防大かわら版vol155

2024年02月13日

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◯掲示内容一覧
 ・中期を振り返って
 ・冬季定期訓練に参加して
 ・入校へのアドバイス
 ・後期学生隊学生長抱負
 ・学生シンポジュウムを終えて
 ・長期留学生所感 
 



中期を振り返って

齋藤 学生

私は、中期に1大隊学生長を務めました。運営方針として「奮起心」を掲げ、勤務しました。全学生が長い中期を全力で成長すべく自分を奮い立たせる、そして、学年・中隊関係なく心をもって関わり合う大隊を目指しました。この運営方針を達成するために競技会と学生舎運営の両立に焦点をあてました。学生舎運営では特に、夏季休暇明けより、さらに授業に集中するために課業中でも授業のない時間を利用しての仮眠が許可されたことで学生自らの日々の目標設定の重要性が高まりました。このような生活の変化にも各中隊学生長をはじめとする役員にあたる学生が中心となり充実を図る環境を整えることで大きな混乱もなく学生舎運営ができたと思います。
 また、中期は年間を通じて最も競技会の多い学期です。今年は新型コロナウイルスの規制解除により4年ぶりの開校記念祭の一般開放も行われ、大隊としての行事も昨年度よりはるかに盛り上がりました。日頃学生舎では関わることが難しい他中隊の学生とも競技会や行事等を通じて密接に関わることで学年を超えた繋がりを持てました。ただ、競技会の優勝にはあと一歩届かなかったのは残念ですが私は残りの学生期間も引き続き奮起心を持ち続けていきたいと思います。
 私自身、この中期は大隊学生長勤務の傍ら校友会のシーズンや競技会責任者等の掛け持ちで手の回らない部分があったことを反省しています。しかし、未熟で至らない部分を役員の学生や1大隊の学生がサポートしてくれたおかげでやり切れました。ありがとう1大隊、これからも奮起心を忘れずに駆け抜けます。

伊東 学生

1年を通して最も長い学期で、大隊を最も勢いづけることができる中期に、第2大隊の大隊学生長として、大隊のために勤務できたことを大変嬉しく思います。
 我々第2大隊は、年度はじめに「胸を張れ。全てを制す。ここは2大隊だ。」をスローガンに掲げ、1日1日を大切に、まわりのため、そして第2大隊のために歩んできました。現状に満足せず、大隊員が自分らしく、周りにたくさんの良い影響をもたらしたことで、規律正しく、組織として団結した良い集団になることができたと強く実感しています。
 組織としての成長を続けている中ではありますが、棒倒し競技会優勝、演劇祭優勝、水泳競技会優勝等々、各種競技会においてもこれ以上ない成果をあげることができ、これらは、大きなターニングポイントとして第2大隊を勢いづけました。
 我々はこれからも、さらなる成長を追い求めて精進します。2大隊!ソイヤ!

吉田 学生

中期に第3大隊学生長を務めました、吉田学生です。
 我々3大隊は、令和5年度の年度達成目標を「3大隊でよかったと思える1年」と定め、今期においては「仲間意識の醸成」を目標に学生舎の運営に取り組んできました。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んでいた昨年までの大隊の雰囲気を一新し、コロナ禍明けで復活した競技会、行事等に大隊一丸となって取り組めるような、新しい運営体制を目標に勤務しました。
 勤務中の4ヶ月間は多くの行事や競技会があり、3大隊員の団結を様々な場面で見ることができました。特に開校祭では、組織運営や棒倒し等の競技会において、4学年を中心とした運営とそれを支える下級生のフォロワーシップがあり、3大隊の底力を感じました。
 このように、各種競技会や開校祭等の行事を活用することで、学年の垣根を超えた団結力を高めることができ、大隊内の各学生間における信頼関係と仲間意識を醸成することができました。
 私自身も学生長勤務を通して、学生舎の運営に携わることで様々な学びを得ることができました。卒業も間近に迫る中、来たる3月の任官に向けて、これらの良い経験を活かせるようにこれからも日々精進していきます。

尾本 学生

私は4大隊学生長として、「4大隊をみんなのヒノキ舞台に」をスローガンとして掲げ、学科・教育訓練・学生舎生活・校友会活動及び競技会等に全学生が尽力することを目標としました。様々な背景、能力、性格の学生が在籍する多種多様な4大隊には、無限の可能性が存在したので、私はそれぞれがやるべきことはやりつつ自分の色で輝くことを要望し、大隊本部はその環境作りを徹底する運営方針を取りました。その一環として、4大隊では風通しの良さを武器に良い所を大々的に目立たせ、直すべき所は勤務学生を中心に改善しました。長期勤務学生、週番学生、競技会責任者等を含め全ての学生が努力をしていた姿が記憶に残ります。
 また、個人的にも壁にぶつかり困った際には常に支えてくれる同期が周りにおり、改めて仲間の大切さに気付きました。特に各中隊学生長及び大隊本部員には感謝しきれない気持ちで一杯です。また後輩には同期を大切にし、同じく幹部自衛官になる存在として常に努力を続けて欲しいと思います。防衛大学校には、長期勤務学生だけではなく、週番学生、競技会、イベント等指揮をする機会は沢山あります。この貴重な機会を逃さず、共に国防を担う仲間として後期も努力していきましょう。

