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海外派遣された学生からの所感 〜防大生の海外留学特集 Part 4〜

Vol.5(2010.9.29)
防大改革に関する大臣指示、
ホームカミングデイ事前調整、防大に入校して など

Vol.6(2010.10.25)
中央観閲式参加、防大の食事、
国体を終えて、FM放送による
政府広報の紹介 など

Vol.7(2010.11.15)
先輩パイロットからのメッセー
ジ、開校祭の案内、開校祭学生委員長、校友会の紹介など

Vol.8(2010.12.14)
開校祭関連、副大臣防大視察、
ホームビジットデイ、本科4期生
記念品贈呈、4学年が学会発表など

右が本人

VOL.12  2011.3.3

 私は平成19年の3月に防大を卒業し、4年目の現在、所属する中隊の訓練を統括する訓練幹部という職務と、実際に隊員を率いて行動する小隊長という職務を兼務しています。

 この度は、ハイチ派遣という機会を与えられた防大卒業生として、その経験を受験生の皆さんに伝える機会をいただいたので、少し私の思うところを書いてみようと思います。

 今回のハイチ派遣では多様な任務に就きましたが、気温−20℃にもなる真冬の北海道から、気温40℃を超えるハイチはその気候や文化、普段と異なる勤務環境から精神的、肉体的に決して楽なものではありませんでした。しかしその反面、沢山の人々の笑顔に出会い、地球の裏側で「アリガトウ」と言われるなど、貴重で充実した経験を得ました。

 

平成21年度連合王国派遣学生              312小隊  4学年 中田 道也

 私は平成21年10月5日から同年10月24日までの間、連合王国(英国)陸海空士官学校における士官候補生の教育・訓練・生活を研修した。

 連合王国には防衛大学校のような、言わば予備士官学校に相当する機関は存在しない。そのため、士官候補生の多くは一般の大学を卒業した後、陸・海・空各士官学校に入校する。

 防衛大学校では基本的に18歳から大学教育を実施しているので、連合王国と比すれば、4年間分多くの教育関係費が投入される計算になる。

 私たち防衛大学校学生は、他国の士官候補生が一般の大学において教育を受けている間に、軍事教育を受けつつも大学教育を受けることが可能である。防衛大学校という機関の存在するメリットはそこにあるのではないだろうか。

 海外派遣で防衛大学校の存在意義や学生としてのあるべき姿を再確認することが出来た。

 防衛大学校を卒業するまで1ヶ月を切ったが、海外派遣において確認したことをこれからの生活に役立て、また、防衛大学校の発展に資することが出来れば幸いである。

Vol.9(2010.12.21)
海外派遣学生の所感Part1、
留学生の学位取得、在学生
からのアドバイスPart1 など

Vol.10(2011.1.19)
後期学生隊学生長指名行事、
成人式で地元市長と懇談、
外派遣学生所感Part2、
在学生アドバイスPart2 など

Vol.11(2011.2.8)
外派遣学生所感Part3、
防大OBからのメッセージ、
学生の声(札幌地本広報誌)

ハイチ派遣国際救援隊

 「有意義な防大4年間」 第13施設隊第383施設中隊 2等陸尉 森口 恭丞(50期)

 また卒業から現在までを振り返ってみると、これまで実に多くの土地(ときには習慣や価値観の異なる組織)で、多くの人(ときには言語も通じない人)とともに航空機の整備という同じ目的を共有してきました。そのような様々な環境で互いの価値観を尊重し合い物事を解決していく姿勢は、まさに在学中の同期を始め先輩後輩との4年間に及ぶ切磋琢磨した共同生活から育まれたといえます。
 皆さんも将来幹部自衛官としてあらゆる場面で活躍するため、防大で多くの仲間と苦楽をともにし、自分の可能性を広げてみてはどうでしょうか?
 

海外で活躍された防大OBから後輩へのメッセージ 〜 Part 2 〜

 昨年度、私はタイ王国への派遣という貴重な機会をいただき、タイ王国陸・海・空軍士官学校における学生舎生活や教育、訓練の研修を行なった。

 派遣の目的はもちろんのこと、本科学生という立場から防衛大学校の優れた点、改善すべき点を見直す良い機会であることを銘記して臨んだ。私が本校の優れた点だと感じた事項を1つ紹介したい。

 タイ王国では陸・海・空軍それぞれ士官学校が独立しており、それぞれが異なったモットーのもと日々教育、訓練に励んでいた。一方で防衛大学校では学生綱領「廉恥・真勇・礼節」を基調とし、勉学・学生舎・校友会を3本柱として掲げ、この両立を果たすべく日々努力している。

