海上自衛隊幹部学校

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 リーディングリスト

 

2019年「海幹校リーディングリスト」掲載にあたって

   海上自衛官のための「海幹校リーディングリスト」を2017年8月に初めて公表してから、2年が経過しました。幸いにして、内外から予想以上の反響を頂き、海上自衛隊幹部学校が実施する教育へのご理解・ご関心を深めていただく一助となったことは望外の喜びです。この間、我が国を取り巻く安全保障環境はめまぐるしく変化し、国際社会のパワーバランスの変化は加速化・複雑化の一途をたどっています。また、宇宙・サイバー・電磁波といった新たな領域の利用の急速な拡大は、陸・海・空という従来の物理的な領域における対応を重視してきたこれまでの国家の安全保障の在り方を根本から変えようとしています。こうした情勢の変化に鑑み、新規推薦図書を追加し、2019年リーディングリストとして掲載します。
   「海幹校リーディングリスト」の理念に変わりはなく、すべての幹部海上自衛官、特に、幹部学校指揮幕僚課程を志す者を対象に、「知的に強い組織」に必要不可欠な「知的に強いリーダー」育成を目的としています。2019年リーディングリストは、2018年版に加え、「アカデミック・フリーダム」を基本理念とする海上自衛隊幹部学校の教官・研究者が、それぞれの専門領域から新たに22冊を選定しました。これらは、絶版になっておらず、誰もが入手容易な図書であり、選定者の裁量で専門度及びコメントを記載しています。
   予断を許さない国際安全保障環境、日進月歩する科学技術、限られた人的基盤という情勢下において、我が国の海上防衛の最前線にある海上自衛隊の責務は増大の一途をたどっています。このような中で幹部海上自衛官には、「勇将の下に弱卒無し」とあるように、よりいっそうの知力・統率力の発揮が求められます。そのためにも、賢者の知識・思索に触れることで、戦略と人物を練り、人をいかす組織運営のための自己研鑽に励むことを望みます。そして、一般の皆さまにもこの取り組みへのご理解を頂くことを願う次第です。

2019年 海上自衛隊幹部学校長 海将 乾 悦久



安全保障 安全保障 安全保障 安全保障
安全保障 安全保障 安全保障 安全保障

安全保障

2019.8.1追加
『シビリアンの戦争―デモクラシーが攻撃的になるとき―』
三浦 瑠麗/岩波書店/2012
   政軍関係をテーマにした良書。軍が戦争に消極的であったのに、文民指導者や国民が主導して戦争へ突き進んだ事例を鋭く分析し、平和とはどう維持されるべきなのかを問いかけている。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『21世紀の戦争と平和―徴兵制はなぜ再び必要とされているのか―』
三浦 瑠麗/新潮社/2019
   政軍関係の中でも、なぜフランスやスウェーデンで徴兵制の復活が議論されているかなど、徴兵制に焦点を当て、平和のため現代民主主義国家と平和の関係について考察している。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『世界地図を読み直す』
北岡 伸一/新潮社/2019
   本書の副題は「協調と均衡の地政学」である。大国の周辺国からの視点による新たな「世界地図」が提示される。ロシアや中国の世界戦略が明確となる。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『スタンレー・ホフマン国際政治論集』
スタンレー・ホフマン著/中本義彦編訳/勁草書房/2011
   リアリズム対リベラリズムという明快ながらも単純な二元論では割り切れない著者の精緻な論理展開が、読者に自ら思考することを求めてくる良書。著された年代や分野がバランスよく選別され、どの論文からでも読み進めることができる。内容は高度だが、翻訳は読みやすい。(専門度:☆☆☆)

2019.8.1追加
『日本政治史―外交と権力―』〔増補版〕
北岡伸一/有斐閣/2011
   副題にあるとおり、外交の様相と権力のありかに着目して日本の近現代史を解き明かした書物。奇を衒わない視点に立った端正な筆致はとても読みやすい。バランスの取れた国際政治観を養うために、日本の政治外交史の素養は欠かせない。(専門度:☆)

2019.8.1追加
『苦渋の選択』
デイヴィッド・A・ウェルチ著/田所昌幸監訳/千倉書房/2016
   国際関係に関する理論化の限界を承知しつつ、対外政策が変更される要因について、仮説を立てて検証を試みた書物。応用的な色彩が濃いが、フォークランド(マルビーナス)諸島紛争やベトナム戦争を取り上げた事例研究の部分は、幹部自衛官にとっては一読の価値あり。(専門度:☆☆☆)

2019.8.1追加
『外交感覚』
高坂正堯/千倉書房/2017
   生前、著者が1977~1995年にかけて新聞紙上でほぼ毎月連載した時事評論をまとめたもの。高度成長を成し得た後の日本を巡る国際情勢について、ヨーロッパ外交史に造詣の深い筆者ならではの視点から読み解いており、理論だけでは説明し得ない外交を捉えるセンスを養う好著。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『Wired for War』
P.W. Singer/Penguin Books/2009
   軍用ロボット技術が今後どこへ向かい、人類にどのような影響をもたらすのかを軍、産業、政治等のそれぞれの思惑が複雑に絡み合う現状において安全保障問題の専門家が明らかにしようと試みた本。米海大でも必読の書とされている。翻訳本『ロボット兵士の戦争』もあり。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『国際政治学 New Liberal Arts Selection』
中西 寛、石田 淳、田所 昌幸/有斐閣/2013
   大学生向けの教科書としてよくまとめられた書物。国際政治に関する理論の概観から歴史的経緯や現代の国際問題に至るまで、色刷りや図表を用いながら分かりやすく説明されている。安全保障についても一章を割いており、幹部自衛官として国際政治を考える素地を養うには好個の一冊。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『新:国際政治経済の基礎知識 新版』
田中 明彦、中西 寛 編/有斐閣/2010
   上記の書物が教科書としての性格が強いのに対し、これは言わば事典あるいはハンドブックといった性質のものである。「勢力均衡」といった基本的な概念はもとより、「核拡散問題」「グローバリゼーション」のような現代的なトピックが、専門研究者により平易に説明されている。時事問題に触れる際、手元に置いておくと便利。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『国際社会との関わり方を考える』
渡邉 昭夫/ヌース出版/2017
   本書は、「21世紀がどうなるかは、我々の思想と行動にかかっている」から始まる。冷戦の終結とともに20世紀は幕を閉じたが、21世紀は米国に対する同時多発テロとともに始まり、日本は、いわゆる「激動の世界」に入ることとなる。筆者は東京大学で教鞭をとり、また、日本の外交を第一線で支えるブレインとして世紀の変わり目を経験してきた。その稀有な昭和史と外交史を見逃すことはできない。(専門度:☆☆☆)

