防大かわら版VOL.121

2020年07月15日

防大かわら版ロゴ

◯掲示内容一覧
 ・入校所感(入校3か月)【各大隊】


入校所感(入校3か月)

1学年 岩田 嵐
 理工学専攻 岐阜県立岐阜高等学校(岐阜県出身)

1日を過ごす度に自分は成長している。
 防衛大学校では誰もがそう感じることができるだろう。入校して約3か月が経過し、実際に私は自分自身の著しい成長を実感している。それは先を見据えた行動や倫理観の高い行動をとれることが多くなったからである。
 しかし、晴れて防大生となった4月5日の私には今の自分の姿など全く想像できてはいなかった。
 入校当初は、1学年の役割や学生舎での規則など数多くのことを定着させていく必要があった。そのために学んだことを積極的に実行するものの最初は失敗に終わるばかりであった。自分の失敗を反省し再発防止に努めてもなお、時間に追われる生活の中では細部にまで気が回らず、また同じ失敗をする。その悪いサイクルが続くことで当時は自分の行動に自信を持つことができなかった。
 それでも現在、防衛大学校での日々を送っているのは、あることに気が付けたからである。それが初めに述べた「1日を過ごす度に自分は成長している」ということだ。できなかったという失敗が増える一方で、こうすればできるという経験も増えていき、徐々に生活の基盤が固まる。そこから自分の行動に自信を持てるようになり様々なことに本気で取り組むことで行動が洗練されていき、そして達成感を感じた。
 こうした日々の達成感により入校時の不安は残っていない。今はこの先に対する期待感が満ち溢れている。これからも向上心を持ち68期の同期と成長していこうと思う。

    自習室での様子

校友会活動の様子(フィールドホッケー部)

1学年 金野 朱莉
 人文・社会科学専攻 東京都立小山台高等学校(東京都出身)

4月1日(水)、我々68期生は防衛大学校に着校した。朝夕に流れる国歌を聞きながら、本当に幹部自衛官となるべき者を育成する場所に来たのだと実感した。しかし、着校日から数日が経過した頃の私は、点呼や清掃など、これまでとはかけ離れた生活についていけるのか、不安でベッドで泣いていた。
 そんな日から早くも2カ月余りが経過した。泣いていたあの日から、これまでやってこられたのは周りの人たちのおかげである。新型コロナウィルスの影響で生活にも制限はあったが、指導官や上級生の方々は我々1学年が過ごしやすいよう工夫してくださった。また、日々の生活では上級生に厳しい指導を受けることもあるが、そこには全て納得できる理由があり、私たちが成長するためなのだと実感できる。この環境において、日々全力で誠実に努力を重ねていくことで幹部自衛官にふさわしい人物に近づけると感じている。厳しくも優しく頼りになる上級生に囲まれて本当に恵まれている。
 そして、何より一番に感謝したいのは同期である。防衛大学校には、「どんなことがあっても同期を見捨てるな」という教えがある。私がミスをしても、遅れをとっていても、同期は絶対に私を見捨てないでくれる。また、辛いときもお互いに声を掛け合い乗り越えてきた。同期がいなければこの2カ月余りも乗り越えられなかっただろう。同期の皆、本当にありがとう。これからも大変なことが多くあるだろう。しかし、それを乗り越え強くなることが、国民の負託に応えるべき私たちの務めだと思う。防大生たる名誉と責任を自覚し、私たちを支えてくれる全ての人に感謝しながらこれからも頑張っていきたい。

部屋の同期(中央が本人)

校友会活動(フィールドホッケー部)
(左が本人)

1学年 地造 由樹
 理工学専攻 奈良県立青翔高等学校(奈良県出身)

令和2年4月5日、本来であれば入校式が行われるはずだったが、新型コロナウィルスの対策のため、必要最小限の規模で宣誓式が行われた。私にとってあの日は自衛隊員としての一歩を踏み出した節目の日であり、自衛隊員としての自覚が芽生えた瞬間だったと思う。
 その日から厳しくも、充実した生活が始まった。朝起きてから夜眠るまで絶えずやらなければならないことがあり、外の世界がどうなっているかなど知る由もなかった。宣誓式から二日後、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令された。緊急事態宣言後、防衛大学校では学生に三密の防止、検温の実施、また予定されていた計画の大幅な変更等、状況に対応し柔軟に教務が行われた。緊急事態宣言発令中は外出ができなかったが、メンタルケアやレクリエーションなど学生の負担を減らす方策がとられていた。誰もこのような状況を体験したことがなかったが、新型コロナへの対応を通じて自衛隊の即応性、柔軟性を身をもって体感し、組織の実力の片鱗を見たように思う。
 一日のほとんどを同期と過ごし、この辛い数か月間を共に支え合いながら過ごしてきたが、自分一人なら乗り越えられなかった壁がいくつもあった。私は自身だけが成長するよりも、同期みんなで成長するほうがはるかに大きな幸せを感じるようになった。友として、そしてライバルとして切磋琢磨し高みを目指していきたいと思う。もう少しすれば夏季定期訓練が始まり、その最後には遠泳がある。私は今のところ満足に泳ぐことができないが、最後の一か月同期に後れを取らないよう練成を行い68期全員で完泳をめざす所存である。

任命宣誓式の様子

日常生活の様子(靴磨き)

1学年 田中 玲瑛
 理工学専攻 岐阜県立関高等学校(岐阜県出身)

4月1日、私が入校したとき心の中にあったのは大半が防衛大学校でこれからやっていくということに対する嬉しさと少しの不安でした。本当にここで私がやっていくことができるのか。上対番※が留学生の方で私は防衛大学校の国際的な雰囲気を感じるとともに自身の他人と違う境遇に感謝しました。なぜならば、他人と違う境遇に置かれることでより成長できると思ったからです。
 そこからは新型コロナウィルスの影響により、通常の防衛大学校と異なる日程が続き、一瞬で3か月が過ぎたように今では感じています。自身でできるようになったことも多くなりはじめ、上対番や同部屋の2学年の方に教わったことが自分の中に根付き始めていると実感できるようになりました。それとともに1学年同士の結束も深くなってきており、まさに理想の防衛大学校生活を送れていると考えています。これから夏季定期訓練、棒倒し、小学校の時から行っている柔道の大会や期末試験など学生舎生活、校友会活動及び学科教育・訓練の三本柱をこなしていかなければいけません。しかし、41中隊1学年全員でそれらすべてを乗り切り1年間全力で過ごしていきたいと考えています。
※上対番とは防衛大学校の基本を教えてくださる上級生。

同じ部屋の学生と(前列右が本人)

本 人

防大かわら版