防大かわら版VOL.91

2018年02月28日

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◯掲示内容一覧
・防大4年間の思い出と今後の抱負
・秋期定期訓練参加所感

防大4年間の思い出と今後の抱負

4学年 髙田 健太 私立山手学院高等学校(神奈川県出身)

防衛大学校に入校してからの4年間を振り返ってみると、今までの人生の中で最も色濃い期間であり、ここでの生活は私という人物を大きく変えてくれた。この変化の要因となったのは、これまで経験したことのない訓練や、学生舎での団体生活など様々であるが、その中でも最も印象深いのは防衛大学校で出会った数多くの仲間達の存在であった。父の母校ということもあり進学した防衛大学校で待ち受けていたのは、今までの生活とはかけ離れた環境であり、その中で私は夢を膨らませつつも日々の厳しい生活の中で大きな不安に悩まされていた。そんな時に私を一番勇気づけてくれたのは、同じ環境下で生活する同期達であった。各々が抱えている悩みを言い合い、励まし合う仲間がいたからこそ一人では乗り越えられなかった大きな壁を乗り越えることができ、その達成感が私にとっての自信へと変わっていった。
 この他にも、将来の相談に乗って下さった指導教官の方々、我々の成長の為に日々厳しく指導して下さった上級生の方々、我々の背中に信頼してついてきてくれた下級生など、関わったすべての方々との経験が私を大きく成長させてくれた。様々な貴重な経験をして、そして何よりも大切な仲間と巡り合わせてくれた防衛大学校に心から感謝している。
 私は、防衛大学校卒業後、新たな道となる海上自衛隊幹部候補生学校へと足を踏み入れる。しかし、私にとってのこの新たな道は、「国防」という崇高な使命を果たすためのスタート地点に過ぎない。今まで支えてきて下さった方々に立派に成長した姿を見せるために、そして何よりも国民の負託にこたえるためにも、強い使命感を胸に、これからの道を全力で突き進もうと思う。今は防衛大学校入校で感じた不安はない。なぜならば防大4年間を過ごして感じた「誇」そして多くの仲間との「絆」があるのだから。

後列中央が本人

4学年 藤次 祥陽 兵庫県立大学附属高等学校(兵庫県出身)

卒業を間近に控えたこの時期に4年間の総括を行える機会を得たので、私の4年間について少し書こうと思う。実のところ、私は防衛大学校に第一希望で進学した訳ではなかった。しかし、4年経った今、防衛大学校に入校して本当に良かったと心から思っている。それは多くの尊敬できる方々との出会いがあったからだ。
 私にとって防大における初めての出会いは、日常生活全般や防衛大学校学生としての心構え等について指導してくださった2学年(以後「上対番」という。)との出会いであった。上対番には、右も左も分からない私に対して優しく、時に厳しく防衛大学校学生としての基本を指導して頂き、本当に感謝している。
 また、1学年時の訓練担当指導教官には、厳しくも愛情に溢れた訓練の中で、幹部自衛官としての心構えを教えて頂いた。その他、経験豊富な指導教官の方々、私に理系の知識だけでなく論理的思考の大切さを教えて下さった学科教官の方々、尊敬できる上級生、時に友として時にライバルとして切磋琢磨し合った同期、一生懸命な下級生等、様々な人との出会いにより、貴重な経験を得ることが出来た。それらの経験は私の人生における財産であり、これから歩む航空自衛隊の幹部自衛官としての礎になると感じている。
 この4年間で私を支え、導いてくださった方々へ少しでも恩返しできるよう、これからも国防の最先端に立つ自衛隊の中で修練の日々を送っていきたいと思う。本当にありがとうございました。

校友会活動(應援團リーダー部)
前列右から4番目が本人

4学年 丸山 健太 群馬県立中央中等教育学校(群馬県出身)

