研究室紹介
戦略教育室(防衛学教育学群)
  

     河木助教授(3等陸佐)の防衛学特論の教室にて 1 教育室の概要  戦略教育室は、防衛学教育学群に属し、防衛学の中心的な科目分野であ る戦略、作戦、軍事と科学技術を扱っている。また、選択科目としての戦 略論等及び要員別の防衛学特論を担当しており、自衛官教官16名と文官 教官2名の総勢18名で教育及び研究にあたっている。  各科目毎の狙い及び研究活動等は次のとおりである。 2 各科目毎の狙い 3学年の戦略教育は、主要な戦略論の概要及び戦略の基礎理論などを通 じて、戦略の概念及び戦略の基本的思考要領等を教育している。 また、戦略思想の変遷を系統的に努めて第1次及び第2次大戦やベトナ ム戦争、湾岸戦争等実例に基づき説明し、将来、戦略を考察するための柔 軟な思考力の養成を重視した教育を実施している。 3学年の作戦教育は、現代における陸上・海上・航空作戦及び連合・統 合作戦ならびに各作戦に共通する機能の概要を教育している。  4学年の作戦教育は、陸・海・空の要員別にそれぞれの陸上、海上、航 空作戦について、運用法等の概要等について理解させる教育を実施してい る。 3学年の軍事と科学技術の教育は、火薬の発明や航空機の登場によって これまでの戦略や戦術が全く変わってしまったこと等科学技術が軍事に及 ぼした影響、教訓事項を通じ、軍事と科学技術の相互関連性及びその重要 性を理解させる教育を実施している。 4学年の防衛学特論(要員別科目)は、陸・海・空の要員別に、少人数 のゼミナール形式で、戦略及び軍事技術などについて深く研究させ、国家 安全保障、防衛にかかわる諸問題の把握、分析、解決の手法の手がかりを 与えることを重視した教育を実施している。 3 研究活動等  当教育室は、主に戦略、作戦、及び軍事と科学技術等の分野において、 日夜研究に取り組んでいる。各教官の研究成果を発表する主たる場として は、部内外の参加、聴講を得て実施している防衛学教育学群研究発表会、 安全保障や防衛問題の基本問題について広く一般国民の認識を深めること を目的として、毎年東京で開催されている「防大教授による現代の安全保 障講座」及び防大の防衛学研究会の会誌「防衛学研究」への投稿がある。 学群内においても研究発表会や勉強会を行っている。 また、各教官は専門分野に応じて、戦略研究学会、軍事史学会及び国際 安全保障学会等で活動している。  さらに、毎年、防大主催の国際防衛学セミナーが、防衛学教育・研究の 充実発展及び参加国間の相互理解の促進を目的として、アジア太平洋諸国 の10数カ国の士官学校等から教官等の参加を得て開催されている。  今年は、7月に戦略に関するテーマで開催される計画であり、当教育室 が発表討議の大きな役割を担う予定である。         (文責:戦略教育室 助教授・2等空佐 前田 勇)