冬季定期訓練参加所感

本多 学生

私たち3学年航空要員は11月末から12月の上旬にかけて5日間の日程で冬季定期訓練に参加しました。今回の訓練では、太平洋戦争における激戦地硫黄島での日米の戦いに関する学習と、基本教練や滑空機整備における指揮官動作の演練が主な内容でした。
 硫黄島での戦いに関する研修では、当初予定されていた現地研修は火山活動により中止となったものの、校内での学習を通して過酷な戦場で国防に殉じた先人たちの透徹した使命感と愛国心を感じることができました。さらに、戦場において部下を指揮し、圧倒的な兵力差にも関わらず長期の持久戦を可能にした栗林中将をはじめとした将校らの優れた統率は将来幹部自衛官となる私たちが目指すべき姿を示していると思います。
 各種の指揮官動作の演練では、計画の策定段階から実施に至るまで、いかに指揮官として部下隊員に自らの命令の意図を正確に伝えるかを考え訓練に臨んみましたが、至らないところも多く指揮の難しさと指揮官としての責任の重さを痛感しました。
 1、2学年時の訓練は自衛隊員としての基本を身につけるための基礎的なものであったのに対し、今回の定期訓練は将来幹部自衛官になり部下を指揮する者としてより実践的なものでした。かつて国を想い戦った先人の姿に触れ、指揮官として現場に立つ難しさと責任の重さを認識した今、私は改めて将来幹部自衛官として果たすべき役割に責任と誇りを感じています。
 「先人たちが守り抜いてきた日本を次の世代に繋ぐ」その一心で、国防の現場に立ち自己の研鑽に励んでいく所存です。

二見 学生

私は、冬季定期訓練において、校内での訓練と硫黄島近海の火山活動の影響によって実施できなくなった硫黄島研修の代わりとなる課題作成および発展の大きく2つの訓練等を行いました。
 校内での訓練では、地上戦闘訓練や射撃といった陸上要員として必要な能力を向上させる訓練だけでなく、指揮活動を通して幹部自衛官になるための素養を向上させる訓練も実施しました。
 また、第二次世界大戦の硫黄島における戦いに関する課題研究は、事前課題では人物研究、本課題では地域研究をしました。硫黄島に行けなくなってしまったことは残念でしたが、課題研究を通して硫黄島の戦いにかかわる教養を深めることができたと感じました。実際に研修に行った人の話でしか硫黄島を知ることができていませんが、もしこの先、硫黄島に行くことのできる機会があれば、深めた教養を現地で実感したいと思います。
 冬季定期訓練では、幹部自衛官になるための資とするもの、特に「使命感」について深く考えることができました。先人たちの経験や教えをこれからに活かしていけるように、今後の訓練に精進していきます。

奥野 学生

当初、東京都小笠原村に所在する硫黄島における実地研修を予定していた第69期本科学生の冬季定期訓練は、10月より断続的に発生している火山活動により研修を中止せざるを得なくなり、少々幸先の悪いスタートとなってしまいました。しかしながら、そういった状況にも左右されず、限られた訓練を意欲的に取り組もうとする海上要員の同期学生の影響もあり、非常に有意義な冬季定期訓練を実施できたと感じています。本日は、その限られた訓練の中でもNAT訓練と第2術科学校研修の2点をお話し致します。
 NAT訓練とはNAvigation Trainer(航海術科訓練装置)の略称であり、その名の通り、艦艇の運用に必要な航海術の技量向上のために行う訓練です。多くの訓練指導教官の御指導の下、狭い浦賀水道を当直士官や副直士官をはじめとした学生のチームワークで何とか通過することができ、今後に活かすことのできる訓練になったと実感しております。
 また、横須賀市に所在する第2術科学校における研修では、艦艇を動かすためにはなくてはならない機関について学びました。ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンの違いや発電機の操作の方法、第2術科学校の歴史等、実際に実機や貴重な資料に触れ学ぶことで、座学では学べない経験を得ることができたと感じております。
 硫黄島での研修については叶いませんでしたが、どの学生も目を輝かせ、実習に励んでいたように思えます。立派な海上幹部自衛官となるため、今後も同期学生と切磋琢磨しながら、知識を涵養し、日本国を守るため、訓練に励んで参ります。

