防大かわら版vol153

2023年11月29日

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◯掲示内容一覧
 ・秋季定期訓練参加所感
 ・校友会紹介(レスリング部、硬式野球部)


秋季定期訓練参加所感

橋本 学生

私は、令和5年10月16日(月)から20日(金)の間、北富士演習場において秋季定期訓練に参加しました。主要訓練科目は、地図の見方、射撃と運動、行進、宿営基礎、富士訓練センター教育で、陸上における野外行動を経験しました。遠泳、富士登山、部隊研修、初歩的な戦闘訓練といった夏季定期訓練とは異なり、今回の訓練は、本格的な野外訓練でした。そのような訓練のなかで、私にとって印象深かったものは、「行進」と「射撃と運動」です。
 「行進」では、荷物を満載にした背嚢を背負い、小銃を携行して16㎞を歩きました。学生はそれぞれの分隊において分隊長、歩測・歩調係、警戒係等の役割に就きました。この際、特に行進の目的である「目的地到着後の戦闘に万全を期すため、部隊を良好な状態で目的地に到着させる」ことを意識して訓練に取り組みました。後半には、遅れて隊形を維持することが困難な学生の荷物を、分隊員で協力して持ったり、後ろから支えたりして、訓練班の全員で完歩することができました。私の志望通り陸上要員となれたならば、幹部候補生学校にて100㎞行進が行われるため、それを見据えて今後も体力錬成に励んでいきます。
 「射撃と運動」では、小銃を装備し、本格的に分隊・各個による早駆け・ほふくを実施しました。夏季定期訓練の際には校内の平坦な土地での戦闘訓練でしたが、今回は戦場を想定し、現地の地形・地物の利用、小銃の銃口管理やほふくの姿勢などを意識しつつ、すばやく移動することに留意しました。また、他分隊の訓練を客観的な視点から確認することで、改善点を発見し、自身の訓練に活かすことができました。
 陸上自衛隊が使用する演習場での訓練は、普段、防衛大学校で訓練する私たちにとっては新鮮なもので、多くのことを学ぶことができました。今後の学生生活及び任官後の任務に活かしていきたいです。

渡邊 学生

「どんなことにも楽しさを見出すこと。同期を助けること。」
秋季定期訓練の前に部屋長から頂いた言葉です。訓練初日、小銃を持ちながら走るハイポートを行いましたが、ハイポートは辛く、気が付くと自分の世界に入ってしまいやすい。この時、部屋長から頂いた言葉を実践する時だと考え、ハイポートを楽しむため、加えて同期を鼓舞するために大きな声を頻繁に出しました。周りの同期も声を出してくれて、同期と共に声を出すことにより高揚し、辛い時にも楽しさを見出す事ができました。きつい辛いことも全力で同期と共に乗り越えようとする前向きさが、辛い気持ちを減らし、楽しさを見つけるという部屋長の言葉を行動に移せたのです。
日々の生活の中で同期と協力するように指導を受けます。同期と協力することはただ作業効率が向上するだけでなく、同期の存在が私の心の支えとなるのだということを学びました。
一番辛い思い出のハイポートが、私の秋季定期訓練の一番の良い思い出となりました。

佐々木 学生

私たち1学年は、10月16日(月)から20日(金)5日間、北富士演習場で秋季定期訓練を行いました。ここ数年は新型コロナウイルスの影響で訓練期間が短縮されていましたが、今年は4年ぶりに本来の形での訓練を実施となりました。
 徒歩行進訓練では、16kmの道のりを行進し、ただ歩くだけではなく、小銃や背のうを背負った完全武装で周囲を警戒しながら決められた時間に目的地に着くことが求められ、前日の野営訓練での疲労、慣れない環境や重い装備に苦労しました。なにより、仲間と自由に話すことができず、静粛と一定の間隔を保たなければならないことが思いの外辛く感じましたが、側を歩く同期生の存在に励まされ、完歩することができました。
 地図判読訓練では、分隊毎に地図を頼りに目的地まで移動し、コンパスや円分度器を使用して方向を定め、自分の歩測で距離を測りながら歩くことが宝探しゲームのようで、分隊の仲間と意見を出し合い、無事に目的地に到達することができ、この訓練で地図判読に必要な道具の使用方法について理解を深めました。
 この定期訓練で支援に来た助教の指導官の方から、整理整頓、身だしなみに気を付けることを指導されました。将来、私たちは幹部自衛官となり、立場上は自分達より年上の自衛官の上司となります。多くの部下を統率する上司らしく、当たり前のことを当たり前にできるよう、人間性を高めることを誓います。
 秋の晴天と富士山の麓で得た経験は、将来に通ずるものばかりであったと確信し、秋季定期訓練での経験を踏まえこれからの防衛大学校での勉学に邁進していきます。

