防大かわら版VOL.129

2021年04月15日

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◯掲示内容一覧
 ・前期学生隊学生長としての決意・抱負
 ・前期大隊学生長としての決意・抱負【各大隊学生長】
 ・サンドハースト準備訓練に参加して


前期学生隊学生長としての決意・抱負

久保学生
 今、防衛大学校は大変革の時期にある。新型コロナウィルスの影響で世間でも新たな生活様式や働き方改革が進められ、ニューノーマル時代への対応に迫られている。防衛大学校でも同様に生活様式が一変し、前年度は各種競技会や、開校祭、一斉喫食等の防大の伝統行事が実施できずに終わってしまい、今年度は如何に限られた状況下で防大生としての鍛錬の場を設けていくか課題となっている。部屋編成においても今年度から前期は新たな編成となった。学生間指導においても呼び出し指導から機会指導、部屋内指導に主軸が移ることとなった。さらに9年間勤められた國分学校長が交代され、新たに久保学校長が就任された。我々防大生はこの大変革に好むと好まざるとにかかわらず対応に迫られている。そこで、前期の勤務方針を「見直し」とする。防大生としての自主自律と綱領の追求という根本は全く変わらないが、防衛大学校の長く素晴らしい伝統の中で、何を変え、何を守るべきかを問い続け、常に伝統を改善する努力を続けなければならない。これにより、通年目標である「誇り」つまり防大プライドを醸成するための基盤の形成を前期で実施していく。この学生隊学生長という大任に全力を尽くして勤務することをここに誓い、抱負とする。

観閲式にて

前期第1大隊学生長としての決意・抱負

川島学生
 防大4学年としてこの最後の1年間、私が意識していることは以下のことである。後輩に「どれだけ何かを残せるか。」、これである。4学年は、自分たちが防大にいる間に4年間の知識、経験を生かしてより良い学生舎をつくりあげなければならないということが多くの学生がもっている一種の共通認識であると言えるだろう。確かにそれも重要である。しかし私はそれよりも更に重要であると考えることがある。それは我々66期がいなくなった後のここ防衛大学校に何を残すことが出来るのかということである。しかし何を残すか、その中身については私が防大生である内はそこまで詳細にならないように思われる。この中身を知ることができるのは今の後輩たちが3学年、4学年となった時、つまりは彼らが成長するのと同時期になるであろう。今日の我々の努力は我々が見えないところでこそ成果となるべきなのである。この中身をより色濃いものにしていくために、現在与えられた大隊学生長という役割を使命感と誇りをもって全うし、未来の防大生が輝かしい防衛大学校を築くことの一助となれるように、今まで以上に率先して同期と団結していきながら、この前期1大隊の長として学生を先導することに励んでいくこととする。

1大隊本部

2学年夏季定期訓練

前期第2大隊学生長としての決意・抱負

安田学生
 今年度の第2大隊の年間方針を「志向」とした。これは2大隊の全学生が団結して、1つの目標に向かっていくことを表したものである。この年間方針を実現するために、前期の方針を「試行」、中期を「思考」、後期を「至高」とした。
 前期の特性として、大隊としても個人としても「試行錯誤」を重ねることが求められる。1学年は防大生としての基礎的能力を身に付け、2学年はカッター競技会において同期との団結を高め、1学年に対する指導能力の向上を図る。3学年は下級生に対する間接指導と4学年、同期生に対して洗練されたフォロワーシップの発揮が期待される。4学年は長期勤務学生、週番、部屋長等を通して監督能力、より高度なリーダーシップの発揮等が求められる。
 このように学年が上がり、それぞれが今までとは違う役割を担うこととなる。各学生が与えられた役割を最初から完璧にできるわけではない。様々な壁にぶつかり、悩む時期である。そのような時、多様な方法を繰り返し試み、失敗を糧にして、それぞれの役割を果たすことができるように成長することが前期の目標である。
 第2大隊学生長として私は、この前期の目標達成のために全力を尽くしていく所存である。学生隊学生長、そして各中隊学生長とも連携を密にし、中期・後期の大隊学生長に良いバトンを渡していける前期にしていく。

