冬季定期訓練参加の感想をまとめてみました

硫黄島研修参加の所感            3学年 坂東 裕紀(徳島県立脇町高校)

硫黄島は12月にも関わらず、夏のような暑さであった。基地を離れて少し歩くといくつもの慰霊碑があったり、日本軍の遺留品が回収されているのを見て、かつてここで凄惨な戦いが行われたことが急に現実のものとして捉えられた。
 硫黄島では多くの壕やトーチカ跡を見学することが出来た。中でも最も印象に残ったのは兵団司令部壕であった。最後の電文を発した壕に皆で入り、明かりを消して栗林中将の訓示を読んだ。兵隊達が最後に何を思い、突撃していったか考えると当時の彼等の息づかいまで聞こえてくるようであった。壕内は想像以上に狭く、蒸し暑かった。私たちが入っていたのはほんの10分程度であったが、暑さと圧迫感でかなり苦しかった。圧倒的な物量の米軍に対して、水さえ得ることが出来ない日本兵が、ここで1ヵ月以上も戦闘を続けたという事実に驚くばかりであった。

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VOL.24  2011.12.22

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 11月12日、今年の開校記念祭において、児童養護施設「春光学園」の園児及び職員を招待し、開校記念祭を楽しんでいただきましたが、お礼のお手紙と作品が届きました。
 お手紙には、「開校祭に招待いただきありがとうございました。学生の皆さんが、一日楽しく子供たちをお相手くださいました。園児たちは、模擬店での買い物、訓練展示の見学等大喜びでとても満足していました。」と開校祭を満喫した内容が書かれており、また子供たちの礼状(作品)には、「ぼうだいさいたのしかったです。ありがとうございます。」「ぼうだいさいたのしかったです。こんどはスライムもいれてください。」など、子供たちの感想も一緒に送られてきました。

最後に防衛大学校は、幹部自衛官となるべきものを教育・訓練する場であることから、日常生活は厳しく、私も最初はなかなか慣れることが出来ませんでした。しかし同じ立場である同期や親身になって相談に乗ってくれる上級生、頼りになる指導官の方々のおかげで少しずつ慣れ、今では充実した生活を送っています。
 来年皆さんとここで出会えることを楽しみに待っています。

防大生になれば防衛省職員・自衛隊員として、また特別職国家公務員として規律ある厳しい生活を送ることとなります。しかし、一般大には無い防衛学や訓練、小隊の仲間達と団結して困難を乗り越えるといった新しい体験が皆さんを待っています。入校までの日々を学校の友達や家族・親族らと十分に楽しみ、4月に小原台で会えることを楽しみにしています。

往路を漕いでいる時に、先頭を行く艇の前に釣り船が現れた。凄まじい勢いで向かってくる短艇に対し、釣り船は驚き慌てて舵を取ろうとした。そこで、先頭の艇は危険を察知して大きく右に舵を取り難を逃れた。それを見た釣り船は落ち着きを取り戻し、再び釣りに従事した。後続の短艇は釣り船が危険な動きをする可能性がなくなったので、そのまま直進し、先頭の艇より良いコース取りが可能になった。結果として、先に岸に着いたのは後続の艇となった。
 この件から、私はシーマンシップについて教訓を得た。まず、辛いことに耐え、勝負に絶対に負けないという「負けじ魂」の涵養があること。しかし、勝負にこだわるだけでなく、安全性を優先させた「スマートさ」と「先見性」があること。加えて、焦りが生じる中で確実・丁寧な運用作業を実施する「几帳面」な部分を追求される点。シーマンシップを育む全ての要素が本訓練に含まれていることを体験する良い機会となった。
 本訓練で学んだことは基本的なことだが、海上要員としては必ず修得しなければならないことだ。今後の訓練や海上自衛隊勤務の中でシーマンシップを自分自身のものとして昇華できるよう努力したい。

強い組織であるためには、明確な指揮系統や持ち場に対する責任感もさることながら、同期、部下、上司の間の信頼関係が非常に重要である。冬季定期訓練を通して、信頼という基本概念に立ち返ることができたことは非常に有意義であり、幹部候補生学校へのよい足がかりともなった。 防衛大学校学生として最後の訓練は終了したが、我々はまだ自衛官としてのスタートには立っていない。しかし、我々が幹部自衛官として部隊で指揮を執る日もそう遠くはない。将来の戦力となるべく、己を磨き、人とのつながりを大切に、前へ前へと進んでいきたい。