2018.7.1追加
『台湾をめぐる安全保障』
安田 淳、門間 理良/慶應義塾大学出版会/2016
   日本の安全保障において台湾の位置は重要な要因の一つである。また、台湾海峡の平和と安全は日本の国益にとって大変重要となる。日本と台湾の関係を考察するのに不可欠な中国との関係を分析した上で、問題意識を提示し、台湾を巡る安全保障が再検討された著書である。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『中国はなぜ軍拡を続けるのか』
阿南 友亮/新潮社/2017
   中国共産党が軍拡を本格的に推進するに至った政治的背景と経緯、軍拡の諸側面、日中関係の影響について、1970年代半ばから2000年代初頭の約30年間の分析を提供している。人民解放軍の本質を理解するのに必要不可欠な一冊。(専門度:☆)

『サイバーセキュリティと国際政治』
土屋 大洋/千倉書房/2015
   サイバーとインテリジェンスが国際政治に及ぼす影響に関し読みやすくまとめられており、サイバーの安全保障に及ぼす影響について理解できる。(専門度:☆☆)

『2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する』
英エコノミスト編集部(東江 一紀、峯村 利哉 訳)/文芸春秋/2012
   グローバルエリート誌が今後約40年を多角的に予測しており、今後の世界情勢を予測する上での必読書である。(専門度:☆)

『2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する』
英エコノミスト編集部(土方 奈美 訳)/文芸春秋/2017
   グローバルエリート誌が今後約30年を科学技術を基に予測しており、今後の世界情勢を予測する上での必読書である。(専門度:☆)

『フランス敗れたり』
アンドレ・モーロワ(高野 弥一郎 訳)/ウェッジ出版/2005
   第3共和政の仏は敗れるべくして敗れた。WW1の敗戦から生まれた民主主義は国家否定のユートピア的国際平和主義に染まり、その結果、独による侵略を防ぐことができなかった。著者はその反省から、国家、政治家、国民の在り様を提言しており、歴史を学ぶのに好適な書である。(専門度:☆)

『軍人と国家(上)(下)』
サミュエル・ハンチントン(市川 良一 訳)/原書房/2008
   シビル・ミリタリーリレーションズ、政軍関係論の古典的名著。軍事専門職の発展について、19世紀以降の欧米、日本における事例を使い明らかにしている。自衛官が自らのプロフェッショナリズムを考えるのに必読の書である。(専門度:☆☆☆)

『アメリカ外交50年』
ジョージ・ケナン(近藤 晋一、飯田 藤次、有賀 貞 訳)/中公文庫/2016
   米国の戦後外交のあるべき姿と現実感覚の重要性を提言した古典的名著である。(専門度:☆☆)

『ジョージ・ケナン回顧録1~3』
ジョージ・ケナン(清水 俊雄、奥畑 稔 訳)/岩波現代文庫/2008
   冷戦下におけるソビエトの封じ込め政策を提言し、冷戦期の米国外交に決定的な影響を与えた外交官でもあり知識人の回顧録である。(専門度:☆☆)

『歴史の教訓-アメリカ外交はどう作られたか』
アーネスト・メイ(進藤 栄一 訳)/岩波文庫/2011
   為政者の政策決定判断の背景を外交史家であるアーネスト・メイが歴史をふまえて検証する。(専門度:☆☆)

『危機の二十年』  
E・H・カー(原 彬久 訳)/岩波現代文庫/2004
   戦間期20年の国際政治に展開した理想主義(ユートピアリズム)と現実主義(リアリズム)の相克と確執を分析し、真の政治的姿態をあらわにした戦争と平和と国際問題を考えるための必読書である。(専門度:☆☆)

『国際政治』
高坂 正堯/中央公論新社/1968
   冷戦時代に書かれたものであるが、国際政治に関する入門書としては決して色褪せない。なぜ戦争の危機は無くならないのか。経済交流、国際機構などを検討しながら戦争と平和を考える入門書である。(専門度:☆)

『国際政治とは何か』
中西 寛/中央公論新社/2003
   高坂の国際政治の続編とでもいう本。冷戦後の多様化する価値、多極化する世界を背景に、国際政治、安全保障、政治経済の変化を簡明に説明する入門書である。(専門度:☆)

『国際秩序』
細谷 雄一/中央公論新社/2012
   近代ヨーロッパが生んだ国際秩序、ウィーン体制、世界大戦、その後の国際秩序構築。そこに至る戦争と秩序構築の変遷を理解するのに最適な一冊である。(専門度:☆)

『海が日本の将来を決める』
村田 良平/成山堂書店/2006
   海に携わる海上自衛官としては、最低限、海に関する幅広い知識を持ちたいものである。本書は地球物理学から文化人類学、海洋をめぐる歴史、戦争を幅広く網羅し、そのうえで日本が直面する諸問題について、整理したものであり、勉強嫌いな初級幹部には最適である。(専門度:☆)

『国際レジームとガバナンス』
山本 吉宣/有斐閣/2008
   グローバリゼーションが進む冷戦後の世界において、国際的な制度や機構が果たす役割、理論を解説した本。理論的な解明の後、経済や安全保障分野に応用し、実証的に述べた解説書である。(専門度:☆☆)

『海洋国家としてのアメリカ:パクス・アメリカーナへの道』
田所 昌幸、阿川 尚之/千倉書房/2013
   同盟国アメリカを海洋国家の視点で、その建国から現代までの9つのトピックで描き出す好著。海上自衛官のみならずアメリカに関係する人、すべてが素養として読むべき一冊である。(専門度:☆☆)

『安全保障の国際政治学[第二版]』
土山 實男/有斐閣/2014
   国際体系の基本的構造や人間の心理などとともに国際政治の理論を分かりやすく説明した必読書である。(専門度:☆)

『中国をめぐる安全保障』
村井 友秀、阿部 純一、浅野 亮、安田 淳/ミネルヴァ書房/2007
   中国については、軍事を中心とした安全保障が長く軽視されてきたことから、本書は中国の陸海空軍の実力の他、政治・経済の相互作用なども視野に論じた必読書である。(専門度:☆)

