防大かわら版VOL.96

2018年07月12日

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◯掲示内容一覧
・入校所感(入校3か月):各大隊
・”アカシア会”紹介

入校所感(入校3か月)第1大隊

1学年 竹内 亮太 北海道札幌東高等学校(北海道出身)

入校から二ヶ月以上が経ち、これまでのことを振り返ると、改めて入校前後における環境の変化に驚いている。入校前に自堕落な生活を送っていた私にとって、防大での生活は非常に過酷なものだった。そして、その環境に少しずつではあるが適応し始めた自分にも驚いている。
 思い返せば、着校初日から自分は防大でやっていけるのか、毎日、ベットの中で考えていた。そんな私が二ヶ月もの間やってこられたのは、間違いなく周囲の人達のおかげだった。苦しさを打ち明けた同期、前向きに頑張れと応援してくれた部屋長、分からないことは何でも教えてくれた上対番(※)、常に親身になって相談に乗ってくれる指導官、他にも多くの人に支えられた。改めてこのことを考えてみて、私は、自衛隊は人の組織であると強く感じた。厳しい指導も優しい励ましもその本質は人を育てることにあり、すべては私たちの成長を願ってのことだった。この上級生の方々の思いを無駄にしないためにも、頂いた指導を謙虚に受け止め、日々精進していかなければならないと考える。このことに気づけたことが、入校してから私が最も成長できた所だと思う。
 私は、未だに自分が防大生として、将来幹部自衛官になる者としてふさわしいのかどうか自信が無いところがある。しかしそのような不安よりも、これから先、多くの険しく長い道のりを、かけがえのない仲間達とともに乗り越えていく楽しみを強く感じている。前期の残りの期間を自分に自信が持てるように全力で過ごし、お世話になった指導官、上級生、同期に感謝の気持ちを抱き、夏季休暇に実家に帰った際に今よりも大きく成長した姿を防大に入校するまでに本当にお世話になった両親に見せられるように精進していく。

(※)1学年一人ひとりにつき、防大生活の細部を指導する担当上級生

自習室にて(本人)

入校所感(入校3か月)第2大隊

1学年 牧 将輝 私立巣鴨高等学校(東京都出身)

4月5日、66期防衛大学校本科学生となることができた。
 防衛大学校での生活は、起床動作、点呼、課業整列、ヨット部の活動など今までの経験と異なることが多い。私は、うまくできずに大変なこともあるが、同時に新鮮かつ充実した日々を送っている。一方、入校してから早3か月が経ち、同期の中でも要領が良い者と習得に時間がかかる者との差が出てきている。私は習得に時間がかかるため、同期との差に不安を感じることがある。しかし、そんなとき同期から協力が支えとなっている。今はまだ同期に助けられてばかりだが、同期を助け互いに協力し合い、将来的に高いリーダーシップ及びフォロワーシップを発揮できる幹部自衛官になりたい。
 7月から夏季定期訓練が始まり、この期間に1学年は東京湾で8㎞遠泳を実施する。最初平泳ぎを全然泳げなかった私は、今では1,000mメートルまで泳げるようになった。まだまだ体力及び泳法の面で未熟なところがあるが、少しずつ確実に成長していることを実感しながら、防衛大学校での生活を頑張っていこうと思う。

学生舎にて(本人)

入校所感(入校3か月)第3大隊

1学年 丸尾 光平 神奈川県立海老名高等学校(神奈川県出身)

3月31日までごく普通の高校生であった私の生活は、4月1日に防衛大学校に着校して180度変わった。そこから入校式までの4日間は、掃除、点呼、行進、アイロンがけ等全てが初めての経験だったため、気が付けば毎日夜が来ているといった状況であった。当初、親元から離れて生活することに不安を感じていたが、防衛大学校の生活は厳しいものでそのようなことを考えている暇もなかった。そのような厳しい状況で生活して初めて、自分が今後の国防を担っていく一員であると実感した。そして4月5日に、入校の宣誓書に自分の名前を書き、私の防衛大学校生活がスタートした。
 それから2か月以上が経過し、色々なことを学んだ。その中でも同期の存在のありがたみを知り得たことは、私の中での一番の成果だ。私が失敗してしまい落ち込んでいるときに隣に来て、話を聞いてくれ、励ましてくれた同期のことはとても記憶に残っている。つらい時、悲しい時、そして嬉しい時、どんな時でも隣にいるのは同期の学生だった。これから夏季定期訓練が始まり、走水の海(東京湾)を8km泳ぐ。66期全員で完泳するために、切磋琢磨し、つらい時には支えあっていく。
 夏季休暇まで残りわずかであるが、66期全員で揃って、全力で駆け抜けていきたい。

