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呉地方総監 「海上自衛隊の日」のご挨拶

呉地方総監
海将 伊藤 弘(いとう ひろし)

呉地方総監 海将 伊藤 弘  呉地方隊ウエブサイトをご訪問頂いている皆さん、こんにちは。皆様方におかれましては、常日頃から海上自衛隊の活動に関心をお持ち頂くとともに、ご理解とご協力を賜りこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 さて、まもなく4月26日を迎えます。この日は、海上自衛隊の創設経緯をよく認識し、海自の歴史を振り返る機会とすることを目的に平成25年(2013年)に制定された「海上自衛隊の日」です。

 我々海自の先達である帝国海軍は太平洋戦争の終結に伴い、昭和20年(1945年)11月30日に廃止されました。その後、主として朝鮮半島からの不法入国者によるコレラの大量発生、朝鮮戦争の勃発などを受け、日本海軍再建に向けた動きが静かに加速されました。この再建の動きは東西冷戦という当時の情勢下、米国からの安全保障上の要請によるところもありましたが、帝国海軍指導層が海軍再建への思いをしっかりと繋いできたゆえの流れでもありました。

組織の返還

 その結果、 昭和27年(1952年)4月26日、海上保安庁の外局として「海上警備隊」が発足し、これが爾後、「保安庁警備隊」を経て、昭和29年 (1954年)7月1日「防衛庁海上自衛隊」へ発展していくこととなりました。

 それから70年の月日を経て、帝国海軍77年の悠久の歴史を引き継いだ海上自衛隊は、今年創設70周年の節目の年を迎えています。我々は帝国海軍、そして海自の諸先輩方が築かれた良き“伝統を継承”し、より素晴らしい海上自衛隊を後進に繋いでいかねばなりません。

 一方、我が国が既に足を踏み入れている人口減少社会、激変する我が国を取り巻く安全保障環境、加えて、欧州の地において繰り広げられている国家間の大規模な戦闘を念頭に置くと、早ければ、海自が帝国海軍の歴史を超える令和10年代には、そして、30年後の21世紀中葉には間違いなく、今の我々が予想もつかない社会経済状態になっている可能性が低くありません。その時になって次世代の後輩諸君に残念な思いをさせないように、我々は先手を打たねばなりません。海上自衛隊を30年後に素晴らしい創設100周年を迎えることが出来る組織とするため、今を生きる我々は、”変化を恐れず“、”変化に遅れず“、変化を先取りし、”変化に挑戦“し続けていくことが求められている、そのように改めて強く感じています。

 令和4年のこの春、我々は目に見えないウィルスという敵との戦いの3年目に入りました。今を生きる我々は全力でこの見えない敵を抑え込む必要がありますが、情勢の変化に一喜一憂してはなりません。今少し時間を要することにはなるでしょうが、過去の歴史を紐解けば分かるように、人類は必ずこの禍を克服します。

 ウェブサイトをご覧頂いている皆さんに置かれましても、GWをコロナ禍以前のように過ごすことは叶わないかと存じますが、皆さんの健康を心から祈念して「海上自衛隊の日」を迎えるにあたっての私からのメッセージとします。

 引き続き、海上自衛隊の活動に対します、ご理解、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

令和4年4月21日
海上自衛隊 呉地方総監
伊藤 弘

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プロフィール
出      身
 千葉県
前   配   置
 舞鶴地方総監
勤 務 方 針
 伝統の継承・変化への挑戦
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