『中国の安全保障戦略』
平松 茂雄/勁草書房/2005
   隣の大国は「何から、何を、何で」守ってきたのか。中国の安全保障戦略を学ぶ基本書の一冊である。(専門度:☆)

『中国の海洋戦略』
平松 茂雄/勁草書房/1993
   当時の東シナ海における中国による一連の出来事を単なる事案ではなく、中国の東シナ海進出の流れの中でとらえて分析している。(専門度:☆)

『安全保障学入門[新訂第四版]』
防衛大学校安全保障学研究会/亜紀書房/2009
   安全保障をやさしく解説し、安全保障的思考の訓練に供する入門書である。(専門度:☆)

『国際政治―権力と平和』
ハンス・モーゲンソー(原 彬久 監訳)/岩波文庫/2013
   リアリズムの観点から、「力」と「国益」という概念をもって平和が得られることを主張した国際政治学の古典的名著である。(専門度:☆☆☆)

『中国政治からみた日中関係』
国分 良成/岩波現代新書/2017
   日中関係の変動要因を、中国の国内政治を分析することにより明らかにした書である。(専門度:☆)

『アメリカ外交の大戦略-先制・単独行動・覇権』
ジョン・ルイス・ギャディス(赤木 完爾 訳)/慶應義塾大学出版会/2006
   9.11以降のアメリカ外交の先制的行動と覇権的な動態をアメリカの伝統的安全保障観に基づき議論した名著である。(専門度:☆)

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国際法等

2018.7.1追加
『Tallinn Manual 2.0 on the International Law Applicable to Cyber Operations』
Michael N. Schmitt/Cambridge University Press/2017
   現在世界中で対応が急がれている喫緊の課題であるサイバー攻撃に関して、法律の専門家が集い、検討を行ったサイバー攻撃に関する国際法のルールをまとめた書。サイバー戦以外にも将来の戦い方を研究する上で、最新の国際法(ルール)を学べる基本書。解説書『サイバー攻撃の国際法』あり。(専門度:☆☆☆)

『ビジュアルテキスト国際法』
加藤 信行、植木 俊哉、森川 幸一、真山 全、酒井 啓亘、立松 美也子/有斐閣/2017
   写真や地図等の素材を豊富に使用して著名な国際法学者がわかり易く国際法全般を解説している。国際法を知らない者や法学部以外の者の学習に適した書である。(専門度:☆)

『プラクティス国際法講義[第三版]』
柳原 正治、森川 幸一、兼原 敦子 編/信山社/2017
   国際法の理解に必要な項目や知識が網羅的に記載されているだけでなく、各章末に確認質問として理解度を確認するための工夫がなされている。(専門度:☆☆)

『国際海洋法[第二版]』
林 司宣、島田 征夫、古賀 衛/有信堂高文社/2016
   領海、国際海峡等の海洋法の詳細な解説のほか、EEZにおける軍事活動等、近年の海洋法の争点についても記載されており、海上自衛官として必読の書である。(専門度:☆)

『実務者のための国際人道法ハンドブック[第二版]』
鈴木 和之/内外出版/2016
   国際人道法(武力紛争法)に関する条約等を網羅的に掲載している書である。条文の紹介が主であるが、国際人道法の歴史的経緯や対立する学説等も掲載されている。(専門度:☆☆)

『海上武力紛争法サンレモ・マニュアル』
人道法国際研究所/東信堂/1997
   海戦に適用される国際法は大部分が慣習国際法であり曖昧な点が多かったため、人道法国際研究所が招請した専門家らによって海戦に適用されるべき国際法が示された上で解説を付した書である。(専門度:☆☆)

『新・日本の防衛法制』
田村 重信/内外出版/2018
   我が国の独特な防衛法制(憲法9条、自衛隊法等)を丁寧に紹介し、関係する条文や専門用語についての国会答弁等も引用しており詳細な解説がなされている書である。(専門度:☆☆)

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戦  略

2019.8.1追加
『戦略の世界史(上)』
ローレンス・フリードマン/貫井 佳子/日本経済新聞出版/2018
    戦略とは、あらゆる組織が必要としているものである。戦略とは、いつから人間の世界に登場し、どのように用いられ、変容してきたのかについてまとめた良書である。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『クラウゼヴィッツの「正しい読み方」-『戦争論』入門-』
ベアトリス・ホイザー著/奥山真司・中谷寛士訳/芙蓉書房出版/2017
    類書と異なり、これまでに蓄積された先行研究を踏まえながら現代的意義を確かめている点が優れている。戦争の本質について理解を深めるためにも、著名な現代の戦略研究者の考えを俯瞰するためにも、分かりやすくまとめられた書物である。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『大戦略論』
ジョン・ルイス・ギャディス著/村井章子訳/早川書房/2018
   かつての冷戦を歴史学の視点から分析した著者が、歴史に関する豊富な学識をもとに論じる戦略論は、即効性を求める向きには筆者が示唆する知恵を汲み取ることは難しいだろう。今回、本リーディングリストに挙げられたローレンス・フリードマンと読み比べても面白い。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『海洋戦略論』
後瀉桂太郎/勁草書房/2019
   主要国の戦略文書や戦力組成をもとにそれぞれの海軍戦略が形成された因果関係を明らかにした、これまでに例を見ないユニークな書物。学術的水準も高く、中級幹部以上であれば、筆者が投げ掛ける分析手法とその結論を批判的に読みこなしたい。(専門度:☆☆☆)

2019.8.1追加
『現代の軍事戦略入門〔増補新版〕』
エリノア・スローン著/奥山真司・平山茂敏訳/芙蓉書房出版/2019
   現代の主な戦略思想の特徴とそれらの間の対立点などを概観している入門書。初学者にとっては、自らの漠然とした問題意識を絞り込んでいく良き方位線となるであろう。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『陸と海 世界史的な考察』
カール・シュミット著/中山元訳/日経BP/2018
   娘に語るという形に託した空間論は平易で読みやすい語り口である。ランドパワー対シーパワー論は決して目新しくはないものの、歴史的なエピソードをふんだんに織り込んだストーリーは、宇宙やサイバーに広がる現代の空間革命を考える上でヒントを与えてくれる。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『米中戦略関係』
梅本 哲也/千倉書房/2018
   本書は、『核兵器と国際政治-1945-1995』(1996)、『アメリカの世界戦略と国際秩序-覇権、核兵器、RMA』(2010)に続く、梅本氏の三冊目の戦略論である。本書の主題は、米中関係を敵とも味方ともいえる「フレネミー関係」と規定し、米中の戦略関係を多面的に捉えるとともに、米中間に生じている種々の戦略的対立の起原を知ることができる。現在の東アジアの流動的な戦略的状況下、読まれるべき好著である。(専門度:☆☆☆)

