2020年04月16日
◯ 掲示内容一覧
・前期学生隊学生長としての決意・抱負
・前期大隊学生長としての決意・抱負【各大隊学生長】
・断郊競技会所感【優勝大隊】
4学年 山本 悠馬
国際関係学科 京都府立洛北高等学校(京都府出身)
4学年 横山 慶次郎
地球海洋学科 私立初芝富田林高校(大阪府出身)
4学年 竹井 優太
情報工学科 千葉県立東葛飾高等学校(千葉県出身)
やるべきことをやるというのは一見簡単であるが、実際はとても難しい。だからこそ本年度の2大隊の年間方針は「自主自律」と定められた。その足掛かりとなる前期を任された私は、勤務方針を『思いこんだら試練の道を』とした。これはアニメ「巨人の星」の主題歌のワンフレーズである。
学生に問いたい、最後の一分一秒までテスト勉強をしたか、常に完璧な容儀を心がけているか、心臓が破裂するほど校友会で追い込んでいるか。時間がない、意味がない、調子が悪い。人間は得てして理論を振りかざし厳しいことから逃れる口実を作る。それは防大生も例外ではない。ではどうすればいいのかというと答えは単純で、迷ったときは黙って試練の道を選べばよい。気持ちを強く持ち厳しい選択肢を突き進んだ時、人間は大いに成長するのだ。
1学年は慣れない環境の中で、2学年は被指導者から指導者に変化する中で、3学年は間接的指導者という立場の中で、4学年は最上級生としての責任ある立場の中で、それぞれ困難に立ち当たり選択を下さねばならないだろう。私の使命は彼らの心に律義の火を灯し、試練の道を行けるような下地を整えることであると強く認識するとともに、全身全霊をかけて2大隊の成長、躍進へ寄与することをここに決意する。
4学年 𠮷田 旬之介
通信工学科 愛知県立半田高等学校(愛知県出身)
前年度は新たな指導要領が導入され、学生舎生活の改革が図られた。それにより行き過ぎた指導はなくなった。しかし、複雑・厳密化した規則を前に指導に消極的になる学生が増え、他の学生に対する関心が薄れてしまったように感じた。前年度の大隊年間方針は「指導の徹底」と定められ前・中期と長期勤務学生が指導を促すことで規律が維持されていたが、後期につれて徐々に規律が乱れることがあった。
この現状を鑑み、前期大隊学生長として私は再度「指導の在り方」について理解させ、その徹底に努め、幹部自衛官にとって必要な資質である「服務指導・コミュニケーション能力」を涵養し、より良い雰囲気作りをしていくことで学生全体の指導力を向上させ、規律の維持を図りたい。また前期は、全学生が新たな立場・役割を与えられ最も士気が高い時期である。そのため、前期でその年度の雰囲気が決まると言ってもよい。そのような中で、大隊の学生長として任に就く責任を自覚し、大隊にとって常に最善を追求できるよう自らの役割を全うする所存である。
私は、3大隊を規律の維持された最も楽しく賑やかな大隊にしたい。しかしながら規律の引き締めと緩和のバランスを保つのは大変難しいことである。そこで私は、勤務方針を「不屈不撓」と定めた。前期という短く限られた期間で、自分がやるべきこと、定めた目標を諦めることなく、全力を尽くして理想とする3大隊への土台を築き上げていきたい。
4学年 吉田 敦
航空宇宙工学科 私立四條畷学園高等学校(大阪府出身)
本年度前期第4大隊学生長を務める運びとなり、新年度への期待と責任をひしひしと感じている。
4大隊は先日、他大隊から来た2学年と、68期の若々しい新1学年を乗組員として迎え、新年度という大海原に向け出港した。その目指すところは勿論、年度最優秀大隊の獲得であり、これには各種競技会における好成績の獲得及び学生服務の充実が必須であり、前期は新年度の基礎、方向を決める最も大切な時期だ。
競技会では4月早々に2学年を中心としたカッター競技会が控えている。これは年度最初の競技会であり、その勝敗は、これ以降の学生の士気にかかわる重要な競技会である。そのほかにも数回の観閲式訓練が予定されており、小さなことでも着々と積み重ねることが重要となる。
学生服務の面では、入校したての1学年の素養づくり及び上級生の指導力の向上、自己修練の風潮を作り、中期以降へとつなげ、発展させてゆかねばならない。
競技会と学生服務、そのどちらにおいても重要なのが、学生間指導の在り方である。防衛大学校の学生舎は学生が主体となり運営するため、下級生指導も上級生たる学生が行う。ここでいかに効果的な指導ができるかが、大隊としての要となる。正しい根拠を示し、本質を捉え、思考の伴った指導を心がけるよう、勤務学生を中心として働きかけてゆく。
その目指すところは「大和魂」の体現である。
3学年 横山 慶次郎
地球海洋学科 私立初芝富田林高校(大阪府出身)
防衛大学校における計11個の競技会のなかで唯一、4学年のスタッフが存在しない競技会がある。それが断郊競技会である。断郊競技会に関する全ての企画・運営は、3学年が自ら考えて実行しなければならない。すなわち断郊競技会で優勝することは、学生隊で1大隊の3学年が体力、企画力、そして団結力が最も優れているということを証明することになる。私は1大隊責任者として、このように意気込んで断郊競技会に向けて練成を開始した。
断郊競技会は1コ分隊約8名で計12コ分隊を編成し、これらの分隊が完走するまでに要した平均タイムで勝敗が決する。1つの分隊がどれだけ速く走ることができたとしても、1大隊内の底上げが図られない限り大隊優勝という目標は達成されない。このように断郊競技会は一部の学生の努力で勝利できる競技会ではない。
しかし、4学年への進級を控える3学年は勉学・校友会・学生舎生活において日々多忙を極めており、なかなか練習に足を運んではくれない。過去の大隊責任者は、誰もがこの練習参加率の問題に直面したことだと思う。その他にも断郊競技会は約6.5キロの荷物を背負って約7キロのコースを走るため、当然のことながら身体に負荷がかかり怪我人が続出する。未然防止により怪我人を局限するかも重要となってくる。
こういった問題が発生するたびに、自身の組織マネジメント能力の低さに失望した。しかし、約4ヶ月間様々な課題に直面したが、そこから目を背けるのではなく、勝てる組織を作るために試行錯誤を繰り返し、スタッフや各役職間で議論を交わした。課題克服のための糸口がつかめない時は、指導教官や4学年にも徹底的に質問した。他の大隊と比較して、大隊責任者の企画力・組織運営力といった点では下回っていたかもしれないが、指導教官等からの指導を受け3学年全体で課題克服のために費やした時間は間違いなく上回っていたと考える。その結果、大隊優勝を果たすことができた。
大隊責任者としてこれまで3学年には厳しい練習を強いてきたが、大隊優勝という形で報われたことに安心すると共に、1大隊3学年の団結力が証明できたことを誇らしく思っている。