そしてこの訓練を通じて、仲間への信頼は今まで以上に強くなり、より自信を持つことにつながりました。この仲間たちと一緒なら、将来、航空自衛官として任務を果たすことができる。そんな風に思うことができる訓練でした。
 防衛大学校の仲間とともに苦難を乗り越え、目標を達成することの素晴らしさを知ることのできる訓練でした。

 このような過酷な環境下で最後まで戦えたのは、栗林中将の統率力と兵隊の気概に拠ると思う。家族や愛する人のため、そして将来の日本のために彼らは戦い亡くなった。私たちの現在の平和な生活は、彼らの犠牲の上に成り立っているということを忘れてはならない。
 今回の研修は実際に戦跡に触れて学ぶという大変貴重な機会であった。本や講義だけでは知ることの出来ない、日本人として決して忘れてはならない歴史を学ぶことが出来た。このような貴重な経験をさせていただいたことに対し、教官や部隊の方々に感謝するとともに硫黄島で学んだことを今後の糧としていきたい。(写真:右)

 この事業は、計画・調整等すべて学生自らが実施しているもので、30年以上続けられているものです。
 春光学園は、敗戦直後の極めて困難な時期に、東南アジア諸国からの引揚孤児の受け入れにはじまり、現在は乳児を除いた保護者のいない児童や虐待等により養護が必要な児童を受け入れている児童養護施設で横須賀市に所在しています。

 本訓練を通して考えたことはシーマンシップについてである。シーマンシップとは、「スマートで、目先がきいて、几帳面、負けじ魂、これぞ船乗り」という船乗りの理想像を簡潔に表現したものだ。今回の訓練中、この言葉を反芻しながらシーマンシップについて考えていた。 
 訓練の中で、総短艇という我々が恐れる訓練が存在する。総短艇では予期せぬタイミングで「学生待て」と令される。その後、急いで係留されている短艇に乗り込み、2000m漕いで再び岸壁に係留し、用具を片づけ、人員の掌握をして報告するまでを競う。各分隊の術科能力、闘争心、誇りを賭けた勝負であり負けることはできない。今回はその訓練中に、少し変わった状況が生起した。
 

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推薦入試合格者へ   〜在校生からのアドバイス  Part 2〜

60期推薦入試合格者へ    1学年 山本 晃生 (愛媛県立松山北高等学校)

私は航空要員として、防大生活最後の定期訓練において基地警備訓練を受けました。訓練というと、訓練教官から細かな課題や計画を与えられて、その計画のもとで行うものというイメージが強いかもしれません。しかし今回の訓練は、今までにないほどに学生の主体性の強いものでした。私たちは今回の訓練で、航空要員約100人の力を合わせ、ほとんど一から基地警備の計画を作り、それに沿って基地警備を行いました。100人もの仲間の考えを一つの計画にまとめ、実際にその計画を運用するのは非常に難しいものでした。計画の作成は訓練前日の夜遅くまで続き、また実際に計画を使った訓練の開始後には多くの問題が発生しました。さらに訓練の環境もまた厳しいものでした。真冬の凍りつくような寒さの中、24時間にわたって訓練は実施されました。落ち着いて食事をとることもできず、睡魔と寒さに抗って、常に警戒心を保つ必要がありました。
 このように訓練は辛いものでしたが、一方ではとても楽しいものでもありました。全員が一体となって基地警備計画を立てる楽しさや、仲間とともに寒さ睡魔と戦い、計画を実施していくことの達成感を感じることができ、とても充実していました。

まず初めに皆さん合格おめでとうございます。私も皆さんと同じように1年前に防衛大学校への入校を心待ちにする一人でした。あれから1年が経過し、防大入校前後の様々な経験を基に少しでも皆さんの参考になればと思い以下のことをお勧めします。 
1、多くの情報を入校前に集め、防衛大学校での生活のイメージアップを図る
 皆さんは受験するにあたりある程度の情報は集めたことと思います。しかし、入校してから「こんなことするの?」と感じる事が多々あります。このため、このかわら版のように学生の生の声が記載されているもの等で情報を集め、防衛大学校での生活をイメージアップすることをお勧めします。
2、英語を勉強しておくこと
 防衛大学校では、海外の士官学校からの長短期留学生の受け入れ、国際士官候補生会議等英語を活用する機会が多々あります。このため、入校前に11時間でもいいので勉強することをお勧めします。
 