2018.7.1追加
『米中戦争前夜』
グレアム・アリソン/ダイヤモンド社/2017
   本書は、過去500年間の新旧大国の衝突を事例に、現代における米中戦争の可能性と回避の方策を論じたもので、筆者のアリソンはかつて『決定の本質』において3つの政策決定過程モデルを提示し、国家の政策決定が合理性のみでは説明しきれないことを示唆した。本書では、新興国の台頭が覇権国を脅かし、構造的ストレスを生成させる「ツキジデスの罠」を解説する。果たして、米中対決は不可避か否か?理論的分析、歴史的分析ともにモデルとなる好著である。(専門度:☆☆☆)

2018.7.1追加
『中国外交戦略 -その根底にあるもの-』
三船 恵美/講談社/2016
   現在の中国の外交方針、国際戦略、安全保障戦略を整理し、近未来における日中関係を展望する。中国の思考と行動原理を分かりやすく説明している。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『「新しい戦争」とは何か:方法と戦略』
川上 高司 編著/ミネルヴァ書房/2016
   世界各国の新しい時代の戦争方法を、若手の研究者を中心に戦略、技術、政軍関係と広範な分野をカバーする論文集。短編17章で読みやすい。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『戦略論 現代社会の軍事と戦争』
ジョン・ベイリス、ジェームズ・ウィルツ、コリン・グレイ/勁草書房/2012
   初版は2002年であり、本著は2010年に出版された第3版を訳したもの。世界中の大学院や指揮幕僚大学のテキストとして使用されている基本文献である。原著にはない「文献ガイド」が充実しており、自学の手引きとなる。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『戦略の未来』
コリン・グレイ/勁草書房/2018
   現代の戦略家の中でも評価の高い英国のグレイ教授による、これまでの戦略研究のサマリーと呼んでよい一冊。原著自体も150ページと平易である。これまでとこれからの戦略家が読むべき一冊。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『新時代「戦争論」』
マーチン・フォン・クレフェルト/原書房/2018
   「戦争とはどんなものなのか。起源はどこにあるのか。どんな性質を持つのか…」といった問いに答えるため、古今東西の戦略家(孫子、クラウゼヴィッツ、マハン等)を引用しつつ、現代、将来の戦争について深く研究した本である。(専門度:☆☆)

『海の地政学-海軍提督が語る歴史と戦略』
ジェイムズ・スタヴリディス(北川 知子 訳)/早川書房/2017
   NATO欧州連合軍最高司令官を務めた米海軍提督の書。海上勤務経験や部下指導の苦労を盛り込みつつ、世界の海洋を歴史的見地や現代における戦略的視点から総合的に分析している。底流にはマハンのシーパワー論も流れる、海上自衛官必読の書である。(専門度:☆)

『戦略的思考とは何か』
岡崎 久彦/中央公論新社/1983
   岡崎久彦は、外務省在外勤務、防衛庁参事官、初代情報調査局長、サウジアラビア大使等を歴任、この本の中で『歴史的ビジョン』の必要性を説くとともに、「国際関係とは、異なる国益をいかに調整するか」であること等を主張している。(専門度:☆☆)

『軍事の事典』
片岡 徹也 編/東京堂出版/2009
   軍事に関して、すべての基準書となる書。軍事の古典概念、現代軍事の用語、戦略の事、基礎概念と用語、指揮と野外要務、日本の軍事、列国の軍事という章立てになっており、時代を超える基礎概念が明晰に叙述されている。(専門度:☆)

『地政学入門』
曽村 保信/中央公論新社/1984
   マッキンダーとハウスホーファーという古典的地政学者を辿り、アメリカを中心とした現代の地政学まで描く。冷戦時代に書かれたが、古典ともいえるロングセラー、地政学の入門に最適である。(専門度:☆)

『「大国日本の揺らぎ」日本の近代(8)』
渡邊 昭夫/中公文庫/2014
   沖縄の本土復帰で「戦後」を終わらせた日本。その後石油危機、日米貿易摩擦、バブル崩壊等の試練を受け続ける。戦前戦後の通史の最終巻。著者は「樋口レポート」(安保懇報告書1994)の執筆者である。(専門度:☆☆)

『歴史と戦略』
永井 陽之助/中公文庫/2016
   クラウゼヴィッツの「戦争論」を中核とした戦略論入門に始まり、真珠湾攻撃、チャーチルの情報戦、レーニンの革命、ヒトラーの戦争などさまざまな戦史から「失敗の教訓」を探る。(専門度:☆☆)

『新編 現代と戦略』
永井 陽之助/中公文庫/2016
   政治的リアリズムの立場から戦後の経済重視・軽武装路線を「吉田ドクトリン」と定義づけ、軍事的リアリストへの批判を展開した戦略論の名著である。(専門度:☆☆)

『アメリカの対中軍事戦略 -エアシー・バトルの先にあるものー』
アーロン・フリードバーグ(平山 茂敏 監訳)/芙蓉書房/2016
   中国の海洋進出にどのように対処すべきか。エアシー・バトルをはじめとして、間接的な方法としての遠距離海上封鎖、海洋拒否戦略等、米国内での議論を整理し、今後の対中抑止の戦略はどのようになるかを詳細に検討した名著。海上自衛隊幹部学校戦略教官室有志が翻訳している。(専門度:☆☆)

『クラウゼヴィッツ「戦争論」入門』
井門 満明/原書房/1982
   難解とされるクラウゼヴィッツの「戦争論」を分かりやすく簡潔に解説。不朽の名著「戦争論」を読み進める前に読むべき入門書である。(専門度:☆)

『エドワード・ルトワックの戦略論』
エドワード・ルトワック(武田 康裕、塚本 勝也 訳)/毎日新聞社/2014
   戦略の「作戦レベル」を提唱し、それを司る方法論である「作戦術(Operational Art)」を提唱した碩学による戦略論。戦略の各レベルを豊富な軍事史の事例から分析し、ルトワック流の普遍的な論理を導出している。(専門度:☆☆)