4年前のいま、私は防衛大学校に行くことが決まり、未知なる世界への期待と不安を胸に抱いていた。春になり嵐のように始まった防衛大学校生活も、いつ過ぎ去ったのかもわからないほど早く終わりを迎えようとしている。入校前の防衛大学校に対するイメージは、いつしか目指すべき理想と形を変え、教え導く指針に変わり、最後は自分自身の誇りとなった。今では、念願であった海外派遣や長期勤務学生の経験を通してここまで自分を成長させてくれた防衛大学校に来て本当に良かったと思っている。
 私が得たものは誇りだけではない。冷たい雨の日も、うだるような暑さの夏も、凍える冬も一緒に訓練を乗り越えた同期や、テスト前に協力して教え合った学科の同期、毎日の筋トレや練習で切磋琢磨した校友会の同期、先輩、後輩。どんな日も同じ学生舎で過ごし、時に厳しくも愛のある指導で、また時にはその背中で我々を導いてくださった上級生。下級生指導に悩み、夜を明かして語り合った同期。失敗して怒られても、決して諦めず、一生懸命に食らいついてきた下級生。この4年間で数え切れないほどの人に出会い、その出会った人たちこそが私が防衛大学校で得たものであり、かけがえのない宝物だ。
 想像を絶する素晴らしい経験と、何物にも替えられない宝物を授けてくれた防衛大学校とその歴史を作り上げてきた先代の方々に敬意を表し、今度はどんな経験が待っているのかと胸を躍らせ、次の舞台へと進みたい。

米国空軍士官学校にて:中央が本人

4学年 和田 拓龍 私立桐蔭学園高校(神奈川県出身)

防衛大学校卒業を目前に控え、本当に多くの人々に助けて頂いたことが強く印象に残る。
 入校当初、対番(入校したばかりの、1学年一人一人につき日常生活の教育を担当する上級生(主として2学年))が、カッター競技会において2学年のリーダーを実施しており、心身ともに疲れ果てていたにも関わらず、粘り強く私の教育、心情把握、メンタルケア等を行って下さったことや、3学年での断郊競技会の際、苛酷なレースの中、分隊長である私の拙い指揮に分隊員が黙ってついてきてくれたことなど、私は数えきれないほど多くの人に助けられた。
 自らが困難な状況にいる時、他人を助けることは決して容易なことではない。しかし、私は多くの人々に助けてもらった。私が防衛大学校の4年間の生活をやり抜くことが出来たのも仲間の助けがあったからだ。その恩に少しでも報いるため、今後は私が人を助けるために行動していきたい。そのため、より一層の精進を重ねて、国民を支える陸上自衛官に成長していきたい。

対番との写真:中央が本人

秋期定期訓練参加所感

1学年 佐藤 大輔 東京都立駒場高等学校(東京都出身)

当初、昨年10月下旬に北富士演習場にて行われるはずであった秋季定期訓練は、諸事情により延期になり、本年1月30日からの4日間、臨時定期訓練として校内で実施された。今回の訓練は1学年最後の定期訓練で15km徒歩行進、野営、地図判読等の訓練を行う中で様々なことを学んだが、特に印象に残る2つのことについて述べたいと思う。
 1つ目は、どんな状況であっても班長、分隊長の指揮下に入るということの重要性である。15km徒歩行進の後、そのまま野営基礎の訓練に移行し、天幕や炊事の準備に入った。皆、徒歩行進の疲労で自分のことだけで周りがあまり見えていなかったため、資材運搬及び作業割り当てなどに多くの時間がかかった。皆もフォロワーシップが大切であることは自覚しているはずだが、いざとなるとなかなか実行できないことを思い知らされた。
 2つ目は計画作成の難しさと実行に伴う苦労である。今回、私は訓練担当指導教官から訓練係として隊容検査(所持品検査)を計画・実施せよとの命を受け、初めてであったが私なりに工夫しなんとか計画を提出し実施した。自ら計画するとその訓練の意図、重要事項及び留意点なども考えさせられ、更に深く理解することができた。同時に普段の訓練を担当している訓練担当指導教官の苦労を感じることができた。
 将来幹部自衛官になり部下を持てば、自らが訓練を計画・実施し、教育していくことになる。その第1歩としてこのような経験ができて非常に充実した定期訓練になったと思う。

      3列目右から3番目が本人

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