防大かわら版VOL.77

2016年12月15日

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関東学生対抗軽自動車6時間耐久レースを振り返って

3学年 西田 卓真  鹿児島県立鶴丸高校卒(鹿児島県出身)

私達自動車同好会は、10月10日(月)に長野県長野市スポーツランド信州で行われた第20回関東学生対抗軽自動車6時間耐久レース・一般学生の部で147周し優勝しました。ルールは1周1.8㎞のクローズドコースを6時間の間に最も多く回ったチームの優勝というものです。昨年、私は初めてこのレースにBチームのドライバー兼メカニックとして参加しましたが、Aチーム・Bチームともにマシントラブルを起こしてAチームはリタイア、Bチームは復活させるも規定周回数に届くことなく、両車ともに完走扱いにならず、整備の重要性を学びました。今年度は部員の募集を地道に行った結果、部員数は2倍以上になり、また、文化部であるため運動部の兼ね合いからこれまでは休日にしか行うことの出来なかった整備を平日の昼食後から午後の授業開始までのわずかな時間を利用して行い、整備にかける時間もマンパワーも大幅に上昇させました。その結果、レース中は大きなトラブルも発生しませんでした。本番では1番・最終ドライバーとして約1時間ずつ走行し、また、運転しない時間はメカニックや、走行中のドライバーにパドックから指示を送りました。残り30分の段階で首位争いをしていた慶應義塾大学と5周ほどデッド・ヒートを続けた末、ようやく抜き去ることができました。チェッカーフラッグを受けたときはただひたすらうれしかったです。来年は今年以上に整備を用意周到に行い、連覇を目指します。

              チェッカーフラッグを受けるシーン

東日本カッター競技大会を終えて

3学年 石田 晃大  愛知県立新川高校卒(愛知県出身)

カッター競技とは、12人の漕ぎ手と艇指揮、艇長の計14人で行い、12人の漕ぎ手が左右に並び4メートル余りのオールで水をかき、スタート・ラインから回頭地点までの1000mの距離を往復しタイムを競う競技で日本海軍伝統のスポーツであり、これほど熱くなるスポーツは他にはありません。我々短艇委員会は、11月12日(土)静岡県立三ヶ日青年の家で行われた第56回東日本カッター競技大会で11分28秒58というタイムで優勝し、2連覇を達成しました。短艇委員会部員は、昨年の全日本のような悔しい思いはしたくない、絶対に負けたくない、その一心で全てをカッターに捧げ、死ぬ気で漕ぎ、同期と意見をぶつけ合い、苦しさにも負けず日々精進し、最後に栄光を手にしました。昨年私は、この大会に出場し優勝しました。日々の練習は想像を遥かに超えるほど厳しく、辛いものでありましたが、決勝は、緊張や苦しさよりも自信や楽しさの方が上回り、優勝した瞬間、今までに味わったことのない感動で胸が熱くなり、短艇委員会に入部して良かったと感じました。今は、短艇委員会に所属していることを誇りに思います。来年は、全日本優勝と東日本3連覇に向け、短艇委員会部員一丸となって練習に励んでいきます。

                               優勝し、櫂立て

「ラグビー部紹介」

4学年 野崎 洋史 愛知県立千種高校(愛知県出身)

防衛大学校ラグビー部は、部員数約130人と防大一の部員数を誇る校友会です。現在、関東大学ラグビーリーグの3部に所属しており、昨年度に引き続き今年度も2部昇格を目標に掲げ、新監督の千葉剛監督指導のもと日々厳しい練習を行っております。練習では常に一人ひとりが高い意識を持ち練習しており、グラウンド内では上下関係なく切磋琢磨しています。ラグビーは体の大きさも重要です。しかし、他の大学に比べ食事に制限が多く、定期訓練等で体を大きくしづらい環境にあります。そこで我々ラグビー部は部外から栄養士を招き、体を大きくするための栄養学を取り入れ、月1回のウエイトトレーナーによる指導のもと、週に3回以上ウエイトトレーニングを実施しております。サポートの面では、顧問の人数の多さや、沢山のOBの方々の支援が得られるのもラグビー部ならではだと思います。日頃からの支援や試合の応援、OB戦の実施等、様々な面でご支援をいただいております。ラグビーはコンタクトによる痛みが伴う競技です。仲間のため、チームのために身体を張り続ける必要があります。このスポーツを通じて責任感、献身、団結心といった素養が養われたと思います。将来、幹部自衛官となる私達にとって素晴らしい経験ができたと感じています。最後に、今年度61期を中心とした弊部は創部以来初となる3部全勝優勝を成し遂げました。ここまで戦い抜くことができたのは、皆様の支援があってからこそ為し得たものだと考えます。今後とも防衛大学校ラグビー部へのより一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い致します。

                           試合の様子

開校記念祭棒倒し競技会を終えて

4学年 赤峰 伸治 兵庫県立夢野台高等学校(兵庫県出身)

はじめまして、第1大隊棒倒し責任者の赤峰学生です。今年度の第1大隊の方針は「総力戦」でした。棒倒し競技会に参加する学生だけでなく、他大隊の情報を集めて分析をする情報局の学生や、ポスター等を作成する後方支援局の学生など第1大隊の学生全員に対して棒倒し競技会に関わってもらいました。結果は準優勝。満足のできる結果ではありませんがその過程は決して間違ったものではなかったと考えています。我々1大隊の棒倒し競技会は昨年度に優勝した瞬間から始動しました。連覇という言葉が原動力にもなり重圧にもなりました。年間を通してミーティングを行い棒倒しスタッフとは本当に家族のような関係になりました。冗長なミーティングを否定する意見もありますが、他人との信頼関係を築くにあたってはあの時間は決して無駄ではなかったと感じています。頼りない棒倒し総長であった自分を支えてくれた第1大隊全員に感謝したいです。前述した通り、今年度の結果は準優勝でした。棒倒しスタッフでこの結果に満足している者はいません。改善点は多くありました。我々の反省を確実に62期に申し送り、必ず優勝を奪還してもらいたいと考えています。応援ありがとうございました。