『戦略の本質』
野中 郁次郎 他/日本経済新聞社/2008
   勝利を導き出す戦略に共通点はあるのか、という問題意識のもとに、『失敗の本質』のメンバーが、戦略論の系譜を整理した上で、戦史に学ぶリーダーシップを俯瞰し、戦略の本質に迫る本。賢慮型リーダーシップが必要であることが分かる。(専門度:☆)

『戦争論』
カール・フォン・クラウゼヴィッツ(日本クラウゼヴィッツ学会 訳)/芙蓉書房出版/2001
   「戦争は他の手段をもってする政策の継続にすぎない」という名言など、画期的な新訳でよみがえった偉大な古典である。冷戦後、なおも混迷の度を深める国際社会の理解に、現代のマネジメントの指針にもなる戦略理論書として現代人必読の書である。戦争の現場での不確実性、士気の重要性から始まり、大局的に確固たる目標を立てた後に戦争を始めるか否かを内閣が政策として決定することの重要性を論じている。(専門度:☆☆☆)

『新訂 孫子』
金谷 治 訳注/岩波書店/2000
   2400年以上前に書かれた兵法書で原文はわずか6000字に過ぎないが、現代でも最高評価を受けている。本書は、現代語に訳され、平易な注を加えたわかりやすい基本書である。戦略・戦術だけでなく人の知識やあり方にも触れられ、その本質をつく深い洞察は現代の事業戦略を考える上でも非常に参考となる名著である。(専門度:☆)

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情  報

2018.7.1追加
『戦争広告代理店』
高木 徹/講談社/2002
   ボスニア紛争時の舞台裏におけるPR会社の情報操作を取り上げ、「国際世論を作り、誘導する情報戦」の実態を明らかにするドキュメントである。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『国際メディア情報戦』
高木 徹/講談社/2014
   『戦争広告代理店』の著者によるアップデート版。21世紀に入り激しさを増す国際情報戦の姿を描き出しており、戦略的コミュニケーションを学ぶ者にとっては必読の書。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『インテリジェンス -機密から政策へ-』
マーク・M・ローエンタール/慶應義塾大学出版会/2011
    国家安全保障政策の策定とインテリジェンス活動との関係について、米国の大学での著書の講義をもとに著された入門書。ドキュメンタリーではないため刺激的な内容ではないが、俗論に惑わされない、インテリジェンスに関して地に足の着いた視点を得ることができる。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『陰謀の日本中世史』
呉座 勇一/KADOKAWA/2018
   タイトルに「陰謀」とあることから、さてどのような陰謀が中世に張り巡らされていたのかと思い手に取るが、実は中世史を巡る俗論、陰謀論に対する反論の書である。明快な解答と歴史の深奥に触れたという優越感をも与えてくれる陰謀論は、しかし真実に至る道ではない。あふれる情報の中で真実らしきものをつかみ取るために、論理的思考を追求しなければならない自衛官が読むべき好著である。(専門度:☆)

『サイバー戦争論 ナショナルセキュリティの現在』
伊東 寛/原書房/2016
   サイバー戦争に関する入門書である。サイバーとインテリジェンスの関係等がわかりやすく書かれており、サイバー戦理解の必読書である。(専門度:☆☆)

『インテリジェンス』
小谷 賢/筑摩書房/2012
   日本のインテリジェンス研究の第一人者による入門書である。インテリジェンスに関する歴史からインテリジェンスの運用に至るまで広範な領域がカバーされている。情報分野に関係する人間のみならず、広く読まれるべき著書である。(専門度:☆)

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作  戦

2018.7.1追加
『「史上最大の決断」~ノルマンディー上陸作戦を成功に導いた賢慮のリーダーシップ』
野中郁次郎、萩野進介/ダイヤモンド社/2014
   連合軍において、水陸両用作戦の雛形が形成されるまでの苦難の過程及び主要指揮官のもつ知略及びリーダーシップの発揮に関し、膨大な調査研究成果に基づき解説されている。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『GATORS of NEPUTUNE~NAVAL AMPHIBIOUS Planning FOR the NORMANDY INOVASION』
Christopher D.YOUNG/Naval Institute Press/2006
   「史上最大の作戦」として後世にその名を残した本格的な統連合作戦であるノルマンディー上陸作戦の壮大な計画作成と作戦の遂行に関し、作戦レベルでその実態を詳細に解説したものである。なお、米海大がプランニングの教育の副読本として使用中である。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『ビジネスに生かす!最新・米軍式意思決定の技術』
中村 好寿/東洋経済新聞社/2006
   混沌とした環境の中で、如何にして迅速かつ的確に意思決定を下すかといった手法に関する米軍の要領を分かりやすく解説したものである。(専門度:☆)

『戦闘の科学 改訂軍事ORの理論捜索理論、射爆理論、交戦理論』
飯田 耕治/三恵社/2010
   捜索、射爆撃及び交戦に関する基本的な理論について記述された入門書であり、各種計画立案、実施の評価に関する数理的な根拠となる。(専門度:☆)

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ロジスティクス

2019.8.1追加
『富国と強兵』
中野 剛志/東洋経済新報社/2016
    我が国におけるMMT理論(現代貨幣理論)の第一人者である著者が、地政学と経済学を融合した「地政経済学」の視点から国際政治経済のダイナミズムを解説。経済力と政治力・軍事力との間の密接不可分な関係を明らかにしている。(専門度:☆☆☆)

2019.8.1追加
『小説 第4次産業革命 日本の製造業を救え!』
藤野直明、梶野真弘/日経BP/2019
   理系ビジネス小説という平易な形式をとりながら、第4次産業革命を幅広に捉えた「理系ビジネス書」。ハードウェアのみならず、ものづくりを支えるソフトウェアにも幅広く触れており、CPS(Cyber Physical System)を基盤とした新しいデジタルものづくりについて具体的に理解できる。(専門度:☆)

