳ぎ各競技で活躍してくれた。結果としては連覇を逃してしまったが、この競技会で得た団結を棒倒し等の今後の競技会に生かしたい。最後に、水泳競技に対して懸命に参加してくれた21中隊の全学生に感謝の念を示し、拙稿を終える。
水泳競技会参加の所感
自衛官としてあるべき当然の姿を助教の方々に教えていただいたあの日の終礼が最も印象に残った。ここから気持ちを入れ替えることで「あるべき姿」に近づきたいと強く思う。助教の方々は7月いっぱいで帰隊するが、教わったことは決して忘れずにこれからの訓練を全力かつ真剣に取り組みたい。
また、ロープ訓練の際に、助教の方が「本当に過酷な状況下で部下は、命令ではなく、人望で動くのだ、だから、君たちは部下が望んで従うような人間になってくれ。」と私たちに教えてくれました。今回の訓練よりも過酷な状況下に陥った私が、信頼できないような指揮官からより過酷な命令をされても、素直に従うかどうかを考えると、その助教の方の言葉に納得しました。 以上より、今回の実習を通して、私は今後の生活の中で体力の向上、人から信頼されるような人格形成、特に資質を高めるよう防大での生活に励みたいと思います。
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(中央が本人)
(中列右から6番目が本人)
滑空機総合訓練が始まると、数々の問題に当たった。教官の指導や助言により、ひとつずつ解決して行きなんとか訓練を終えることが出来た。この過程の中で、私は様々なことを学べたが、特に航空機を飛ばすためにはどういった心構えで、どんな準備が必要なのかといった航空自衛官として必要な資質を学び、磨くことが出来た。また、下級生の指揮や幕僚活動を通じて、リーダシップやフォロアーシップの難しさを感じる一方で、要訣を多少は得ることが出来たのではないかと考える。
(後列右から2番目が本人)
2学年になり要員別に別れての長期訓練は2回目ということでやや緊張しながら臨んだ。その訓練についての所感を述べようと思う。
まず最初の1週間、防大が所有する走水海上訓練場において、艦船を模した場内で1週間の合宿を行った。合宿の内容としては短艇の操法、NATと呼ばれる航法訓練装置を使用した実際の艦橋を想定した訓練等を行い、日々の日課も艦艇のそれと同じように行われた。初めてということもあり、ただただ流されるばかりで周りを見て考える余裕もなかったが、徐々に慣れていき実習をより活かせるように生活できた。これによって海上要員としての第一歩をしっかりと踏み出せたのではないかと思った。
入校当初、私は25mほどしか泳げず、8kmもの距離を泳げるとは思っていませんでした。しかし、プールでの水泳補備訓練で泳ぐ距離も速度も見違えるほど向上しました。夏季定期訓練が始まり、50人以上で隊列を組む練習が始まり、最初は隣同士でぶつかったり、少し周りから目を離せばまったく別の場所を泳いでいたこともありました、そんなとき同期がいつも私のことを気にかけて名前を呼んで助けてくれました。海面訓練では、潮の流れや波、低い海水温度などさまざまな障害がありましたが、プールでの訓練を活かし一人一人が周りの同期を気遣い、助け合うことで綺麗な隊形を維持して泳ぐことが出来ました。8km遠泳本番では途中で遅れてしまう学生がいたものの、最後は全員で泳ぎきることができました。
遠泳訓練を通して、体力、精神力に自信がつき、また、周りを気づかうことの大切さを学び、そして、達成感を得ることができました。この貴重な経験を今後の学生生活に活かしていきたいです。
中期学生隊学生長としての決意
4学年航空要員は夏季定期訓練において、「滑空機総合運用訓練」を訓練期間の前半に行った。この訓練は4学年航空要員自らでグライダーの運航計画を立て、2学年航空要員を指揮しグライダーを飛ばすという内容のものだ。今まで私が受けてきた防大での訓練は、座学や見学による研修がメインであり、実機を用いた訓練を行うことは少なかった。そのため今回の訓練に入る際、私はうまく訓練をこなせるか不安であった。
(中央が本人)
私は善通寺駐屯地、第15普通科連隊で部隊実習をしました。今回の部隊実習で行われた主な訓練として、30km行進、ロープ訓練及び1夜2日の戦闘行動(攻撃)を実施しました。いずれの訓練も体力に自信のない私には過酷なものであり、特に、1夜2日の戦闘行動では、武装した状態で山道を登ったり、下ったりしたことや、敵を攻撃する際の迂回行動が本当に過酷でした。しかし、同じ小隊の陸曹及び陸士の方々には疲れが見えなく、特に、小隊長であった陸曹は隊員とともに過酷な行動をしながら、隊員に命令を出していました。この陸曹及び陸士の方々の姿を見て、将来、指揮官として隊員とともに任務を遂行するためには隊員以上の体力が必要だと感じました。
(2列目左端が本人)
防衛大学校という未知の世界に飛び込んでから3か月が経ち、夏季定期訓練を迎えることとなった。当初は上級生の不在等といった事にばかり気が惹かれて、楽な生活を送れるという甘い考えを持っていたように思う。
だが実際に訓練期間が始まってみると、水泳が特に苦手な私は水泳訓練などで大いに苦しんだ。ただの山登りと聞いていた富士登山は薄い空気に悪戦苦闘した。しかし、その体験を経て、水泳では後ろから押してくれたりと助けてくれる同期たちの素晴らしさを実感することができ、富士登山では高山病で苦しむ学生の荷物を持ったりと、自分が周囲の役に立っているという実感、そして何より苦しいことを乗り越えた達成感を得ることができた。
各要員の実地研修では、今まで各要員の知識不足で希望要員が定まらなかった私だが、どの要員にも魅力を感じ、興味深い研修となった。今後の要員志望の一助にしたい。
私は防衛大学校に入校してからまだ半年もたっていない。防大の本質などまだ分かってないことばかりだが、一度しかない1学年の夏季定期訓練で得た貴重な体験を大切にしたい。
私は夏季定期訓練においてこれからの自衛官生活に欠かせない多くの事柄を学んだ。行進・富士登山・遠泳を中心に様々な訓練を行ってきたが、特に印象に残っている富士登山について所感を述べる。
登山を目前にして世界文化遺産への登録が決定し、気持ちが浮ついたまま当日を迎えた。果てしなく感じられる長い道のりに苦戦しながらも、ほとんどの学生が無事に訓練の目的である「富士登山の完遂」を達成することができた。達成感に由来する高揚した気持ちのまま帰舎したが、終礼で伝えられた助教の方々の評価は到底高いものとは言えなかった。私たちは訓練の目的を達成したが、道中常に談笑をしている者もいたし、分隊長の指揮下にあるにも関わらず我先にと休憩に入る者もいた。将来幹部自衛官になって部隊を指揮する立場となる私たちは自分のことで精一杯になり、周囲の事が見えていなかった。思い返せば自分の立場に対する自覚のない、恥じるべき行動ばかりだった。後日、訓練担当指導教官に「悔しくなかったか?」と聞かれた。その場では何も言うことができなかったが、悔しくないはずがなかった。
(左から2番目が本人)
(中列右から2番目が本人)
夏季定期訓練参加の所感