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第67期指揮幕僚課程学生の韓国研修(9.24-27)

    第67期指揮幕僚課程学生(豪州、韓国留学生を含む。)は、国家安全保障及び海上防衛戦略に関する広い視野と健全な軍事判断能力の育成を図るとともに、政治・経済・外交・軍事等の研究の資とし、併せて海上自衛隊と韓国海軍間の友好、親善及び相互理解の促進を目的として、令和元年9月24日(火)から27日(金)までの4日間、大韓民国に所在する史跡や軍事施設を研修しました。

   1日目は、ソウル特別市にある、戦争記念館及び在韓国日本大使館を研修しました。戦争記念館は、先史から現代に至るまでの朝鮮半島における戦争と軍事に関する施設ですが、その中心となる展示は朝鮮戦争に関するものであり、朝鮮戦争に関する教育を重視しているほか、祖国を守りきった韓国人の誇りを肌で感じることができました。
   在韓国日本大使館においては、長嶺在韓国日本国特命全権大使及び防衛駐在官から、韓国国内における世論動向や安全保障政策等に関する貴重な講話を頂きました。日韓関係が注目されている中で、外交等の最前線で活躍されているお二方による講話は大変意義深く、韓国に関する理解を深化することができました。

(戦争記念館研修)

(駐韓大使講話・質疑応答)



   2日目は、北朝鮮との軍事境界線を挟んだ地域である非武装地帯(DMZ : Demilitarized zone)を研修しました。DMZ内にある第3トンネルは、板門店から南4キロメートルの地点で発見された北朝鮮の南侵用トンネルであり、朝鮮戦争が未だ休戦状態であることを再認識しました。その後、都羅展望台から北朝鮮を眺望し、韓国最北端にある韓国鉄道公社の都羅山駅を見学しました。そして、多くの学生に最も深い印象を残したのは米朝首脳会談の場所となった板門店における研修です。歴史的な場所を訪れた感慨もさることながら、緊張感を肌で感じました。


(第3トンネル研修)

(板門店研修)



   3日目は、平沢市に所在する韓国海軍第2艦隊及び大田広域市に所在する合同軍事大学校及び海軍大学を訪れました。第2艦隊は、韓国の北西海域にある北方限界線(NLL: Northern Limited Line)を管轄しているため、過去、海上における南北の衝突が起き、犠牲者が出ています。第2艦隊参謀長の歓迎を受けた後、戦闘の詳細を説明する西海守護館及び2011年北朝鮮軍の攻撃で沈没しサルベージされた「天安」を研修し、熾烈な戦闘の傷跡を実感しました。「天安」の受けた被害の大きさには、同じ海上防衛を担う立場として、衝撃を受けました。一方で、偶然同時間帯に西海守護館を見学していた韓国小学生たちの様子には、自国を守る韓国軍人への強い敬意と信頼を感じました。最後に、本校第64期指揮幕僚課程の留学生であったKim Chang Hun少佐が艇長を務めるミサイル艇(PKG-711)を見学し、艇長から説明を受けるとともに、親睦を深めることができました。


(「天安」記念館研修)











(韓国海軍艦艇研修)




   合同軍事大学校では、最初に同校に関する概要説明を受け、韓国軍の教育に対する注力を感じました。その後の韓国海軍大学では、合同正規基本課程(我が国の指揮幕僚課程に相当)学生と二国間協力の促進に関する意見交換会を実施しました。議論は幅広い分野に及び、今後、海上自衛隊と韓国海軍との相互理解と連携が重要である共通認識を確認することができました。


(合同軍事大学校における概要説明)

(海軍大学における意見交換会)




   4日目は、大田広域市にある国立墓地である大田顕忠院を訪問しました。顕忠塔を前に、同じ国防を担う者として、祖国に殉じた英霊に慰霊するため、献花・黙とうを捧げました。また、同敷地内にある天安艦慰霊碑を前に、沈没により殉職した46名の英霊に哀悼の意を表しました。


(大田顕忠院において弔意を表する学生)

(「天安」慰霊碑に黙祷する学生)




   

   韓国は日本にとって「近くて遠い国」とも言われておりますが、本研修の結果、将来的には「近くて近い国」となるように、韓国の歴史や伝統文化を正しく理解していくほか、未来志向の観点から海上自衛隊と韓国海軍間で相互理解を深めていく重要性を認識する貴重な機会を得ることができました。 本指揮幕僚課程も後半に入りました。本研修で学び、考えた事柄を幹部学校における国際会議や研究の資とするとともに、今後の勤務でも活かしていく所存です。



   (第67期指揮幕僚課程 西田3佐)