2019.8.1追加
『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』
ヤニス バルファキス /明石書店/2019
   英・米・豪の大学で教鞭をとった経済学者である著者が2015年のギリシャ急進左派連合政権の財務大臣に就任し、債務再建交渉を担当した半年間を語った実録。EUの権力と緊縮政策に抗う著者の思いが込められたノンフィクション。EU離脱論の背景がよく理解できる。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『軍事とロジスティクス』
江畑 謙介/日経BP/2008
   軍事評論家の著者が、イラク戦争、アフガニスタンの戦いにおける軍事ロジスティクスの概要、軍事ロジスティクスの民間委託、米軍海外展開戦略、軍事輸送システムを平易に解説するとともにこれからの軍事ロジスティクスの展望をわかりやすく解説したものである。(専門度☆)

2018.7.1追加
『現代ミリタリー・ロジスティクス入門』
井上 孝司/潮書房光人社/2012
   軍事研究家の著者が、弾薬・燃料・糧食を始め、トイレットペーパーから暗視ゴーグル用単三電池まで、ハイテク軍隊に必要な現代の軍事ロジスティクスの主要アイテム等をわかりやすく解説したものである。(専門度☆)

2018.7.1追加
『「ロジスティクス」というモノの見方』
吉本 隆一/オフィス・ロン(Kindle版)/2016
   情報ロジスティクス研究の第一人者が、ビジネス分野における「物流」、「ロジスティクス」の定義の変遷、軍事分野における「ロジスティクス」の概念、マーケティング論と物的流通概念を包括的に整理し解説した「ロジスティクス」の紹介書である。(専門度☆☆☆)

2018.7.1追加
『The Singularity is Near:When Humans Transcend Biology』
Ray Kurzweil/Penguin Books/2006
   人工知能(AI)の世界的権威として現在Google社でAI開発の先頭に立つレイ・カールワイツが技術的特異点(シンギュラリティ:2045年にAIが人類の知性を上回る)の到来をいち早く予見した名著である。シンギュラリティの本質を理解する上で必読であり、富士通首席エバンジェリスト中山五輪男氏も推薦している。翻訳本『シンギュラリティは近い』もあり。(専門度☆☆)

『国力とは何か』
中野 剛志/講談社/2011
   国力の本質を論理的に説明し、経済ナショナリズムの立場から国力を増すための理論と政策を解説している。(専門度:☆)

『日本は世界4位の海洋大国』
山田 吉彦/講談社/2010
   領海と排他的経済水域を足した面積で世界第6位の日本だが、海水量的には世界第4位となる。日本周辺海域に存在する鉱物資源、水産資源は非常に多く、日本の海の持つ大きな経済的可能性をわかりやすく紹介している。(専門度:☆)

『木材・石炭・シェールガス 文明史が語るエネルギーの未来』
石井 彰/PHP研究所/2014
   歴史と原理に基づきエネルギーの現実を語り、シェールガスや新技術が変えるエネルギーの未来を論理的に解説している。(専門度:☆)

『ロジスティクス入門<第2版>』
中田 信哉/日本経済新聞社出版/2012
   仕入れ、生産、配送、販売の拠点の最適配置とネットワーク化を前提としたモノ・時間・コスト・情報の一体管理というビジネスロジスティクスの基本をわかりやすく解説している。(専門度:☆☆☆)

『DoDAF2.02と米国防省装備調達制度改革』
吉本 隆一/星雲社/2014
   情報システムを活用した企業戦略、資金、業務を結びつける巨大組織の管理手法の入門書であり、米国防総省の国防調達システムと装備調達制度に関わる管理手法の変遷やその課題を包括的に整理した「ロジスティクス工学」紹介書である。(専門度:☆)

『人工知能は人間を超えるか ~ディープラーニングの先にあるもの~』
松尾 豊/KADOKAWA/中経出版/2015
   人工知能を技術的側面から解説した入門書であり、人工知能を理解するために最初に読むべき必読書である。(専門度:☆)

『補給戦』
マーチン・ファン・クレフェルト(佐藤 佐三郎 訳)/中央公論新社/2006
   16世紀から、第2次世界大戦のノルマンディ上陸作戦をロジスティクスの観点から分析した書である。本書を貫くロジックは、ロジスティクスこそが戦争の勝敗を決する最大の問題事とし、例が豊富である。(専門度:☆☆)

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戦  史

2019.8.1追加
『誘惑する歴史-誤用・濫用・利用の実例-』
マーガレット・マクミラン/えにし書房/2014年
   過去、歴史がいかに都合よく誤用・濫用されてきたかの例を挙げ、客観的に歴史を学ぶ難しさ、学習に必要な態度を説いている。実務者として歴史をいかに利用すべきか、再考させられる文献。(専門度:☆)

2019.8.1追加
『戦後日本の防衛と政治』
佐道明広/吉川弘文館/2003年
   防衛政策の問題が政治の中でどのように取り扱われてきたか、通史的に論じた研究書。海上自衛隊発展の背景を知る上でも有用。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『日本はなぜ開戦に踏み切ったか-「両論併記」と「非決定」-』
森山優/新潮選書/2012年
   対米開戦に至る国内の政治過程に着目し、日本の意思決定システムの問題点を指摘している。歴史のみならず、組織の意思決定という身近な問題にも幅広く活用できる。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『歴史と戦略の本質(上)(下)』
ウィリアムソン・マーレー、リチャード・ハート・シンレイチ編(今村 伸哉監訳)/原書房/2011
   過去において歴史を等閑視してきた政治家や軍人がどれほど多くの錯誤を繰り返してきたか、その連鎖を断つ方法は何か、という重大な問題に取り組んだ諸論文を収録したものである。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『日本海軍の戦略発想』
千早 正隆/プレジデント社/2008
   連合艦隊参謀として終戦を迎えた著者が、敗因を日米海軍の考え方の差に求め、海幹校に相当する海軍大学校の教育の問題点を多角的に論じたものである。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『明日を拓く現代史』
谷口 智彦/ウェッジ/2013
   筆者は2011年の海上自衛隊遠洋練習航海に同行、その際に若い実習幹部に対し、戦後から現在に至る日本の来し方行く末を伝え、考える材料を提供したいと考えたことが本著が生まれる契機となった。未来を切り開くための歴史、これからの歴史をつくる人々を読者に想定した著書である。(専門度:☆)

『海の都の物語(1)~(6)』
塩野 七生/新潮文庫/2009
   ローマ帝国滅亡後、一千年の長きにわたり自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国の壮大な攻防史である。外交と貿易、軍事力を巧みに駆使したリアリスト集団の物語でもある。(専門度:☆)