アイロンがけを実施する様子(本人)

入校所感(入校3か月)第4大隊

1学年 土屋 祐航 静岡県立韮山高等学校(静岡県出身)

入校して早一か月半が経った。私が着校してまず感じたのは、学生舎内の雰囲気が着校前に想像していたよりも温かいということである。上対番の学生や部屋の上級生などが優しく接してくれた。そのおかげで、着校時に感じていた生活への不安を取り除くことができた。
 4月5日の入校式後は防大生としての規律正しい生活が待っていた。私は今まで実家でしか暮らしたことが無く、朝の起床や清掃、アイロンがけに敬礼動作など、毎日が戸惑いと驚きの連続であった。しかし忙しい毎日の中で自身の成長や同期の絆を感じることができた。同じ部屋の同期はそれぞれ出身地が異なり、方言も大きく異なるが、よい人たちばかりであると感じている。着校当初から毎日明るく語り合い、互いに確認しあい仕事を分担するなどして日々助け合いながら生活している。残りの前期二か月間を部屋の同期との絆を更に深めあい、お互いを高めていきたいと思う。校友会が本格的に始まり、日々の生活がさらに忙しくなると思うが、毎日がここでしか体験できない貴重な経験であり、自衛隊人生の中で最初で最後の最下級生としての役割を自覚して残りの十か月を過ごしていきたい。

校友会の空手部にて(中央が本人)

”アカシア会”紹介

4学年 佐々木 実穂 カリタス女子高等学校 (神奈川県出身)

防衛大学校アカシア会理事、佐々木実穂学生です。
アカシア会は、防衛大学校設立から3年後である1955年、「社交ダンスを通じて、正しい男女の交際、礼儀、社交性の場を与える」という目的で、槇初代学校長により設立されました。アカシア会は、サマー・クリスマスダンスパーティーの主催、卒業ダンスパーティーの支援により、その目的を達成するべく活動しています。6月にはサマーダンスパーティーを実施し、好評を頂くことができました。また、近年では、文化部等合同発表会や開校記念祭において発表する機会を頂いたり、競技会に挑戦したり、と日々活動の幅を広げています。
 さて、先に述べました目的は、大半の防大生が各ダンスパーティーを通じて達成することができます。では、「アカシア会に入ったからこそ得られたもの」とは何でしょうか。3年間の経験をもとに述べたいと思います。
 私は1学年の夏からアカシア会に入部し、卒業ダンスパーティーにおける他部の学生に対するデモンストレーションに初めて出演しました。その当時は足型を覚え、必死にそれをなぞっていくので精一杯でした。2学年に上がり、もっと綺麗に魅せたいという思いが強くなり、社交ダンスを追求し始め、競技の世界にも足を踏み入れて、そこで初めてリード&フォローを意識するようになりました。どちらも足型は決まっており、踊ろうと思えば1人で踊ることもできます。しかし、男性の動きに呼応して運動を始めたり、男性を下から支えたり、「1人」が「2人」で踊っているのではなく、「2人」が「1組」としてお互いに力を与えあって「1+1」以上の力を発揮していくことで、社交ダンスは優雅かつ雄大に、より綺麗に魅せることができる、ということを学びました。
 声を使うことなく相手に意思を伝えることは究極のコミュニケーションであり、発表前のハードな練習を乗り越えられるのはパートナーと共にあるから、1人ではないからです。そういった、パートナーとの絆や、切磋琢磨、励まし合い、試行錯誤、これらはアカシア会に入ったからこそ得られたものと言えます。
 ただ、文化部であるがゆえに練習時間が取りづらいこともあります。しかし、文化部であるからこそ純粋にダンスが好きで、また、アカシア会が好きで、このメンバー、空間が好きな部員が笑顔でホールに来てくれます。ホールで部員の楽しそうな笑顔を見ることが、理事として最高の楽しみです。「ダンスは楽しんでこそ」をモットーに、これからも明るく楽しく元気よく、部員一同、皆さまにダンスを楽しんで頂けるよう精進していきます。
 これからも防衛大学校アカシア会をどうぞよろしくお願い致します。

サマーダンスパーティーを主催したアカシア会の会員(前列左から3番目が本人)

サマーダンスパーティーの様子 No.2

サマーダンスパーティーの様子 No.4

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