防大かわら版バックナンバー

 前回に引き続き、推薦により入校した先輩からのアドバイスを掲載します。合格された皆さんは、元気で入校されるようお待ちしています。

推薦合格者の皆さんへ  1学年 古嶋康宏(富山県 南砺総合高校福野高校)

はじめに推薦入試合格者の皆さん、合格おめでとうございます。防大に入校される皆さんに私の体験談に基づくアドバイスをさせていただきます。
 まず防大の推薦入試の合格発表が一般大と比べ早い点から、皆さんに気を付けて頂きたいことは「引き続き学校の仲間たちと勉学に励むこと」です。合格発表から入校する4月までは長い時間がありますが、この期間に勉強を続けていないと入校してから一般合格者達との差に悩むことがあります。文理に関わらず数学・英語の能力が重視されますので積極的に勉強に励んでください。特に理系の同期からは物理・化学が大変との声も聞かれます。
 また洗濯・裁縫・アイロンなどの技能を習得しておくと学生舎(寮のことです)生活において非常に役に立ちます。家の方にも喜ばれるので、今のうちから家事の手伝いをしておくと良いでしょう。
 最後に、入校までに自動車免許の取得をされることをお勧めします。防大生は休日しか校外に出ることできず、かつ長期休暇も最大で3週間程度しかないため自動車免許の取得が難しい面があります。 

 今後は、試験方法にAO試験方式が編入されるなど変更があるようですが、なんといっても入試に重要なのは自衛隊に絶対入ってやるという熱意であったと思います。私が防衛大学校の推薦入試を受けたときの出題問題は、過去問題や一般の模擬試験をやっていれば答えられるもので、ここではあまり差はつかなかったと感じています。その分、面接や集団討論で人間性や積極性を試され、差が付いたと思います。私は面接の時に靴紐がほどけていたという大きなミスを犯してしまいましたが、なんとか落ち着いて対応し、自衛官になり国民の役に立ちたいという思いを伝えることができました。その結果、防衛大学校に入ることができたのだと思っています。
 自衛隊を一生の仕事として選ぶからには、相当な覚悟と熱意が必要であり、まずはその一歩となる防衛大学校4年間を全力で努力する必要があります。これまで、防衛大学校に入校し多くの壁にぶつかることもありましたが、多くの仲間とともに、入校を決意した時の気持ちを思い出しながら日々精進しています。厳しいこともありますが同時に入校して良かったと改めて感じています。

推薦入試者への一言                  1学年 平江泰己(石川県小松高校) 

推薦入試合格者の皆さん、おめでとうございます。防衛大学校に入校するにあたり、不安なことはたくさんあると思います。私の経験をもとに入校前にやっておいたら良いことをアドバイスしたいと思います。
 1つ目は勉強です。防衛大学校の授業は、他大学もそうだと思いますが高校の授業の延長を勉強します。私は推薦で合格した後も、一般入試で入ってくる人との学力の差がないように勉強してきました。そのためスムーズに授業に入ることができ勉強が負担に感じることはなかったです。また、特に英語を勉強したほうが良いと思いました。毎年1回TOEICを受験します。学年毎に基準点があり、到達していなければ再度受けなければなりません。将来幹部自衛官になってからも英語は必要なので勉強しておくことをお勧めします。
 2つ目は運動です。入校してすぐに体力測定が行われるため、運動を欠かさずに行ってください。
 最後に一番大切なのは「やる気」だと思います。厳しいとされる勉強・校友会・学生舎での生活についてやる気があればなんとかなると思います。将来幹部自衛官になるという強い志を持って入校してください。どんなに辛く厳しいことも乗り越えられると思います。入校するのを待っています。

写真右

開校記念祭を見学して 〜 児童養護施設「春光学園」からお礼が届きました

冬季定期訓練参加の所感         4学年 早川 雅貴(兵庫県立北須磨高校)

冬季定期訓練参加の所感        4学年 榊原 雄大(岐阜県立多治見北高校)