                          1大隊集合写真

4学年 上田 智久 私立履正社高等学校(兵庫県出身)

「総員で勝ち取った優勝」2年前のカッター競技会終了後、私が2学年の時に希望者を募って61期棒倒しスタッフを結成しました。約2年半、4学年時の棒倒し競技会で優勝することを目標に、40人もの学生が組織運営、作戦立案に携わってきました。私は、その責任者として、運営全般を統括しました。第2大隊は8年前に4連覇を成し遂げ、古豪と呼ばれていました。近年は、優勝こそないものの3年連続準優勝。あと一歩のところで涙を呑んできました。第2大隊に足りない“あと一歩”は何なのかを探し出す2年半でした。教育方法、訓練方法は一新、また新たな試みとして、棒倒し競技会本番に参加できなかった学生による応援団も結成しました。第2大隊全学生が棒倒し競技会優勝を目標に、一丸となって本番に挑みました。結果は、優勝。予選、決勝ともに1分以内に勝敗を決める快勝でした。2年半の活動がようやく実を結んだのです。競技会を終えて、私が学んだことは「運・縁・恩」の重要性です。優勝できたのは、第2大隊全学生が一丸となって努力したのはもちろんですが、試合相手の組み合わせや他大隊の作戦予想等があたっていたことも勝因のひとつであり、「運」が良かったことも重要であったと言えます。また、2大隊のスタッフや選手、支援して頂いた指導官、多くのことを教えてくださった先輩方と出会えた「縁」があったからこそ優勝できたと思います。そして、これまで私が責任者としてやってこられたのも、周りに多くの仲間たち、良きライバルがいたからこそであり、これらに感謝をして「恩」を忘れず、今後の生活の糧としていきたいと思います。今後は、「総員で勝ち取った優勝」を一生の宝とし、「運・縁・恩」の大切さを忘れずに、残りの防衛大学校生活及び幹部自衛官としての道を邁進していく所存です。

             表彰式後 最前列右から4番目が本人

4学年 佐伯 拓磨 宮崎県立宮崎大宮高等学校(宮崎県出身)

第3大隊棒倒し総長の佐伯(さえき)学生です。今年の第3大隊の棒倒しは「王座奪還」をスローガンに掲げて日々の訓練に励みました。今年の第3大隊の棒倒しは訓練に参加するものだけでなく、支援してくれる学生、棒倒しに参加することができない学生をまとめることに力を注ぎました。なぜなら大隊総員のモチベーションが棒倒し競技会の結果に大きく関わってくるからです。棒倒しの運営は上手くいかずに悩んだり、夜中遅くまでミーティングを行ったり、時には棒倒しスタッフ内で衝突することがあったり、決して平坦な道のりではなく大変ではありましたが、その中で3大隊の「総長」としてリーダーシップを発揮することや各関係各所と調整して円滑に訓練を進めていくこと、また「仲間」との信頼関係や団結がいかに大切かということなど、今までの人生で学べなかったことを多く得ることができました。そして何よりも、いつも支えてくれた同期、最後までついてきてくれた後輩たちと優勝を目指して「切磋拓磨」し、訓練に励んだことは二度と味わうことができない最高の思い出となりました。結果は予選敗退でしたが、第3大隊で「総長」をしたことを誇りに思います。来年度は62期総長の佐々木学生を核心として、来年こそ「王座奪還」を成し遂げることを期待しております。

開校記念祭ポスター(本人)

4学年 吉田 智之 福岡県立筑紫丘高等学校(福岡県出身)

世間的にも注目を受けている棒倒し競技会では気力、体力、知力はもちろんのこと本番までの訓練過程で多くのことを学ぶことが出来ました。今回はその中でも特に感じた仲間力に焦点を絞って話をしたいと思います。私が責任者を務めたのは4つの大隊の中で唯一11年間優勝無し、オレンジ色の第4大隊です。もちろん初戦でさえもここ数年は突破していない弱小チームです。弱者が強者に勝つのはもちろん簡単なことではなく相当な努力が必要です。そこで私は「完全勝利・完全優勝」すなわち全てにおいて相手を圧倒することで勝利してその先の優勝を掴み取るといったことを棒倒し訓練参加者全員のテーマとして訓練に臨みました。もちろん最初は上手くいくわけもなく迷う日々も多々ありました。そんな中私を支えてくれている各リーダーが先ほどのテーマを理解し、そのためには自分がどのように動けばよいのか積極的に実践してくれるおかげで次第に強靭な組織が出来上がりその考えは訓練参加者全体にまで浸透していました。ここで目指していた仲間力は完成し私たちはこれを大きな武器として闘うことが出来るという確信を得ました。しかし、結果は第1大隊に敗れ初戦敗退という形になりました。試合会場を後にする我々は試合に負けた悔しさは残るもののこれだけ全員で1つのテーマに向かって闘ったという達成感に満ち溢れていました。良き組織は指揮官が優れているから成り立つのではなく指揮下で動いてくれる多くのリーダーの努力があってこそ成立するのだと感じました。今後の自衛官生活では様々な場面において組織で動くことが多くなると思います。今回の経験をしっかり活かせるよう精進していこうと思います。

                 訓練時の様子(本人)

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