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 留学制度

コロンビア大学国際公共政策大学院

3等海佐 齊藤 直樹

 

はじめに
   私は、2018年9月から約2年間、アメリカ合衆国ニューヨーク州にあるコロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA: School of International Affairs、以下「SIPA」)に留学する機会を頂き、勉学に励んでおります。以下、SIPA及びニューヨークにおける学生生活について紹介したいと思います。


コロンビア大学SIPAにて

コロンビア大学及びSIPAの概要
   コロンビア大学はニューヨーク州南東端にあるマンハッタン島北部に位置し、キングスカレッジという名称でアメリカ合衆国独立前の1754年に設立されました。設立から約20年後の1776年のアメリカ合衆国独立に伴い、校名をコロンビア大学と改称して現在に至っています。その設立以来、コロンビア大学はバラク・オバマ前大統領をはじめとして各分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。また、ニューヨークは世界経済の中心地ですが、国際連合本部も設置されていることから、経済だけでなく国際政治の中心地でもあります。毎年、国連総会の開かれる時期になると各国の首脳又は閣僚級の政治家が国連本部に集います。コロンビア大学では、国連総会の機会を利用して、ニューヨークを訪れる世界各国の首脳を招聘し、様々なテーマについて講演をしてもらっています。国連総会以外の時期であっても、各界の著名人がコロンビア大学を訪問しており、2019年4月には国家安全保障問題担当大統領補佐官であるマクマスター米陸軍中将がコロンビア大学で講演をされ、私も拝聴する機会を得ることができました。このように、コロンビア大学には第一線で活躍する方々から直接話を聞き、議論を交わすことのできる貴重な場所が多くあり、これもアメリカの大学院で学ぶ大きな醍醐味の一つであると言えます。


マクマスター陸軍中将講話時の記念撮影

   私が現在学んでいるSIPAは、官民、非営利組織の各分野において必要とされる知識を備えたリーダーを養成するためのプロフェッショナルスクールとして1946年に設立され、1年制と2年制の課程で構成されています。様々な人種が集まるニューヨークにあるコロンビア大学の中でも、特にSIPAは多様性を一つの大きな強みとしており、一学年あたり約600名の学生のうち、半数以上がアメリカ以外からの留学生で構成されています。

国際関係学修士課程(MIA: Master of International Affairs)
   私の学ぶ国際関係学修士課程は、3〜5年程度の職務経験を持つ若手のプロフェッショナルを対象とした課程であり、学生は約2年間(21ヶ月)で経済、組織管理、国際政治などの幅広い必修科目に加えて、それぞれの専門分野に関連する授業を履修します。私は、「国際安全保障政策」を専攻とし、その中でも特に「国際紛争解決」に重点を置いて学んでいます。

学生生活
   昔から「アメリカの大学生はよく勉強をする」と聞いてはいましたが、コロンビア大学でも学部生・大学院生を問わず、学生は勉強に多くの時間を費やしています。図書館は試験期間だけに限らず、四六時中勉強に没頭する学生で溢れかえっています。これらの学生を目の当たりにしながら、英語を母国語としない私は、英語を母国語とする学生達の2倍、3倍もの努力をしないととてもついていけない、と自らを叱咤しながら日々勉学に励んでいます。
   特に、必修科目である経済学や経営学を修了した2年目からは、専門科目のである安全保障関連の授業と、ディスカッション形式の授業が非常に多くなりました。アメリカでは授業への貢献度も大きな評価の対象であることもあり、事前に膨大な量の文献を読み込み、自己の考えをまとめておくことが重要です。毎日課題文献を読み込むインプットの作業と、授業でのディスカッションというアウトプットの作業は、非常に大変です。その一方で、毎日の授業が非常に有意義で、ディスカッションの中で他の学生のこれまでの勤務に基づく経験や意見を聞く際には、課題文献以外からも大いに学びを得ることができます。
   今回のアメリカ留学は、アメリカという国とそこに住む人、その文化を良く知るための絶好の機会であるため、余暇の時間を使って家族と全米の各地を巡り、アメリカの歴史、風土、文化について学びを深めています。このほか、これまで触れたことのなかった聖書を読み深めることで、アメリカ人のバックグラウンドについて学びを深めることができたと考えています。
   アメリカでの家族を伴った生活は、バスや地下鉄などの公共交通手段から買い物、病院、子供の保育園に至るまで戸惑うことも多々ありますが、友人と家族の支えもあり、毎日充実した生活を送っています。また、コロンビア大学には留学生を支援するための組織があり、特に子育て世代を支援するためのイベントが充実しています。これらのイベントを通じて日本人だけでなく各国の留学生と家族ぐるみの付き合いができるのも大きな醍醐味の一つと言えます。

おわりに
   これまで10年間、艦艇勤務を中心として様々な場所で勤務してきましたが、私にとってニューヨークでの約2年間の学生生活はとても貴重な経験となりつつあります。この2年間でできる限り多くのものを吸収し、微力ながら組織に還元できるよう残る学生生活も日々精進したいと思います。
   最後に、このような貴重な機会を与えていただいたこと及び留学準備の段階から多くご支援を与えてくださった方々に感謝を申し上げ、結びとします。