入校へのアドバイス

赤羽根 学生

防衛大学校に入校してから1年が経とうとしています。今でこそ学生舎生活に余裕ができて様々なことを自身で考えられていますが、入校当初はそのような余裕はありませんでした。上対番(1対1で世話をしてくれる上級生)から教えていただいた1学年の仕事や、初めて学ぶことが多い訓練や学生の本分である勉強など、やらなければならないことに追われて忙しい日々を過ごしていました。しかしその上で学べたことはとても多く、この経験で防大生としての自覚を養うことができました。
 入校する前は、様々な不安も多くあり自身も散々悩んだ記憶があります。寮生活であるため人間関係は上手く築いていけるだろうか、体力が無いのに訓練にはついていけるだろうかなど、これから入校してくる誰しもが少なからず不安を持っていると思います。しかし、防大生活を送る上で出会う辛いことや楽しいことは、同期と過ごせば全て良い思い出になります。同期とであれば辛いことも耐えられ、それを乗り越えられたという経験は、これから任官し、自衛隊で働いていく上で重要になると感じています。特にそのように思った体験は秋季定期訓練での16km歩いて移動する行軍です。初め、16kmなど歩き切ることなどできないと思っていましたが、余裕のある人が荷物を持ってあげたり、辛そうにしている人に声援を送ってあげたりと自分も辛い中でも同期のことを思いやって協力しながら、最終的に誰も脱落することなく歩き切ることができました。
 これから入校するにあたって不安はあると思いますが周りの人に相談するなど不安を解消して頑張って欲しいです。

西山 学生

防衛大学校に合格なさったこと、心よりお祝い申し上げます。本校への入学準備を進めては、初めての集団生活、初めての離郷に不安を抱く時期なのではないでしょうか。
入校してすぐは時間に追われ、生活に慣れていくことで精一杯でした。防衛大学校で生活していて辛いと思うことも沢山ありましたが、様々な行事や、仲間と過ごす充実した日々は他の大学では得られないかけがえのないものです。
 最も私の心に残る行事は演劇祭です。沢山の人が携わって、全員で試行錯誤しながら一つの演劇を創り上げていく日々は何よりも特別でした。本番の緊張も、客席からの歓声も、忘れられない大切な思い出です。どの競技会にしても大隊を挙げて熱中できるものなので、ぜひ積極的に参加していただきたいです。
 防衛大学校は確かに自由が少なく規律を重んじるために息苦しさを感じることもあるかもしれませんが、上下級生の強いつながりやリーダーシップ、フォロワーシップなど、ここでしか得られないものがたくさんあります。防衛大学校をどう活用するか、どう将来につなげるかは入校動機や考え方によって異なるとは思いますが、この貴重な機会を楽しんでいただきたいです。皆さんと共に過ごせる日々を心待ちにしております。

東 学生

入校にあたって防衛大学校における生活を想像することが難しく、不安や緊張を抱えている方も多いと思いますが、私も入校前は不安と緊張で防衛大学校を選択したことを間違えたかもと思うこともありましたが、今は後悔はしていません。防衛大学校で学んだことを紹介しますので入校に向けてイメージアップしていただければと思います。
 防衛大学校で生活していく上で必要なことは沢山ありますが、その中で私が重要だと感じたことは「広い視野を持つこと」です。同期間の協力は非常に大切で、「自分だけ良ければいい、自分ができていればいい」というような自己中心的な考えは捨てなければなりません。同期ができていなければ周りが助けるということを常に頭に入れて行動します。また、同期が辛そうな時に見逃さずに声を掛け合い助け合うためにも広い視野を持つ必要があります。
 そのことで、困難なことや苦しいことを共に乗り越えることが出来ると思います。
 さらに、防衛大学校では常に、「考えること」が大切です。いろいろな規則や指導があり、それにはどのような意味があるのかを理解するため、常に自ら考え、行動することで成長することができると感じました。
 防衛大学校でできる同期間の繋がりも上下級生間の繋がりも一生ものだと感じられます。達成感があり充実した学生生活があり、成長できることは間違いありません。4月に皆さんとお会い出来ることを楽しみにしています。