第2大隊本部会議中


前期第3大隊学生長としての決意・抱負

大谷学生
 私が3大隊と聞いてまず想起されるのは、「お祭り3大隊」の伝統である。日頃の生活においては、厳正な規律のもとに学生個々人が自ら目標を持ち、その目標の実現に日々努力を重ねる自主自律の気風の下で、学生のあるべき姿の体現に努めている。また競技会においては、学年の垣根を越えて学生同士が固く団結し、他のどの大隊よりも士気旺盛であり、看板を勝ち取るために一致団結して、数々の競技会で勝利してきた。これが「お祭り3大隊」の伝統であり、3大隊のあるべき姿である。<BR> 近年、3大隊は思うように競技会で勝つことができず、士気も低下し、活気も失い、「お祭り3大隊」と呼ばれていた頃の面影が過去の栄光となってしまっている。この現状を打開するため、3大隊の前・中・後期の大隊学生長3人は、年間を通じての方針を「3大隊ブランドの醸成」とした。1学年は他大隊へ去る際、古巣である3大隊に誇りをもって欲しい。残りの防大生活を3大隊で過ごす2.3.4学年は、この先の自衛官人生を3大隊出身として胸を張って言えるプライドを持ってほしい。そのために、3大隊の名前をまた誇れるものとする。それが3大隊ブランドであり、我々3人はそれを醸成し、今年度に確立させるものと定めた。私は、その方針に基づき、前期大隊方針及び勤務方針を「逆境に燃えよ」とした。現状は、これから3大隊ブランドを確立して黄金期を迎える夜明け前の暗さであり、まさに逆境と言える状況である。この逆境に立ち向かうため、心を燃やし、何事にも全力をもって当たるのが、前期において我々が為すべきことである。私は、前年度後期大隊学生長からの3大隊への想いを受け継ぎ、「お祭り3大隊」の伝統を継承し、ブランドを確立し、さらなる発展を目指す。そのために前期大隊学生長として全力を尽くす所存である。立ち上がれ、心を燃やせ、3大隊。今がその時である。

前期第4大隊学生長としての決意・抱負

安藤学生
 本年度前期第4大隊学生長を務めるにあたり、新体制への期待とその素地を形成するという責任を強く実感している。
 前年度は学生間指導における要領の大きな変更、また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響下での学生隊の運営、それに伴う学生舎生活の見直しと各種競技会の中止や実施要領の変更など、まさに激動の一年であった。65期の諸先輩方はこのような環境に適応する新たな施策を見出し、実行をしてきた。我々66期は4学年を補佐する3学年という立場で、つまり最も近いところでそれを目の当たりにした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響は非常に大きく不幸な出来事であることに変わりはないが、一方で平時では経験することのできない多くのことを学んだ。我々66期は諸先輩方から学んだ経験と新たに築かれた文化を継承し、さらなる進化・発展をさせていく所存である。
 学生服務の面では、中隊及び大隊への帰属意識の醸成、ゆくゆくは学生隊への帰属意識へと繋げ自主自律の気風を作っていかなければならない。新しく入校した1学年にもこの気風を養ってもらうべく、適切な学生間指導の在り方を追求し物事の本質を捉えた大隊運営を行っていきたい。

サンドハースト準備訓練に参加して(競技会は中止)

殿塚学生
 令和2年11月、第7期サンドハースト準備訓練隊の選考が行われた。今年は、二次選考の段階で米国派遣に行くことができない旨が伝えられたが、それでも50人近くの学生が選考を受け、23名の学生が最後まで残った。米国派遣がないため、今年の訓練はあくまでこれまで訓練隊が培ってきた経験を継承することが目的である。訓練は厳しく、3か月と長い中、選ばれた23人は最後まで全力で取り組んだ。
 サンドハースト競技会においては、厳しい状況下においていかにリーダーシップ、フォロワーシップを発揮できるかが順位を上げるための鍵となる。分隊員は各人が自身の長所、短所を把握し、いかにチームのために貢献できるか、これを考え続ける。分隊長は競技会の間、任務を基礎として継続的かつ的確に状況判断を行い、決心して分隊員に命令する。時には任務達成のため、分隊員に無理を言わなければならない時もある。また、自分が決心した事には全責任を負う。私は今年度、7期の分隊長を務めたが、このことがサンドハースト訓練において最も苦しかったことである。しかし相手は世界。妥協は勿論、体格差等を言い訳に任務を放棄することは許されない。皆、そのような心構えで訓練に取り組んだ。
 今年は米国で行われる競技会に参加することはできなかったが、世界7位をとった5期、そして6期の経験は継承することができたと思う。今後は8期が再び米国派遣に行けることを願い、訓練を積み重ね、これまでの成果を継承、発展させていく所存である。7期の皆、最後までついてきてくれてありがとう。

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