中島 学生

私達は、今回北富士演習場において、5日間にわたる秋季定期訓練を実施しました。山の中という防大と異なる慣れない環境の中、同期とともに行進、宿営、戦闘訓練といった様々な訓練を行いました。美しい富士山の麓で学生舎生活から一時離れて訓練に全力で取り組み、同期と協力して乗り越えた今回の訓練では、多くのものを得ることができました。
 宿営では初めての飯盒炊爨を行いました。失敗してしまうだろうと思っていましたが、同期と共に気を配りながらごはんを上手く炊くことができ、私達は美味しいカレーを食べることができました。 特に印象に残っている事は最終日の戦闘訓練です。校内での訓練とは違い、自然の地形を利用してほふく等で敵の陣地へ攻める訓練を行いました。体力的にきついこともありましたが、声を掛け合い同期と上手く連携し、任務遂行のために全力を尽くしました。訓練後に銃を抱え、駆け足で帰隊するハイポートは大変でしたが、全力で声を出し、苦しそうな同期を助けたり、励ましあったりしながら、全員で完走することができ、良い思い出になりました。
 今回の訓練で改めて同期の重要性を認識し、さらに絆が深まったと思います。苦しいことも同期と協力すれば乗り越えることができました。また、上級生のいない環境の中、同期同士で声を掛け合い、自主性を高めることもできました。今回の訓練で得たことを糧に日々の学業、訓練、学生舎生活に邁進していきたいと思います。

レスリング部「自分のことも守れないやつに国は守れない」

西田 学生

“ダラダラ防大生活を送るのは嫌だ。俺は何をしたいのだろう?“そう考えた時にレスリングがあった。何の武器も持たず布1枚を身につけ、体をぶつけ合う。己の持つ技が武器であり、筋肉が鎧である。鍛錬を怠れば、武器はさびつき、鎧は剥がれ落ちてゆく。レスリング程、多彩な技を持つ格闘技は、類を見ない。一つでも多くの技を身につける為日々鍛錬を行う。やればやるほど強くなり、面白くなっていく。その面白さがわかるまで3年近くかかった。ほとんどの部員たちは未経験からレスリングを始めており、1学年の時にはその華奢な体つきから、2学年、3学年とその学年毎にレスラーの身体になり、技も上達すると共に、4学年になる頃には見違えるほど逞しく変貌する。
 レスリングは日本においてそうポピュラーではないスポーツだが、今年度は新入部員13名を獲得し、部員は1〜4学年合わせて25名を越え、道場の中で真剣に練習を行っている。昨年度は部員も少なく、コロナの影響や訓練等により日々の練習で集まる人数は2,3名の時もあり、苦しい現実を味わったが、その状況下でも私たちは淀みなく熱心に練習に打ち込んできた。道場で流した汗がドラム缶何本分だか私は知らない。ただ、レスリングで培った自信はこの先の人生で必ず役に立つと確信している。

硬式野球部「Thinking Baseball」

齋藤 学生

硬式野球部主将齋藤学生です。
 今年度68期硬式野球部の目標として神奈川大学野球連盟2部リーグ優勝を掲げて活動してきました。防衛大学校の校友会活動の特徴として、日課時限・訓練等時間的制約が大きく、他大学と比べまとまった練習量を確保できません。このためこの限られた時間を有効活用すべく、基礎から徹底的に教育し、まずは頭で理解させることに重点を置きました。当初はチームとしての一体感がなく、モチベーションをどう保つか苦心しましたが試合で勝利を重ねるにつれ、次第に自信をもってプレーできるようなっていきました。その結果、リーグ戦を通じてチームとして戦いぬくことができたと感じています。
 残念ながら優勝することは叶いませんでしたが、4年間駆け抜けた同期、支えてくれた下級生に対して本当に感謝しかありません。来年以降、可能性のある下級生が2部優勝を叶えてくれると信じています。
 最後になりましたが、防衛大学校硬式野球部は、野球を通じて人間的に成長すべく邁進していく所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

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