1学年は今回の夏季定期訓練で、陸・海・空部隊研修、遠泳訓練、空包射撃、戦闘訓練、部隊教練など様々な研修、訓練を行いました。その多くがこれまで経験したことのない厳しいものでしたが、それぞれが我々の将来にかかわる重要なものであり有意義な1ヶ月であったと感じています。ここではその中でも特に印象に残っている戦闘訓練、部隊教練についての所感を述べさせていただきたいと思います。
今回の戦闘訓練では、ホフク訓練等の基本訓練を行いました。その日は天気が良く、暑さと装具の重さに体力を消耗した上での初めてのホフクだったためなかなか前に進めず非常に苦しい思いをしました。それでも訓練を何とか乗り越えることができたのは同期との助け合いで苦しみを楽しさに変えることができたからだと思います。
次に、部隊教練では列員動作をはじめ部隊を指揮するための指揮法の基礎及び将来幹部自衛官となるうえで重要な心得を学びました。人を指揮し、従わせることの大変さ、難しさを体感することができました。将来、隊員を指揮する幹部を目指す者として、意識を高め、知識技能の修養に努めなければならないと思いました。
最後に、夏季定期訓練を通して私は同期との団結の重要性を知るとともに、今後私たちの将来に対する意識を変える必要性を感じました。まだまだ一人前とは言えませんが、今回学んだことを生かして今後の訓練に全力で取り組んでいこうと思います。
4学年陸上要員の夏季定期訓練は、これまで訓練してきたことに加え、全ての訓練が最後の総合訓練に繋がった訓練となっていて、一つ一つの訓練はとても厳しく、その分充実した訓練をすることができた。
防御訓練では実際に構築した陣地から効果的に防御できるかといった検討を重ねて陣地を概成していく方法を学んだ。連続状況下の訓練においては、命令系統や状況が付与され複雑化し、かつ悪天候により疲労が極限になった状態で防御した。
そして、攻撃訓練では敵の陣地の規模や戦力を把握するために、斥候を派遣して敵情を収集する訓練も行った。明るいうちにルートと調査する地域を限定しておき、日が沈む頃に行動を開始して闇に紛れて最深の注意を払いながら敵に近接し、情報を収集した。限られた時間以内に必要な情報を収集しなければならないため、敵から離れているときは大胆に移動し、緊迫しているときは音を出さないよう息を殺して接近するなど自分たちなりの工夫をして訓練に臨んだ。
最後の総合攻撃訓練においては、101kmの徒歩行進に引き続き、敵を攻撃して敵を撃破する訓練を行った。3夜4日の連続状況下という過酷な状況であったが、仲間同士が一致団結して任務を完遂することができた。
本定期訓練は、4年間の防大生活で得た知識や経験を発揮する集大成の場であったが、その目的は達成できたものと実感している。また、同じ訓練班の仲間と厳しい訓練を助け合い、乗り越えていくことで不屈の精神力と強固な絆を築くことができた。さらには、本定期訓練を終えて、陸上要員としての自信と誇りをより堅固なものにすることができた。
最後に、4学年陸上要員のために本定期訓練の計画及び実施に関係して下さった全ての方々への感謝を忘れず今後の防大生活及び陸上自衛隊での勤務に励みたい。
今年度、防衛大学校は創立60周年という大きな節目の年を迎えており、中期は開校記念祭をはじめとして様々な行事が実施されます。学生主導で学生隊運営をしているこの防衛大学校では、学生一人一人が主体性を持って行動することが求められ、中期にはその学生自身による活躍の場が多く存在します。 この貴重な機会を活かし、これからの防衛大学校、そして将来日本の安全保障を担う学生自らの手で、この60年で培った良き伝統を継承し、その上に新たな防衛大学校の学生気風を築くべく、日々勉学、校友会、学生舎生活、各種行事に励み、実りある中期にしたいと考えております。
学生隊学生長としてその原動力になると共に、勇壮な防衛大学校を示せるよう日々果たすべき責務に邁進する所存であります。