『非情の海 (上)(下)』
ニコラス・モンサラット(吉田 健一 訳)/角川選書/2008
   第2次大戦下米国から英国に物資を輸送する大西洋横断の護送船団と、その輸送を阻止しようとするドイツ艦艇との戦いを描く。(専門度:☆)

『日本に古代はあったのか』
井上 章一/至誠堂/1992
   ユーラシアの東端にある日本列島は、世界史の中にどのように位置づけられるのか。従来の日本の律令制や荘園制を世界史の中で考える一冊である。(専門度:☆)

『誰にも書けなかった戦争の現実』
ポール・ファッセル(板坂 元 訳)/草思社/1997
   予備役士官として従軍した筆者の視点から、第二次大戦の実態は戦場での失策と銃後の混乱の繰り返しだった現実が暴かれる。(専門度:☆☆)

『戦争の日本中世史「下剋上」は本当にあったのか』
呉座 勇一/新潮選書/2014
   「下剋上」の歴史観にとらわれず、源平合戦から応仁の乱まで戦争の時代を生きた武家や公家、悪党や足軽の姿を現代の視点から考察する。(専門度:☆☆)

『応仁の乱』
呉座 勇一/中公新書/2016
   捉えどころの難しい事件として扱われてきた応仁の乱を分かりやすく絶妙なバランス感覚で解説している。(専門度:☆☆)

『凌ぐ波濤』
手塚 正巳/太田出版/2010
   海上自衛隊の黎明期を、創設に関与した先達である日本海軍軍人の証言を昭和10年代から現代につながる形で生き生きと描いている。海自のルーツを知るに最適。副題である、「海上自衛隊をつくった男たち」がふさわしい。(専門度:☆)

『海戦史に学ぶ』
野村 實/祥伝社/2014
   1985年に文藝春秋から単行本、1994年に文春文庫として出版された復刻版。明治の日本海軍から戦後の海上防衛力に至る主要事項や海戦がバランスよく全てカバーされ、考察されている。著者は海軍兵学校71期、戦後は学究の道を歩んだ。(専門度:☆)

『日英同盟』
平間 洋一/角川文庫/2015
   2000年にPHP新書で出たものの復刻版である。日英同盟の分析は、今日でも色褪せることなく、同盟の今日的意義までも明らかにしている。(専門度:☆)

『昭和16年夏の敗戦』
猪瀬 直樹/中央公論新社/2010
   日米開戦前年の1940年、政府が若手の官僚、軍人等、約40人を集めた「総力戦研究所」のストーリー。彼らの分析はその後の展開を的確に予測していた。彼らの戦後の歩みも興味深い。(専門度:☆)

『小説十八史略』
陳 舜臣/講談社/1992
   神話から南宋までの時代について非常に読みやすく描かれ、中国史の入門書といえる。各王朝の栄枯盛衰が俯瞰でき、儒教の社会・政治、そして故事成語を容易に理解することができる。(専門度:☆)

『用兵思想史入門』
田村 尚也/作品社/2016
   古代オリエント時代から現代の米軍まで、世界の用兵思想の基礎的な流れを極めて平易な書き方で明らかにしている。幹部海上自衛官としても、せめてこれぐらいの教養は必要である。(専門度:☆)

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指揮・統率・管理

2019.8.1追加
『日本軍人の死生観』
長嶺秀雄/原書房/1982
   日本軍人の死生観について、太平洋戦争から日露戦争後、更には武士道にまでさかのぼり具体的事例を中心に語られた好著。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『戦争における「人殺し」の心理学』
デーヴ・グロスマン/安原和見訳/ちくま学芸文庫/2004
   戦場というリアルな現場の視線から人間の暗部をえぐり、兵士の立場から答える。米国ウエスト・ポイント陸軍士官学校や同空軍士官学校の教科書として使用されている研究書。(専門度:☆☆)

2019.8.1追加
『リーダー・パワー-21世紀型組織の主導者のために-』
ジョセフ・S・ナイ/北沢格 訳/日本経済新聞出版社/2008
   前著「ソフト・パワー」で国家のパワーを“ハード・パワー”と“ソフト・パワー”に分類し国家のパワー論について全世界から注目を集めた著者が、そのパワー論を国家、組織、会社を主導するリーダーにあてはめ、歴史に残る偉大なリーダーの事例を引きながら論じているリーダーになるための最高の入門書。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『言い返さない日本人』
山久瀬 洋二/IBCパブリッシング株式会社/2009
   文化の違いにより生起する誤解。世界で活躍する日本人がコミュニケーションにおいて留意すべき事項を和英で分かり易く解説している。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『東日本大震災の実体験に基づく災害初動期指揮心得』
国土交通省東北地方整備局/国土交通省(Kindle版)/2013
   東日本大震災において過酷な災害対応を実体験した国土交通省東北地方整備局の「経験知」をとりまとめたものである。 (専門度:☆☆☆)

2018.7.1追加
『自壊の病理 日本陸軍の組織分析』
戸部 良一/日本経済出版社/2017
   日本陸軍という組織が昭和期にはいって自壊していったプロセスを、戦争指導、政治化、対外政策の三面から分析している。『失敗の本質』と併せて読むことで軍事組織のあり方の方位線が入るだろう。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『知的機動力の本質-アメリカ海兵隊の組織論的研究』
野中 郁次郎/中央公論新社/2017
   『失敗の本質』、『アメリカ海兵隊』で筆者が描いた「自己革新組織」を発展させ、「組織的知識創造理論」を応用し、「知的機動力」という新しい概念を提示し、軍事組織に関する新たな視座を提供している。(専門度:☆)

2018.7.1追加
『服従の心理』
スタンレー・ミルグラム(山形 浩生 訳)/河出文庫/2012
   「人間が権威に対してどのように行動するか」という問題意識に基づき行われた社会学的実験である「ミルグラム実験」について分かりやすく解説。部下の指揮統率を行う幹部自衛官のみならず、一般社会においても組織論を考えるうえで必読の書である。(専門度:☆☆)

『思考の整理学』
外山 滋比古/ちくま文庫/1986
   アイディアと思考が大空を駆け巡る思考法の入門書である。大学生向けの理解しやすい書き方ではあるが、思考の重要性を語る奥深い本である。(専門度:☆)

