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自衛艦隊司令官の年頭訓示

    平成31年 年頭の訓示  新年おめでとう。  平成最後の結節となる年の初頭にあたり、諸官とともに新春を迎えることができたことを心から喜びたい。また、今このときも東シナ海など我が国の周辺海域、ジブチ及びソマリア沖・アデン湾、バーレーン、そして全国各地の部隊において、それぞれの任務に邁進している隊員と、留守を預かっておられるご家族の皆様に心から敬意と感謝の意を表するとともに、今年も我が国の海上防衛の任を全うすべく、決意を新たにしているところである。  さて、周知のとおり、周辺国の軍事力増強や海洋進出、力による現状変更の試み等、アジア太平洋地域における安全保障環境が、複雑かつ不安定化の傾向を強めていることは、諸官も肌で感じていることと思う。北朝鮮は、度重なる弾道ミサイルの発射は影を潜めたものの、依然として国連制裁を逃れるいわゆる「瀬取り」を繰り返している。また、中国、ロシアも、我が国周辺のみならず世界的に軍事活動を従前にも増進し続けているところである。  加えて、ソマリア沖、アデン湾等における海賊事案は、我が国を含む国際的な取り組みにより著しく減少したものの、当該地域における貧困や内政課題は依然として解決には至っていない。  我々を取り巻く情勢は常に変化を続け、様々な脅威が潜在している。我々はこれらの変化に、その都度適切に対応し、我が国を取り巻く脅威を顕在化させないために、その努力を一時も途切らせてはならない。国家の平和と独立を護り、国民の安心と安全を勝ち取るための「闘い」は、今この瞬間にも続いている。我々の「闘い」は、弾を撃ち合い、血が流れる凄惨な戦争に至らせないための最も価値のある「闘い」であり、我々自衛艦隊は、常にこの「闘い」の最前線に立ち、自分達にしかできない「常在」を体現している。  この「闘い」に勝ち抜くため、本年も「精強・即応」の伝統を堅持する。そして、平素から戦争という凄惨な状況に至らせないための「闘い」を、今正に続けているという「常在」の意識を持ち、それぞれの配置において日々の任務に邁進し、光り輝き続けてもらいたい。  新たな年においても、自衛艦隊がその実力を遺憾なく発揮することができるよう、諸官と共に、着実に前進していきたい。諸官一人一人の更なる献身と健闘を期待するとともに、諸官とご家族皆様の輝ける一年を祈念して、年頭の訓示とする。 平成三十一年一月七日         自衛艦隊司令官  海 将  山 下  万 喜

        
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