3学年 新井 冴輝 (群馬県立中央高校)
1学年 門脇 真也 (北海道私立札幌第一高等学校)
左側 本人
2学年 秋山 俊大(東京都私立聖徳学園高等学校)
1学年の夏季定期訓練では陸・海・空各自衛隊部隊研修、射撃訓練、富士登山、8キロ遠泳などが行われました。私は訓練が始まるまでは、しっかりと訓練をこなせるかどうか不安でしたが、いざ訓練が始まると悩む暇もなく、訓練を終えてみると、多くのことを学ぶことが出来、充実した訓練であったと実感しています。部隊研修は1泊2日の泊りがけの研修で、部隊の隊員がどのように過ごしているのかがよく分かりました。射撃訓練は空砲射撃を実施しましたが、銃を持つ緊張感と共に、銃を撃つことの重さを実感した訓練でした。富士登山は天候が悪くめぐまれた状況ではありませんでしたが、全員で富士山を登ったという達成感は一生忘れることはありません。訓練中、何よりも心に残ったものは8キロ遠泳でした。8キロを泳ぐということは、ただ泳ぐ距離が長いという苦労だけではありません。海面いっぱいに広がったクラゲに刺される恐怖、水温で体温を奪われる疲労、見た目以上に高く感じる波の中を泳ぐ苦労は想像以上でした。そのような中で私を励ましてくれたのは同期でした。同期がいつも頑張っている姿は私を何度も励まし、結果、私は8キロを完泳することが出来ました。もともと泳げなかった私にとって完泳できたということが自分自身でも驚きであり、何よりも誇りです。
3学年 有元 千明 (宮崎県立大宮高校)
2学年 遠藤 輝 (高等工科学校)
1学年 上村 俊輔 (熊本県私立真和高校)
今回の定期訓練を通して、私は同期との絆が深まったのを感じるとともに、物事に積極的に取り組み、かつ継続的に努力をすることにより、達成した時の充実感が最高のものであることを実感しました。これからも多くの方々自分が支えられていることへの感謝の気持ちを忘れずに防大生として頑張っていきたいと感じました。
防衛大学校は、平成24年7月、校内及び全国各地の部隊等において本科学生の夏季定期訓練を実施いたしました。
第1学年は、関東近郊に所在する陸・海・空自衛隊の主要部隊等において基礎的な共通訓練、東京湾において8Km遠泳等を行いました。
第2学年は、陸上要員は校内及び関山演習場において野営訓練、海上要員はポンド合宿及び乗艦実習、航空要員は富士川河川敷において滑空機訓練等を行います。
第3学年は、全国各地の部隊等において、陸上要員は普通科連隊の部隊実習、海上要員はクルーザー巡航、航空要員は航空団実習及び救難実習等を行いました。
第4学年は、陸上要員は北海道において101Km徒歩行進訓練、海上要員は横須賀、呉を出港し、全国各地の港をまわり乗艦実習、航空要員は富士川河川敷における滑空機訓練の指揮活動及び、入間、浜松、那覇等において警戒管制部隊実習等を行いました。
私を含めた25名の学生は7月12日〜28日までの間、護衛艦「きりしま」へ乗艦実習に赴きました。乗艦実習とは2学年以上の海上要員が護衛艦に乗艦し実習、訓練見学及び艦内生活を送り護衛艦の知識を身につけるものです。4学年は「きりしま」以外にも「いせ」「さざなみ」「いなずま」にそれぞれ分かれて乗艦し実習に励みました。
ところで、英国では海軍士官候補生を”Midship man”と言います。これはその昔、艦長が出した号令を士官候補生が艦内を走りまわりながら連呼し乗員に知らせたていたことからそう呼ばれているようです。私たちも艦橋や居住区、CIC等を駆け巡り、食事の時間になれば食堂へと”Midship man”として艦内を走り回っていました。
下段 右から2番目が本人
