防大かわら版VOL.127

2021年03月11日

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◯掲示内容一覧
 ・防大4年間の想い出、今後の抱負【各大隊】


防大4年間の想い出、今後の抱負

桑内 学生

卒業間近となった今、約4年前の4月5日の入校式の日を思い出す。あの日は校内の桜が満開で、まるで防衛大学校が私の入校を迎え入れてくれたかのようだった。寂しさ、期待、覚悟、様々な感情が私を取り巻いていたが、入校式後はそのようなことを考えている暇もなかった。皆が右も左も分からないような状態で、周りと協力し、助け合いながら日々を過ごしていく中で1日1日自分が成長していくことが実感できた。そうして気が付けばこうして4学年になっていた。
 この数百文字に防大4年間を綴ることは到底難しいため、校友会活動のアメリカンフットボールとサンドハースト訓練を焦点に所感を述べたいと思う。
 アメリカンフットボールは相手チームのビデオを何度も何度も見返し、分析し、それに対抗するパターンを何種類も考え試合に挑む。まるで戦術のようでこの学校にぴったりのスポーツだと幾度となく感じた。
 サンドハーストでは日本代表メンバーに選抜されたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け競技会が中止されため参加が叶わなかったが、本競技会に向けた練成訓練では、我々訓練学生のために指導部の方々が技術面や精神的な要素まで熱心に指導してくださり、社会人として、防大生として、自衛隊員として大きく成長することができたことに本当に感謝している。
 卒業後は、国防を担う幹部自衛官として全力で職務を全うしていきたいと思う。

石丸 学生

入校当初、現学校長である國分学校長から、初代学校長である槇学校長が残した「真の紳士にして、真の武人たれ」という言葉の紹介を受けた。非常にインパクトのある言葉で字面として理解することはできたが、どうにもしっくりこないままその意味を探し続ける4年間であった。 防大における3本柱である教育訓練、学生舎生活、校友会活動から多くのことを学んだ。教育訓練においては、自分の専攻である情報工学に加えて、幅広い教養の分野や防衛学を学ぶことで、科学的でありかつ多角的な視野を得ることができた。また、海上要員として必要な知識を身につけるため、定期訓練では文字通り日夜を忘れて訓練に励んだ。学生舎生活においては、学生長付、学生長及び競技会の責任者の経験から、リーダーシップやフォロワーシップについて学んだ。そして、校友会活動においては、少林寺拳法部に所属した。4学年時は主将を務め、部を取りまとめた。厳しい校友会で体が動かなくなるほどきつい修行の日々だったが、今までの人生においてこれほど何かに真剣に取り組んだことはなく、ここで得られた経験や共に励んだ同期は私にとって一生の宝である。卒業と同時に海曹長に任命され、海上自衛官としてのキャリアが始まる。まずは、防大4年間で学んだことを活かして、我が国の平和と独立とさらなる発展に寄与するべく、己の職務に邁進していく所存である。最後に、「真の紳士にして真の武人たれ」とは、他人を思いやれる紳士であり、どこにおいても闘える人それが武人である。刻一刻と変容していく国際社会、常識を理解し、それに適応し、そこで闘える人間でなければならないということである。私もそのような武人になれる様に卒業後も常に努力し続けていきたい。

和田 学生

卒業を目前に控え、防衛大学校で過ごした4年間や入校の動機を思い返すことが多くなった。振り返ると、これまでの人生と違った生活に身を投じることになった1学年時の生活が、現在の自己形成に大いに影響を与えている。
 具体的には、常時上級生からの指導を受けることが求められる環境で生活し、対処する優先順位付けや同期との協力が習慣化されたことである。その結果、問題に対して常に思考することの重要さや、同期・仲間との協力の大切さを学ぶことが出来た。これら1学年時に得たものは、その後の2学年、3学年、そして、現在の4学年においても大いに役立つ場面が多く、教務や訓練においても同様であった。
 だが、常に思考することも、同期との協力も、それをより効果的にするためには、不断の努力が不可欠である。「継続して考えること」を続けなければ、そもそも精緻な思考は出来るようにはならず、「毎日ちゃんと頑張っている」と周りが認識しなければ、協力を得ることは出来ない。努力不足による失敗も多々あったが、そのおかげで「次は、間違えないようにしよう」と思うきっかけになった。
 以上のような、人生において今後も役に立つ事柄を経験し、学び、実践させてくれる環境を提供してくれた防衛大学校には感謝に堪えない。
 最後に、この4年間で学んだ多くの経験や知識を活かし、自身の可能性を伸ばしていけるように幹部候補生学校でも精進していく所存である。

小林 学生

防衛大学校での生活も終わりが近づいている。この4年間は毎日が学びの連続であり、非常に充実した期間であった。
 防衛大学校の生活は、勉学・訓練、学生舎生活、校友会活動の3本柱を基本として構成されている。これらをはじめとした、ここでしか出来ない数多くの経験が私を成長させてくれた。また、先輩・同期・後輩の存在が私の人生に非常に大きな影響を与えてくれた。物事がうまくいかず、つらいことや大変なことも多くあった。そのようなときに私を救ってくれたのは、しっかりと面倒を見てくれた先輩方、そしていつも支えてくれた同期の存在であった。自分の学年が上がっていくにつれて、後輩達を教育する責任感も増していき、学ぶことも多くなっていった。
 防衛大学校での生活を通して学んだことは、人は1人では生きていけないということである。自分が生活していく中で、困難な状況に立ち向かう時には必ず誰かの助けがあり、その助けがあってこそ、人はその状況を乗り越え、成長できるのだということを身に染みて感じることができた。防衛大学校で作りあげた人脈はかけがえのないものである。これから国家防衛という厳しい任務につく中で、国民の負託にこたえるべく、強い使命感を胸に職務に邁進していく所存である。

防大かわら版