 ここで大きく異なっていたのが校友会(課外活動)の重要度である。タイ王国では課外活動の自由度は高く、学生はあまり積極的に取り組んではいない。かたや本校では学生の主体性を涵養する場であり、その重要度は非常に高く、校友会活動が存在する意義は大きい。

 このように派遣を通して 学んだことを、我々の生活をより良いものにする資として活かせるよう、残り少ない在学期間を無駄にせず努力する所存である。

「可能性を広げる」   航空自衛隊特別航空輸送隊  1等空尉 梅津 洋一(45期)

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防大かわら版バックナンバー

Vol.1(2010.7.22)
遠泳訓練開始、夏季定期訓練
防大のおみやげ、受験生のた
めのQ&Aなど

Vol.2(2010.8.3)
遠泳訓練、新幹事着任、
オープンキャンパスのお知らせ
田島教授が感謝状受賞など

Vol.3(2010.8.24)
オープンキャンパス特集(研究室、
模擬授業、概況説明、個別相談、キャンパスツアーなど)

Vol.4(2010.9.7)
水泳大会、新防衛学群長着任、日米学生会議参加、女子ホッケー部1部昇格、災害対策訓練など

 また、普段の職務のみならず、海外での任務においても、防大で学び、培った責任感や行動力といったリーダーシップが非常に重要であると痛感しました。

受験生の皆さんは、今の私の姿を特別だと思いますか。

 「厳しい環境」と不安を煽られる防大、卒業後数年で海外での任務。これだけを聞けば特別に感じるかもしれません。しかし、私自身もかつては普通の受験生、そして今でも普通の人です。

 もしも今、進路に迷いのある人は、特別な必要はありません。「厳しい環境」、関係ありません。大切なものは意志です。自分の気持ちに正直に選んでください。きっと貴重な経験が、充実した毎日が待っていると思います。

「受験生へのメッセージ」 
              第12施設群第335施設中隊
 2等陸尉 岡本 剛史(51期)

平成21年度タイ王国派遣学生          312小隊  4学年  野本 祥平

2008年 海外運航にて

 現在私は航空機整備幹部として特別航空輸送隊に所属し、特別輸送機(政府専用機)の維持管理に携わっています。当部隊の任務は特別輸送機2機を使用し主として天皇陛下や内閣総理大臣といった国賓等の輸送業務を任務としている部隊です。そしていざ国賓等の輸送時には私自身航空機に同乗し、世界中の空港にて航空機の健全性の確認や不具合等の速やかな修復に日夜努力しています。
 そんな私は防大卒業後、戦闘機部隊にて現場指揮官として戦闘機の維持管理を担当し、その後は約2年間日本航空(JAL)において大型航空機の整備業務を研修し現在に至っています。このように卒業後は自分の希望次第であらゆる場面で活躍し、充実した日々を過ごすことになると思います。
 

右が本人

 現在私は、施設科小隊長として、年間を通じて各種計画の作成や実行の監督、訓練等においては現場の長として勤務しています。責任は重いですが、非常にやりがいのある毎日です。

 ハイチ派遣国際救援隊においては、施設中隊の小隊長として派遣間を通じて常に現場のリーダーとして、各種任務にあたりました。

 特に、印象深いのは「国内避難民キャンプの補修作業」で、この現場では米海兵隊と協同作業により、避難民キャンプ内の側溝や土留め等の構築を実施しました。とにかく暑さとの戦いであり、気温40度近くの猛暑に耐えながら、「すべてはハイチの人の為に」という想いを胸に隊員と一丸となって任務を遂行しました。

2007年 JAL研修にて

 防大で学んだ事で役立ったことは、「協調性」と「柔軟性」の2点です。まず、「協調性」については、防大4年間の集団生活により「人と人とのつながり」がいかに重要かを体感した事によって、ハイチのような過酷な状況においても抜群のチームワークで対応することが出来ました。

 また、「柔軟性」においては、学業と訓練の両立により広い視野が養われた上、さらに語学においても高いレベルまで鍛えられたおかげで、今回のPKO派遣の様に他国の軍隊と協同連携する際にも、自信をもてコミュニケーションをとることができました。

 最後に防大の4年間は、他の大学と比較すると、寮生活や外出時間等確かに多少の制約はあるかもしれません。が、それ以上に今後の人生に役立つ様々な事が修得でき、また生活を共にしたかけがえのない親友にも恵まれると思います。  さぁ、防大で自分を磨きましょう!!