防大かわら版vol157

2024年03月28日

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◯掲示内容一覧
 ・1年間を振り返って
 ・ICCに参加して


1年間を振り返って

八鍬 学生

今年度は最高学年として、行事への参加や取り組みにおいて楽しいことだけではなく、苦しいこと、悩んだことが沢山あり、何度も壁に当たりました。しかし、そこには共に考え支えてくれた同期及び下級生の存在がとても大きく、 防衛大学校の良さは、集団生活を通して、最高の同期及び下級生に出会えることでした。そして、この1年で、より人の支えの大切さを感じました。
 前期は大隊隊歌責任者を務め、初めて競技会の長としていかに大隊を優勝に導くかを考える機会を得ました。「全学生が主役」をモットーに、下級生の意見を取り入れた練成ができる環境、特に下級生が自主性を持って楽しむ雰囲気を作り、意見の吸い上げがいかに大切かを経験できました。
 中期は校友会のラグビー部のマネージメント担当として、最後のシーズンを迎えました。チームスポーツは学年の壁を越えて、一致団結できるチームが強く、その組織を作るため日々同期の4学年で試行錯誤しました。考え方や目標が違う等、人が多ければ、同じ方向に向かわせることに難しさを感じましたが、少しずつ同じ方向に向かうため仲間と正直に話し、思いをぶつけ合うことで、一致団結したチームとなりました。
 後期は、第1大隊学生長として、この前・中期で学んだ経験を活かし勤務しました。親が子を叱るような、厳しい中にも愛の溢れた関係性を大隊でも作りたいと思い、「家族」を運営方針としました。全学生に寄り添い意見を吸い上げ、時には叱り、褒め、1大隊員500人の父となり、1大隊を引っ張ることができたと感じます。
 防衛大学校での学生舎生活を通して、集団生活の意義を学ぶことができました。 この 1年、私はいつも一人ではなく必ず常に支えてくれた仲間が傍におり、仲間の存在なしでは各種任務を成し遂げることはできなかったと思います。そのような素晴らしい仲間に「1年 間ありがとう!」と伝えたいです。
 最後に、このかわら版を通して、素晴らしい経験をできた防衛大学校に、そして特に、1大隊の「家族」にとても感謝しています。この感謝を胸に、今後は幹部自衛官として貢献し、恩返ししていくことを誓います。

~胸を張れ 全てを制す ここは2大隊だ~

山口 学生

これは今年度、2大隊の年間運営方針である。この1年間、私は2大隊の仲間達と常に考え続け、勝つためにはどうするか、誇りを持つにはどうするか、我々のあるべき姿とは何か、など内容を挙げ切ることはできない。その最終目的は、2大隊員としての誇りと、防大生としての矜持を醸成させることだった。今、1年間を振り返ってみると、競技会の取り組みから日常起居にかけて、どこにも手を抜かない学生隊の模範たる大隊であったと確信している。時には、意見が割れることや、道を外れそうになることもあったが、これらの困難を乗り越えたからこその、2大隊の今があると思う。ただし、今年度の成功体験の中にも、来年度の失敗の要素も含んでいる。後輩達には、伝統を継承しつつも自分たちに適した大隊にして欲しいと思う。
最後に、自分の時間や労力を大隊のために一生懸命尽くしてくれた2大隊員には頭が上がらない。本当にありがとう。

「2大隊の4学年へ」
 この期別で、この大隊で、この仲間達と濃密な時間を共有できて本当に良かった。我々が積み上げてきたものは間違いない。胸を張って、自身の道を進んで行こう。