『アメリカ海軍に学ぶ「最強チーム」のつくり方』
マイケル・アブラショフ(吉越 浩一郎 訳)/三笠書房/2015
   米海軍駆逐艦ベンフォルドを艦隊最低の艦から最高の艦へ、二年間の艦長生活から導出されたリーダーシップの方法論。いかに部下のモチベーションとパフォーマンスを上げ、結果を出すか。海上自衛官必読の書である。(専門度:☆☆)

『平時の指揮官 有事の指揮官』
佐々 淳行/文藝春秋/1999
   初級士官の在り方、初歩的リーダーシップを具体例と筆者の体験を基に原則化しているのが本書の特徴。現場指揮官となる人に最適の書である。(専門度:☆)

『失敗の本質』
戸部 良一 他/中央公論新社/1991
   日本軍の失敗の事例研究を通じ、失敗の教訓を導出し、組織学習の観点から「自己革新組織」の在り方を明らかにしている。軍事史に学際的な手法で分析を試みた時代を超えて読み継がれる書である。(専門度:☆)

『アメリカ海兵隊』
野中 郁次郎/中央公論新社/1995
   『失敗の本質』の補足版ともいえ、「自己革新組織」の成功例としてのアメリカ海兵隊を分析している。(専門度:☆☆)

『組織の盛衰』
堺屋 太一/PHP研究所/1993
   組織の盛衰を左右する原因について、豊臣家、帝国陸海軍、日本石炭産業の3つのケースを示し、成功体験への埋没、機能体の共同体化、環境への過剰適応など、日本人で構成される組織を蝕む「死に至る病」を検証する名著である。(専門度:☆)

『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』
マーシャル・ゴールドスミス(斎藤 聖美 訳)/日本経済新聞出版社/2007
   『What Got You Here Won't Get You There(ここまであなたを成功に導いてきた行動がその先の成功を約束するものではない)』は、ジャック・ウェルチをはじめ何人もの名経営者を指導してきたエグゼクティブ・コーチの草分け的存在、マーシャル・ゴールドスミスが、「できる人」の行動を明らかにした良著である。「何をやめるべきかを知り、具体的に手を打つ」ことが、「できる人」の行動、すなわち「成功をつかむ」秘訣だと、数多くのエグゼクティブコーチングの体験から断言している。(専門度:☆)

『完訳 7つの習慣』
スティーヴン・R・コヴィー(フランクリン・コヴィー・ジャパン 訳)/キング・ベアー出版/2012
   成功哲学に関する古典的名著の1冊である。自己啓発書としての要素もあり、良い習慣を持続させることでビジネスに限らず家庭や友人関係といった私的な人間関係も含む全てで成功を得られると説いている。(専門度:☆)

『生き方』
稲盛 和夫/サンマーク出版/2004
   京セラ・第二電電(現・KDDI)を創業した日本を代表する実業家の1人が示す生き方について説かれた書である。成功法則を「人生・仕事の結果=考え方×能力×熱意」とし、一番大事なのは考え方であり、利他の心を持ち前向きで感謝の気持ちというプラスの考え方を持つように説いている。(専門度:☆)

『プロフェッショナルの条件』
P.F.ドラッカー(上田 惇生 編訳)/ダイヤモンド社/2000
   個人の生き方と働き方をテーマにドラッカーの著作10点と論文1点から抜粋し構成された自己実現への内容になっており、貢献を重視することなど5つのPartで構成されている。(専門度:☆☆)

『経営者の条件』
P.F.ドラッカー(上田 惇生 訳)/ダイヤモンド社/2006
   組織で働く人々はほぼ例外なく「エグゼクティブ=経営者」であらねばならないとし、エグゼクティブが成果を上げるために自らをマネジメントする方法について書かれた名著である。(専門度:☆☆)

『経営行動』
ハーバート・アレクサンダー・サイモン(二村 敏子、桑田 耕太郎、高尾 義明、西脇 暢子、高柳 美香 訳)/ダイヤモンド社/2009
   ノーベル経済学賞受賞者のハーバート・A・サイモンによって著された経営組織論の書である。サイモンはバーナードの組織均衡理論を継承しつつ、限定的合理性や満足基準などの諸概念を用いて、組織を無数の意志決定の体系として捉える意志決定理論を構築した。本書は、その後の行政組織研究に多大な影響を与えており、行政組織を分析する際の理論的基礎の1つとして位置づけられるゆえ、行政組織を理解しようとする際に本書を参照する意味は大きい。(専門度:☆☆)

『武士道』
新渡戸 稲造/岩波文庫/1984
   新興国として勃興しつつあった日本に対する偏見を意識しつつ、「日本人の魂」とは何かを世界に発信した文献である。(専門度:☆)

『代表的日本人』
内村 鑑三/岩波文庫/1995
   日蓮、西郷隆盛等の5人を選び、日本人の 持つ特質、良さを世界に発信するため原本は英語で書かれたもので、大変な反響を呼んだ同じ時代に同じような意図で書かれ、国際的に話題となったものに岡倉天心の「茶の本」と新渡戸稲造の「武士道」がある。これら3冊はぜひ読むべき名著である。(専門度:☆)

『ハーバード流交渉術』
ロジャー・フィッシャー(金山 宣夫、浅井 和子 訳)/三笠書房/1990
   世界的な大ベストセラー "GETTING TO YES"の著者である、ハーバード大学ロー・スクール名誉教授ロジャー・フィッシャーは「交渉には普遍的な実践体系がある」と言う。その神髄は、互いの立場ではなく、隠れた利害に焦点を当て、実質的な合意に達することにある。本稿では、その豊富な国際紛争調停の経験を開陳しながら、説得と交渉の関係、交渉の基本プロセス、交渉体系など、ハーバード流交渉学の要諦をわかりやすく解説している。(専門度:☆☆)

2018.7.1追加
『海の勇士ボライソー・シリーズ』
アレグザンダー・ケント/早川書房/1980
   気分転換に海のロマンを、という時のシリーズ。同じ著者による現代の海のシリーズは「ダグラス・リーマン」名義で出版されている。(専門度:☆)

『海の男 ホーンブロワーシリーズ(1)~(10)及び別巻』
セシル・スコット・フォレスター(高橋 泰邦 訳)/ハヤカワ文庫/1973~1978
   18世紀末、帆船時代の英国海軍を舞台にホーンブロワーが士官候補生から提督にまで上り詰める物語である。帆走の描写も適切で、現代の艦艇にも通ずる船乗りなら必ず読むべきシリーズである。(専門度:☆)

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