岡崎 学生

私は陸上自衛隊高等工科学校のような学校ではなく、どこにでもあるような進学校から入校しました。これまでの生活と防衛大学校での生活には大きな差があり、初めは戸惑いました。そんな私から、入校する皆さんへアドバイスできることがあります。それは、入校以前にリーダーシップが必要とされる立場に立つことや、何か大きな舞台に立つ経験は、あまり必要ではないということです。
 私は高校時代、学級委員長や体育祭のリーダーになりました。ですがそこでの経験は防衛大学校において重要ではありませんでした。一番大事なことは新しい課題に挑戦し、解決のために周りの力を借りながら努力することです。防衛大学校は将来幹部自衛官になるために必要な資質を育成する場所であり、最初からうまくいかなくても大丈夫です。生活していくなかで問題に挑戦し努力すると、同期や上級生の方々が自然と協力してくれて、彼らから認めてもらえるようになります。結果は大事ですが、達成できなくとも考え悩み、同期と協力することで、広い視野を持ち豊かな人間性を培うことができます。私も2学年になってからの生活は想像できませんが、入校する1学年のお手本になれるように努力します。
入校する前から悩みすぎず、今いる家族や友人との貴重な時間を楽しんでください。

後期学生隊学生長としての決意・抱負

小田 学生

後期学生隊学生長という役職に就き、防衛大学校のため、学生のために力を尽くすことのできる素晴らしい機会をいただけたことに感謝いたします。後期勤務にあたっては、その役職に恥じぬよう鋭意努力する所存です。
 今年度、68期学生隊は「仁」という年間方針のもと運営を行ってきました。新型コロナウイルスの流行から様々な制約を受けた体制下で現れた、「学生間の関係の希薄化」という問題に年間を通してアプローチすることを目標としています。後期は「家族」という運営方針のもと、前期・中期で向上させた資質と学生間の絆をさらに深め、上下級生関係なく活気溢れる学生隊を目指します。そのための環境を整えることは後期学生隊学生長である私の果たすべき責任であると感じています。
 また、後期は次年度を見据えた運営が求められる時期でもあるため、今年度の学生隊運営における成果を69期以下に確実に継承していきます。今後も後輩たちが笑顔を絶やさず、学生間の交流を盛んに行い、活気のある充実した学生生活を送ることができるよう、その基盤となるものを残すために精一杯勤務していきます。

学生シンポジウムを終えて

井上 学生

去る12月16日(土)に、「第21回学生シンポジウム」を開催しました。本行事は防衛大学校に、国際関係や安全保障を学ぶ他大学の学生を招聘し討議を行うもので、今年は「国家安全戦略について考える」をテーマに東京大学、一橋大学、慶應大学、神戸大学などを中心に約40名の学生に参加いただきました。
 基調講演に、『安全保障戦略としての「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」』と題して、防衛学群 戦史・統率研究室の相澤輝昭准教授にご講演いただきその後、テーマに基づいた5つの討議テーマを設け、各大学の発表と各分科会に分かれてのグループ・ディスカッションを行いました。
 日ごろ、軍事安全保障的観点からは考えないという一般大生と、国際政治についての見識が必ずしも十分でない本校学生との意見交流は互いに刺激をもたらし、今後の修養の一助となったものと思慮します。
 学生シンポジウムは今回で21回目を迎えました。今後も、皆さまのご理解とご協力をいただければ幸いです。また本科学生の積極的な参加を期待します。

長期留学生所感

三上 学生

令和5年8月7日~12月22日までの間、私はアメリカ合衆国メリーランド州にある米海軍兵学校、通称アナポリスに学期交換留学生として籍を置きました。アナポリスは、米海軍士官学校があるという特性から海軍の退役軍人も多く住む地域で、海軍士官候補生を歓迎する風潮があり、彼らもその期待に応えようと日々の生活に真摯に向き合い自らを鍛えている姿が印象的でした。毎朝1学年は訓練担当の3、4学年の学生と一緒に5時40分から厳しい体力練成に励んでおり、その他の学生も自主的に早起きをしてワークアウトに出かけたり、同部屋のアラビア語専攻の学生はアラビア語の本を読み、時事ニュースを聞いたりするなど、プロフェッショナリズムを垣間見ることが出来ました。
 米海軍士官学校では、3学年進級時に宣誓書にサインし、今後5年間は海軍に所属し軍人として務めを果たすという決意を表明します。私は3学年のクラスに籍を置いていたので、親交を深めた友人たちが宣誓書にサインし、改めて将来のビジョンを固める姿を目の当たりにしました。
 また、私は留学中学年を問わず様々な友人を得ることが出来ました。1学年に所属する学生からは、高い競争率をくぐって合格したという自負があり、「Plebe‐1学年の通称‐を乗り越える権利を与えられたことに皆からの期待を感じている。訓練をしてくれる上級生は恐ろしいが、同期と切磋琢磨していくこの環境は悪いものじゃない。」と言う強い意気込みを聞けたのは良い刺激となりました。 私自身も日々の一瞬に全力で取り組んでいこうと改めて決意し、朝のワークアウトはもちろん、各種のイベントや訓練の機会には積極的に参加し、慣れない英語だけの環境の中でおよそ5か月半をやり切りました。このかけがえのない経験を今後も活かしてプロフェッショナリズムへ昇華する所存です。

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