防衛大学校の春の風物詩、カッター競技会が、去る4月25日(金)に伊勢町海岸沖において行われた。
カッター(Cutter)とは、艦船に積み込まれるボートで、12名の漕手が木製のオールで漕いで推力を得る長さ約9mの船である。
カッター競技会は、2学年時に行われるもので、おう盛な体力、気力及び団結心の強化を狙いとして各中隊の1クルー16名(艇指揮1名、艇長1名、漕手12名、予備員2名)により、2kmのコースを漕いで順位を争うタイムトライアル競技である。 この競技会のために2学年は4月の始めから約3週間にわたり、3・4学年の厳しい指導の中、練習に励んできた。
競技会には16個中隊から各1個クルーが参加、1レース4個クルーによる予選を4レースと敗者復活戦1レースを行い、それぞれの1位が決勝に進出。決勝は5個クルーで優勝を争う。
競技会は、西の風約7m、波約0.4mという、やや厳しい条件の下、実施された。1レース4個クルーによる予選を4レースと敗者復活戦1レースを実施し、それぞれの1位5クルーによる決勝戦で優勝が争われた。
午前中は予選が行われ、白熱した一進一退の戦いが繰り広げられ、それぞれ12クルー(1大隊)、33クルー(3大隊)、11クルー(1大隊)、13クルー(1大隊)が決勝進出を果たした。
また、各レース2位による敗者復活戦を制した34クルー(3大隊)が同じく決勝進出を果たした。
午後の決勝レースで激しい接戦が繰り広げられ、10秒の差で11クルーを抑えた33クルーが見事、優勝を果たした。
なお、本年度から予選及び決勝戦における各クルー得点の合計点を競う優勝大隊制度を設け、見事、1大隊が初代優勝大隊に輝いた。
白熱したレースを終え、互いの健闘を称え合う学生たちの表情には、厳しい訓練をやり遂げた達成感と、レースにおいて全力を尽くした充実感に満ち溢れ、カッターを通じて、防大生として一段と成長した姿を見せた。
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