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 戦略研究会

 戦略的分析(Strategic Analysis)の紹介

(トピックス049 2016/09/29)

   本コラムは、英王立国防大(Royal College of Defence Studies。以下「RCDS」)で受講した戦略的分析手法(Strategic Analysis)について紹介している。
   RCDSは、英国及び諸外国の軍、政府関係機関、警察、民間企業等から派遣された学生に対して、国家戦略(Grand Strategy)立案に関する教育を実施している。同校では戦略を“Course of actions that integrates ends, ways and means to meet policy objectives”と定義し、セミナーやグループワークを通じて国家戦略を分析し、同戦略立案の技能向上を図っている。討論の中心は、戦略環境を目的(Ends)、方法(Ways)及び手段、資源(Means)の視点から分析することで、参考文献には次のとおり説明されている。
“The essential point is that strategy, whether grand or military, is about integrating the complex calculus of ends, ways and means.” 1

   分析・立案の手順は、次のとおり。
1 戦略環境の理解(Profound understanding)
2 目的(Aim)‐何を達成しようとしているか?目的(Ends)は何か?
3 手段(Factors)‐持っている手段、資源(Means)は何か?
4 方法(Courses)‐採りうる方法(Ways)は何か?
5 バランス(Balance)‐目的、手段及び方法のバランスは適切か?
6 計画(Plan)‐目的、手段及び方法を統合。優先順位を検討し、戦略を分析、立案する。

   なお、分析、立案を進める際、DIME(Diplomacy:外交、Information:情報、Military:軍事、Economic:経済)やPESTEL(Policy:政治、Economy:経済、Social:社会、Technology:技術、Environment:環境、Threat:脅威)等のカテゴリーに着目することは、目的(Ends)、手段、資源(Means)及び方法(Ways)を分析する上で有効な方法とされている。

   シンプルなものであるが、国家やビジネス戦略を考える際の「思考の整理方法」を提供するものと考える。
“Conceptually, a model of strategy is simple – ends, ways and means- but the nature of the strategic environment makes it difficult to apply.” 2
   添付はRCDS在籍中、グループ課題として取り組んだ南シナ海に関する戦略的分析レポートの一部をグループメンバー3の承諾を得た上、掲載したものである。

【要 旨】 戦略的分析 / 南シナ海の領土問題に関する戦略的分析

STRATEGIC ANALYSIS / A strategic analysis of the South China Sea territorial issues

(幹部学校 土屋1佐)

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1 Thinking Strategically October 2012 Edition, The Royal College of Defence Studies, The Defence Academy of the United Kingdom, London (2012), p8.
2Ibid, p11
3Khalid Al Naemi, John Matthews, Tim O’Brien, Andres Silberberg.


 本コラムに示された見解は、幹部学校における研究の一環として発表する執筆者個人のものであり、防衛省または海上自衛隊の見解を表すものではありません。