防大かわら版VOL.118

2020年03月17日

防大かわら版ロゴ

◯掲示内容一覧
 ・防大4年間の想い出、今後の抱負【各大隊】

防大4年間の想い出、今後の抱負

4学年 大窪 遼介
 地球海洋学科 神奈川県立横浜修悠館高等学校(福岡県出身)

 卒業を間近に控え、防衛大学校で過ごした4年間の生活は驚くほど短く感じられた。しかし、一つ一つの想い出を振り返ると、その場面・状況が鮮明に思い出せる。もちろん失敗は多々あったが、それも含めて全て自分の経験・教訓として根強く刻み込まれ未来への糧になっていると強く感じている。
 1学年時は上級生からの厳しい指導を受けていく中で、仲間の大切さを知ることが出来た。2学年時は勉学や校友会に励み、自分の可能性を知ることが出来た。私は少林寺拳法部に所属しているが、2学年時には関東大会に出場することも出来た。3学年時はタイ王国陸・海・空士官学校にそれぞれ派遣される機会をいただき、国際的な視野を広げることが出来た。4学年時は部屋長や中期中隊学生長を経験し、幹部自衛官としての素地を学ぶ機会をいただいたことについて僥倖に感じている。
 4年間を通じて言えることは、その時出来る努力、その努力の過程と結果と教訓全てが今の自分を作っているので無駄なことなど一つもなかったという事である。後から振り返って、「あの時の俺は何をやっていたんだ」と嘆くようなことの無いように意識して生活してきたので、振り返ってみて無駄なことが一つもなかったと言えるのは大変喜ばしいことである。
 今後については、どうすれば自分の経験と可能性を活かせるかを考え、我が国の平和、国民の幸せを考え、加えて自分自身の修行(心身錬磨、文武両道)も行っていきたい。その為に、先輩方のお話を大切にし、後輩達の声を拾いつつ、努力していく所存である。

タイ派遣にて(右端が本人)

4学年 山口 汰朗
 電気電子工学科 暁星国際高等学校(千葉県出身)

私が自衛隊の存在について初めて知ったのは、11歳の時だ。公園で骨折をしてしまった私は、そこに駆けつけた男性2人によって応急処置をしてもらった。実はその男性2人、自衛隊で看護師として勤務されていた方々で、家族と公園に遊びに来ていたのだ。そこで私は人の為に役立つことの尊さを知った。そこから私は、防衛大学校を目指すことを決意した。1~3学年では小隊学生長付という役職に就き、自身の長所、短所を客観的に分析しながら組織や統率について学び、4学年では大隊幕僚という役職に就き、組織運営について学んだ。また、3学年時には4ヵ月間、フランス海軍士官学校へ派遣をする機会をいただき、勉学、訓練、語学習得に励んだ。そこでは、同期の大切さはもちろん、母国語以外の言語でコミュニケーションを図る難しさ、防衛大学校に来ている留学生がいかに努力をしているかを学んだ。4学年になると時間に対して余裕ができるとともに、物事を深く考えるようになった。そして同期は一段と大切な存在となった。振り返ると長いようで短い、かけがえのない4年間であった。
 卒業と同時に階級がつき、責任感をより自覚して生活しなければならない。私はこの4年間で学んだことと派遣で培った語学力を活用して日本人だけでなく海外の軍人と共に仕事をすることで、自衛隊と各国軍隊の相互運用性の向上や日本のプレゼンスの強化だけでなく、安定した国際安全保障環境の創出に寄与したいと考えている。到底、一筋縄ではいかないと思う。しかし壁を乗り越えてこその「夢・目標」だと考えている。この気持ちを胸に、日本のために貢献していきたい。

校友会(右端が本人)

4学年 田茂井 直孝
 人間文化学科 京都市立堀川高等学校(京都府出身)

私にとって、防衛大学校生活の4年間における最大の宝は人とのつながりである。つらく厳しい学生舎生活や訓練を共に乗り越えた同期、厳しくそして優しく教え導いてくださった上級生、拙い自分の指揮についてきてくれた下級生、常に自衛官としてのあるべき姿の範を示してくださった指導教官の方々、これら多くの人々に支えられて4年間の生活は充実したものとなった。
 防衛大学校の生活において、我々はいろいろな組織に所属している。学生舎・学科・訓練・校友会など様々な単位の組織に所属しながら、各種行事や運営に際して、フォロワーあるいはリーダーとして役割を果たす。時には意見の衝突を乗り越えて、みんなで一つのものを作り上げていく。リーダーあるいはフォロワーが優れているだけが成功の条件ではない。相互の協力という大きな力を発揮しない以上、一つの成功を得ることはできない。
 自衛隊生活において人との関わりは必要不可欠である。自衛隊の任務を鑑みれば、部下と生死を共にする国土防衛、地方自治体と連携しながら実施する災害派遣、現地の人々との相互理解を築き上げて遂行するPKO任務など、その多くは人とのつながりなくして遂行できない。防大での4年間は、その重要性の一端を痛感させてくれた。
 お世話になった多くの人々の期待に応えるためにも、人とのつながりを大切にしながら、これからは1人の自衛官として日々精進し、任務に邁進していく所存である。

校友会の同期との集合写真(前列左端が本人)

4学年 田中 俊貴
 航空宇宙工学科 北海道札幌白石高等学校(北海道出身)

防衛大学校で過ごした4年間を振り返ると、貴重な経験を数多くし、一生の中で最も大切なものを得ることができた毎日だったと思う。希望と不安で胸が一杯だった着校日から今日まで、同期という仲間と共に辛いことや楽しいことを分かち合いながら生活してきた毎日は、自分にとって一生の宝になった。
 防衛大学校の生活は、訓練、学生舎生活、校友会、勉学から成り立っており、その一つ一つが自分を成長させてくれた。特に学生舎生活では、先輩の方々が親身に時には厳しく指導をしてくれ、いつも同期が傍で支えてくれた。また4学年時には競技会の責任者等を経験し、後輩教育を行う者としての責任感が増すとともに、幹部自衛官として勤務する上での基本的な考え方を身につけることができたと考える。
 こうした一連の生活の中で「一人では何もできない」「信頼できる人間性」という最も大切な二つのことを学んだ。困難なことに立ち向かう時には、必ず誰かが助けを差し伸べ、そのお陰で前に進み、その過程で失敗も成功も経験しながら成長していけるのだと感じた。また、人との関わりは信頼の上に成り立つものであり、信頼できる人間性を養うことが重要であると身に染みて感じた。これから国家防衛の任に就くにあたり、防衛大学校で得た知識や経験、素晴らしい人間関係を大切に国民の負託に応えるべく、職務に邁進していく所存である。

カッタークルー長の様子(本人)

防大かわら版