No.154

2012年9月14日

 

 

第27回「防大フォーラム」を開催

清家 篤 慶應義塾塾長、「社会の構造変化と大学教育」と題して講演

 

 

 

防衛大学校では、「教育の質の向上」を目的とし、校内の教職員を対象とした「防大フォーラム」を開催しています。

平成24年8月31日(金)、清家 篤 慶應義塾塾長を講師として招へいし、「社会の構造変化と大学教育」と題して、記念講堂において実施いたしました。

清家先生は、慶應義塾大学経済学部をご卒業され、同大学大学院商学研究科に進まれました。以後、慶應義塾大学商学部助教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員、慶應義塾大学商学部教授を経て、平成19年10月より、慶應義塾大学商学部長、平成21年5月より、慶應義塾塾長を務めておられます。学外でも政府関係機関などの社会活動で幅広くご活躍されています。

 今回の講演では、「高等教育をとりまく状況」、「学問による貢献」、「自分の頭で考える人を育てる」、「新しい価値を生み出す研究」、「大学と社会の協力体制」、「人材立国日本を守る」の順にお話をすすめられ、「今役に立つものだけを求めれば、やがて役に立たなくなる」、「応用は大切だけれども、その基礎が重要である」と語られました。本校の教育目的にもある将来を見据えた伸展性のある資質を育成することに通じるものであり聴講した教職員一同、深い感銘を受けたとても有意義な防大フォーラムとなりました。

 

 

平成24年度第2回産学交流セミナー開催

山近准教授、「メンタルマップ(心の中の地図)の活用」と題して講義

 

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平成24年7月20日(金)、横須賀市産業交流プラザ(横須賀市本町)において、防衛大学校人文社会科学群人間文化学科 山近 久美子 准教授を講師として、今年度第2回目となる産学交流セミナー(主催 横須賀市産業振興財団)が開催されました。

「メンタルマップ(心の中の地図)の活用」と題した講演で、山近 准教授は、個々人の地域に対するイメージや評価を探ることのできる「メンタルマップ」を異文化交渉や自然災害対処などにどのように役立てることができるかをわかりやすく解説しました。

また、参加者に自ら世界地図を書かせることによる自分自身のメンタルマップの確認や事前に防大生に作成させたメンタルマップの説明に対して、参加者からはさまざまな質問が寄せられ、盛況のうちに2時間の講演を終了しました。

 なお、次回の産学交流セミナーは、9月24日(月)に応用科学群応用物理学科 新川 孝男 教授が「東京電力福島第1原発事故と環境への影響」と題して講演を行う予定になっています。

 

 

内閣府国際平和協力事務局次長及び国際平和協力研究員、

防衛大学校教官らと国際舞台で活躍する人材育成をテーマに意見交換

 

 

内閣府国際平和協力本部事務局 橋 憲一 次長及び同国際平和協力研究員6名は、平成24年8月27日(月)、防衛大学校を訪問し、國分 良成 学校長を表敬いたしました。

その後、記念講堂、総合情報図書館、資料館、学生舎等を見学し、人文社会科学群教官、防衛学教育学群教官及び総合安全保障研究科学生と「国際舞台で活躍する人材育成に何が必要か」をテーマに活発な意見交換を行いました。

国際平和協力研究員は、スーダン住民投票監視団(平成23年1月)に参加するなど国際平和協力の分野で幅広く活躍されています。意見交換の席上においても、豊富な海外勤務経験に基づき、国際機関や国際平和協力活動の現場での勤務に際して幹部自衛官に求められる資質・技能等について、実例を示しつつ説得力ある見識を示され、今後も幹部自衛官を養成する防衛大学校との協力関係の構築を進めていくことで意見が一致しました。

 

 

赤十字国際委員会駐日事務所代表 ヴィンセント・ニコ氏、

防衛大学校長を表敬訪問

 

 

 

平成24年8月21日(火)、赤十字国際委員会 (ICRC : International Committee of the Red Cross) 駐日事務所のヴィンセント・ニコ (Vincent Nicod) 代表が國分 良成 学校長を表敬訪問しました。

ICRCは、1863年の創設以来、150年以上にもわたって世界中の紛争地域における犠牲者の生命と尊厳を保護し、必要な援助を提供することをその人道的使命としてきた、公平で中立的、かつ独立した国際組織です。

國分 学校長との会談でニコ代表は、国際平和協力活動を本来任務とするわが国自衛隊の国際社会における一層の地位向上のためにも、今後、ICRCの持つ紛争地での豊富な現場経験を最大限に活かした緊密な協力関係を、防衛省の教育研究機関である防衛大学校との間で構築していく必要性があることを強調されました。

会談には、ニコ代表の他にも、ICRCより柴崎 大輔 政策担当官と真壁 仁美 広報担当官が、また本校からは国際関係学科の村井 友秀 教授と黒崎 将広 准教授が同席し、さらにその後は、立山 良司 教授、宮坂 直史 教授、久保田 徳仁 准教授も加わって、本科及び総合安全保障研究科との教育研究面での連携のあり方について活発な意見交換がなされました。

 

【寄稿:人文社会科学群国際関係学科 准教授 黒崎 将広】

 

 

総合安全保障研究科(前期課程)修了生(第5期) 佐藤 智美 事務官、

第28回佐藤栄作賞を受賞

 

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総合安全保障研究科(前期課程)修了生(第5期)の佐藤 智美 防衛事務官(現所属:陸上自衛隊)が、この度栄えある第28回佐藤栄作賞を受賞しました。

佐藤栄作賞とは、故 佐藤 栄作 元総理大臣が1974年に受賞したノーベル平和賞賞金を基に設立された「佐藤栄作記念国連大学協賛財団」事業の一環として行われている国際コンテストであり、1990年以降毎年開催されています。

第28回となる今年のテーマは「巨大な自然災害が発生し、甚大な災害が起こる懸念が続いている。災害を未然に防ぎ、速やかに復旧復興することが必要である。国連が果たす役割はあるか。何が出来るか。」でした。

今回は、48本の応募論文から3本が選ばれました。最優秀賞は、ICU(国際基督教大学)大学院生マーク・フラニガン氏が、佳作は、防衛事務官 佐藤 智美 氏と慶応義塾大学生 澤田 寛人 氏が受賞しました。

佐藤事務官の論文は、「大規模災害において国際連合は真に必要な支援を提供できるのか?阪神・淡路大震災と東日本大震災を事例とした国際搜索救助チームと災害搜索犬の有効性に関する観点から」(佐藤栄作財団のHPhttp://unu.edu/esmf/Ronbun-J.html)に掲載予定)です。

今回の受賞は、仄聞する限り防衛省職員、総合安全保障研究科修了生としては、初の快挙と思われます。なお、同氏は、国際安全保障学会懸賞論文にも本年度採択されており、その意味で質の高い論文として評価されたものと思われます。また10月7日に九州大学にて行われる日本政治学会研究大会においてカンボジアPKOについて論壇報告をされる予定で、更なる論文の評価が期待されます。

受賞式は、東京渋谷青山にある国連大学本部にて行われました。

 

【寄稿:防衛学教育学群統率・戦史教育室 准教授 平山 実】

 

 

 

 

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