今回の乗艦実習は防大生として臨む最後の機会であり、私を含め実習員は少しでも多くを学ぼうと積極的な姿勢で実習に取り組んでいました。我々4学年は来春にはこの防大を卒業し、幹部候補生となります。実習員は皆それぞれ将来への期待や焦りを持っており、それが垣間見えたような気がしました。そんな私たちに親身にご指導して下さった「きりしま」艦長以下乗員の方々から、我々防大生に対し大きな期待を寄せていることが実感できる実習でした。私たちに熱くご指導頂いた皆様に深く感謝するとともに、その期待を裏切らないように今後も精進していく所存です。
第33普通科連隊では、火器の取り扱い、射撃の研修、戦闘訓練、行進訓練、山地機動訓練等、様々な訓練を行いました。火器の取り扱いでは、89式小銃等、様々な武器に実際に触れる事ができ、陸上要員としてのイメージアップができました。また、部隊の方々の射撃の研修をした事で、自分たちとの姿勢の違い等、改善すべき点に気付くことができました。山地機動訓練では、実際に山道を歩いた事で、舗装されていない山道での行軍、自分の位置を常に把握しなければならない地図判読がいかに難しいかがよく分かりました。
部隊での実習において一番感じた事は、常に実戦を意識しているという事です。私達防大生も、今回の訓練で部隊の実情を理解するとともに、将来は幹部自衛官となり部隊を指揮する立場になるという認識をより一層深める事ができました。
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1学年 古庄 将人 (長崎県立青雲高等学校)
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1学年 佐藤正崇 (千葉県私立市原中央高校)
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第3学年航空要員の訓練内容は主に戦闘航空団部隊実習であり、全国5か所に分かれて研修を行った。私は北海道の千歳基地で約1か月間にわたり研修を行った。第2航空団の研修を通して一番印象に残っていることは、パイロットのみならず、隊員一人一人が自分の任務に誇りと責任を持って職務に励んでいたことである。部隊の様子を間近で見ることによって、戦闘機を飛ばすために他の隊の協力が必要不可欠であるということを実感できた。また、協力というのは隊員それぞれが自分の仕事に誇りを持っているからこそ成り立つのだとわかった。1か月間内務班で生活を送り、空曹空士の方々の生活の様子を見ることで、隊員が何を目標としどのような気持ちを持って働いているのか、幹部をどのように見て何を期待しているのか等の生の声を聴くことができた。このような話を学生である今のうちに聴けたことは大変貴重な経験となった。部隊の様子を間近で見て、様々な方の講話やご意見をいただく中で、今の自分がどれだけ学生としての身分に甘えているのかということにも気づくことができた。部隊の現状や自分の置かれている立場などを知り、新たなことに気づけたのは1か月にわたる研修のおかげである。今回学んだことを活かして防大生活を送っていきたい。
私たち1学年にとって、夏季定期訓練は防衛大学校に入校して2度目のまとまった訓練である。陸・海・空の部隊研修や遠泳訓練等、高校生だった頃には味わうことのできなかった貴重なことを多く経験することができた。
この訓練が始まるまでは、自分自身が自衛官となる実感があまりなく、日常の生活をひたすらに繰り返すことしかしていなかったため、本当に自分が定期訓練を乗り越えることができるのか不安で仕方がなかった。しかしながら、各自衛隊の部隊研修をしていくうちに、だんだんと自衛官とはどういうもので今の生活で何を考えなければならないのかというものが見えてくるようになり、「防衛大学校での一日一日をもっと充実したものにしたい。」と考えられるようになった。また、同期と一緒に厳しい訓練を過ごし、互いに励ましあうことで、最初に抱いていた不安はなくなり、同期間での団結力が高まった。この訓練で培った同期間の絆や結束力、信頼を大切にして今後の生活にも生かしていきたい。
4学年 梅村 祐太 (北海道私立札幌光星)