今回の冬季定期訓練は、防衛大学校学生として、3年目を迎えた陸上要員として、最後の定期訓練であった。訓練内容としては、バトラーを使用した対抗形式での分隊攻撃訓練、64式小銃射撃、技術研究本部職員及び防衛大学校幹事の講話などが行われた。今回の訓練を通して、指揮の難しさ、同期を始めとした人とのつながりの尊さ、近い将来に自らが幹部自衛官となることの自覚等を強く再認識した。
 最も印象深かったのは分隊攻撃訓練である。私は分隊長として参加し、拙い指揮ではあったが班内の同期に助けられながら状況を終了するこができた。結果は芳しいものではなく、反省点も多々あったが、自分たちは戦う集団であり、敗北は許されないことを痛感することができた。自衛隊は強い組織であらねばならない。
 

冬季定期訓練参加の所感         4学年 冨岡 元弥(海上自衛隊生徒)

推薦入校者アドバイス           1学年 倉知 謙伍(愛知県東海高校)

Vol.13(2011.3.15)
一般入試合格者の皆様へ〜入校のアドバイス

Vol.14(2011.3.17)
防大の4年間を振り返って、卒業ダンスパーティー

Vol.15(2011.3.31)
防大生が震災義援金、震災時住民が防大に避難、災害時の食事など

Vol.16(2011.4.15)
田中元教授が同窓会から感謝状、学校見学会、学生の声(北九州防大友の会広報誌)など

Vol.17(2011.5.16)
学生が震災地ボランティア、学生隊学生長を拝命して、カッター競技会、小川副大臣防大視察など

Vol.18(2011.6.23)
G8ユースサミット代表団の防大研修、近畿中部防衛局長FM放送で防大紹介、遠泳についてなど

Vol.19(2011.7.19)
1学年の入校の感想、日米学生会議代表団の防大研修、 課外講演(東工大学長、技術開発官)

Vol.20(2011.8.29)
夏季定期訓練・1学年遠泳訓練の所感、研究科チャリティ義捐金募金、将官の人事異動

Vol.1(2010.7.22)
遠泳訓練開始、夏季定期訓練防大のおみやげ、受験生のためのQ&Aなど

Vol.2(2010.8.3)
遠泳訓練、新幹事着任、オープンキャンパスのお知らせ、田島教授が感謝状受賞など

Vol.3(2010.8.24)
オープンキャンパス特集(研究室、模擬授業、概況説明、個別相談、キャンパスツアーなど)

Vol.4(2010.9.7)
水泳大会、新防衛学群長着任、日米学生会議参加、女子ホッケー部1部昇格、災害対策訓練など

Vol.5(2010.9.29)
防大改革に関する大臣指示、
ホームカミングデイ事前調整、防大に入校して など

Vol.6(2010.10.25)
中央観閲式参加、防大の食事、国体を終えて、FM放送による政府広報の紹介 など

Vol.7(2010.11.15)
先輩パイロットからのメッセージ、開校祭の案内、開校祭学生委員長、校友会の紹介など

Vol.8(2010.12.14)
開校祭関連、副大臣防大視察、ホームビジットデイ、本科4期生記念品贈呈、4学年学会発表など

Vol.9(2010.12.21)
海外派遣学生の所感Part1、留学生の学位取得、在学生からのアドバイスPart1 など

Vol.10(2011.1.19)
後期学生隊学生長指名行事、成人式で地元市長と懇談、海外派遣学生所感Part2、在学生アドバイスPart2 など

Vol.11(2011.2.8)
海外派遣学生所感Part3、防大OBからのメッセージ、学生の声(札幌地本広報誌)

Vol.12(2011.3.3)
海外派遣学生所感Part4、防大OBからのメッセージPart2

Vol.21(2011.9.26)
学生隊学生長、水泳競技会特集、災害対策訓練、吹奏楽部定期演奏会、開校祭情報など

Vol.22(2011.10.27)
学校長文化功労者に、開校祭情報、課外講演、5期生会、8期生航空5班、防大の制服、防大のおみやげ

Vol.23(2011.11.29)
開校祭情報、陸幕長課外講演、35期生HVD、吹奏楽部、推薦入試合格者へのアドバイス、カッター優勝