柳 学生

4学年となり、昨年までのコロナ禍は徐々に落ち着きを見せ、4月にはコロナ禍以前の生活に戻ったと言えるようになりました。様々な制限から解放され、昨年度の先輩方が、達成できなかったことを今年度は実現させようと前期、中期の大隊学生長と共に様々な施策を考え、「3大隊で良かったと思える1年」を運営方針として掲げ、学生間の繋がりや学生の意識の向上を目指し、スタートを切ったことを今でもよく覚えています。
 年間を通して朝礼やレクリエーションで帰属意識を醸成し、学生間の関係にこれまで以上に厚みを持たせることができました。また、上級生はパワーハラスメントなどの防止を常に念頭において行動できていたこともこの成果に寄与しているでしょう。特に今の1学年は私達が1学年の頃に比べ本当に生き生きしている印象を受けます。これらの監督を実施してくれた長期勤務学生や4学年の皆には感謝を伝えたいと思います。
一方で本年度は競技会等で奮った成績を収めることができませんでした。3大隊の特性は、一度全員が同じ方向を向けば、とてつもない力を発揮します。同じ方向へ向かせることが大切です。本年度はこの大隊員全員の認識統一の難しさと向き合い続ける1年間でした。コロナ禍から明けた初めての年で、学生の個人志向が色濃くなった中で、長期勤務学生や競技会責任者は大変な苦労を重ねたことでしょう。69期の学生にはこの経験を踏襲し、良い意味での「お祭り大隊!」3大隊をもう一度実現させてほしいと切に願っています。
最後にはなりますが、私は後期の大隊学生長をはじめ様々な責任ある役職を任せていただき、大いに有意義な1年でありました。それを支えて下さった指導教官の方々や同期、下級生の皆への多大な感謝を述べ、結びとさせていただきます。

村松 学生

私にとってこの1年間は想像していた以上に早く過ぎ去り、想像以上に厳しいものでした。
 まず、4学年という立場の責任の重さや指揮の難しさです。特に象に残っているのは大隊綱領委員長の勤務です。学生舎生活に内在する諸問題に対して学生がどれだけ改善できているのかを把握し指導していくのですが、簡単に改善の意志の見られない学生も一定数います。そういった学生にどうしたら改善できるかを色々な方法でアプローチし、動かしていくことに難しさを感じました。
 次に、自らが主体的に考えて行動することの大変さです。学生舎生活や競技会、卒業研究において実感しましたが、その中でも卒業研究は大変でしたが、これまでの受動的な授業とは違い、実験や解析の要領を自分で定め、計画性を持って1年間進められたことで自主的に考え行動する力が養えました。
 この4学年の1年間は厳しいものでしたが、情熱を持って色々なことに挑戦できたのは、同期や下級生、周りの指導教官など様々な人達の支えがあったお陰です。この恩を忘れずに、任官後は私がより多くの人を支えていける幹部自衛官になれるよう精進していきます

ICCに参加して

佐藤 学生

今年度の国際士官候補生会議(International Cadets Conference通称ICC )は、4年間のコロナ禍を経て、久々に各国の士官候補生及び士官を招聘し対面での開催となりました。参加国はオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、韓国、英国、米国の9カ国で、計16名の海外参加者を招聘しました。従来のICC運営のノウハウや知識を持っている方がほとんどおらず、過去の資料を参照しながら、ほぼゼロからのスタートだったため、不安な思いを抱えながら学生実行委員長として運営を始めたことを覚えています。また今年度は、聴講学生の理解や意欲促進のため、英語字幕の導入やMicrosoft Forms を用いた質問の収集など、新しい試みにも挑戦しました。従来のICCには無かったシステムを、どのように討議やプログラムに導入するのかについて、企画段階で非常に悩みました。
 多くの同期や下級生、指導官、職員の方々からのご支援やご協力のおかげで準備は着々と進み、先日無事に第27回ICCを終えることができました。ICCに関わってくださった方々には、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
国際情勢が激しく移り変わる現代において、国家間の連携の重要性はますます高まりつつあります。このICCで結ばれた参加者同士の絆が、将来の国際安全保障に少しでも良い影響を与えることができたならば、学生実行委員長としてこれ以上の喜びはありません。
 今回のICCの経験が、次回の成功に繋がることを期待しています。

防大かわら版