防大かわら版vol147

2023年03月14日

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◯掲示内容一覧
 ・防大4年間の想い出、今後の抱負【各大隊】


防大4年間の想い出、今後の抱負

嶋田 学生

“光陰矢の如し”そんな言葉がぴったりな防大での四年間だった。一瞬にして過ぎ去っていったその日々の中で、酸いも甘いも本当にいろんなことがあった。数え切れないほどの失敗も経験したし、その分達成できたこともあった。ただ、この四年間の思い出について述べようと改めて思い返してみると、意外にもパッと脳裏に浮かんでくるのは、何か劇的な経験をした時のことよりも、いろんな人と過ごした些細な日常の一幕の方が多い。「防大では、そこでの人との繋がりこそが最も大切」言い古されたような言葉だが、私も卒業を目前にして同じことを言いたい。
 この四年間で様々な経験をさせていただいて、そのどれもが自分を成長させてくれたと思っている。ただ、それらの中に自分一人で成し遂げられたであろう物は一つとして無かった。大きな背中を見せてくれた上級生や、苦しいとき支えてくれるような同期、自分を見つめ直させてくれる下級生。そんな尊敬できる大勢の人たちが周りにいたからこそ、私は学びにあふれた四年間を過ごすことができた。
 卒業してからも、多くの人との出会いが待っていると思う。それを楽しみにしながら、私もまた誰かに、出会えてよかったと思ってもらえるような人でありたい。そして、この四年間で頂いたものをいつか何らかの形で返せるように、防衛大学校卒業生だと胸を張って言えるような幹部自衛官を目指し、私の持てる力を尽くしていく所存である。

太田 学生

小原台の地で過ごす日も残りわずかとなった今、防大で過ごしてきた日々を振り返ると数え切れないほどの出来事が脳裏に浮かび、いかに防大で過ごした日々が充実したものだったのかということを改めて気づかされた。今回は自分の防大人生の中で、最高の成功体験となった棒倒しスタッフでの経験について記そうと思う。 私は2大隊防御参謀として、防御面から2大隊を強化する役目を担っており、選手や各パートリーダーに対する客観的なアドバイスや、作戦計画、練成計画の立案を行っていた。参謀は指揮官ではなく幕僚として指揮官を支える仕事であり、自分の考えを各パートリーダーが理解しやすいように言語化し、実行してもらうことで各パートを有機的に連携させ、組織として高い防御力を発揮させることを心掛けていた。そして、一人一人の選手に高いレベルで戦術を理解してもらうことで、個としても他大隊を圧倒できるように戦術に対する説明も丁寧に行い、反復的に訓練も行った。結果的に2大隊は圧倒的な優勝を成し遂げることができた。 防大時代に組織の中核として大人数を動かし、大きな目的を達成させるという経験を得たことは、今後幹部自衛官となる上での最高のスタートダッシュとなったと確信している。

土倉 学生

防衛大学校に入校してから早や4年が経過した。人生全体で考えれば防大生としての期間は短いかもしれないがその存在の大きさは計り知れない。何も知らず教えてもらうことばかりであった1学年から始まったが、今では教え監督する機会も増えた。
 しかし4年間修養に励んでも自分の未熟さは強く感じるが、その中でも周りの助けがあったため様々なことに取り組み、達成することができた。卒業していった先輩方は多くのことを教えてくださり、常に助言をくださった。後輩も私たちが教えるだけではなく、彼らから学ぶことも多くあった。指導官の方々は私たちの相談に乗ってくださり、多くのことはこの助けがなければ成功しなかったと強く感じる。なによりもこの防衛大学校での生活では同期の存在が大きかった。何事にも同期で相談し、悲しみ、喜んだ。同期で誰かが困っていれば皆で助け合い、私も多くの場面で助けられた。訓練や競技会など防衛大学校でしかできない経験を多くしたが、何よりもそれらをここにいる同期と一緒にやってきたことがかけがえのない経験であったと感じている。
 指揮官は孤独だと言われるが私たちは違う。防衛大学校を卒業し、幹部候補生学校も終われば私たちはそれぞれ全国各地で働くことになる。そこには同期はおらず一人で苦労することになるのかもしれないがどこかに同じように頑張る同期がいると思うと私も頑張れる。

田髙 学生

2019年4月1日に新入生として防衛大学校の門をくぐってから、4年の月日が経とうとしている。振り返るとその大部分はCOVID-19との闘いだった。それまでの“常識”が大きく変化し、防大全体が新しい生活様式を一丸となって模索した3年間だった。成功と失敗を繰り返し、時代の変化に柔軟に対応するための気風が醸成されたと感じる。これは同時に今までの慣習を見つめ直すきっかけになった。これまで慣習的に続いてきたことの本質が検討され、幹部自衛官になる者として防大生はいかにあるべきなのか議論し、実践してきた。
 コロナ禍の防大に身を置き、私は様々なことを学んだ。防大生として学ぶべき事項に加えて、先が読めないコロナ情勢への対応等今までの防大生は経験しなかったことを経験し、組織として臨機応変に対応することの重要性及びその難しさを学んだ。それでも同期先輩後輩とは一致団結してコロナ禍の課題を乗り越えてきた。これが私の防大生活だった。
 アフターコロナの時代が本格的に迫ってきている。コロナ禍への変化に対応してきた経験を生かして、今度はアフターコロナの時代に柔軟に対応して国防の一翼を担っていきたい。

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