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呉地方総監 着任のご挨拶

呉地方総監
海将 伊藤 弘(いとう ひろし)

呉地方総監 海将 伊藤 弘  呉地方隊ウェブサイトをご訪問頂いている皆さん、こんにちは。この度、第47代呉地方総監として着任した伊藤海将です。歴史と伝統に溢れるこの呉の地において、第4護衛隊群司令以来、6年振り2回目の勤務ができることを大変嬉しく感じているとともにその重責に身の引き締まる思いです。皆様方におかれましては、常日頃から海上自衛隊の活動に関心をお持ち頂くとともに、ご理解とご協力を賜りこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 さて、21世紀に入り、我が国を取り巻く安全保障環境はこれまでにないスピードで変化しています。周辺国の活発な軍事活動に加え、周知のとおり欧州の地においては、ロシアによるウクライナ侵攻という、まるで国家間の安全保障に係る考え方が19世紀当時のものに先祖返りしたかとも思える情勢となっています。

 我々はこのように激変する戦略環境下におかれていますが、私は着任に当たり、勤務方針として「伝統の継承」、そして「変化への挑戦」の2点を隷下部隊に示しました。まず、私の言うところの「伝統の継承」は、良き伝統を継承し、より良い組織、より素晴らしい海上自衛隊を後進に繋ぐということです。「伝統の継承」というと、伝統にしがみつく、いわゆる「伝統墨守」と捉える人がいますが、現状に甘んじていてはより良い組織を構築することなど叶いません。変化を先取りし、我を適合させる、つまり「変化への挑戦」と「伝統の継承」を表裏一体の形で成し続けることが今年創設70周年を迎える海上自衛隊をさらに大きく飛躍させる鍵になると確信しています。

 この「伝統の継承」と「変化への挑戦」というパッケージを推進していく上で念頭に置いておかねばならないことがあります。それは我が国日本が、「少子高齢化」などという生易しいものではなく、「人口減少社会」に突入しているという事実です。伝統の継承を通じて、より良い組織を構築するにせよ、変化に挑戦するにせよ、そのすべての基盤は「人」です。我が国の人口は2009年にピークを打ち、爾後、一貫して減少し続けています。昨年一年間の人口自然減は60万人を超えました。これは小さな規模の都道府県1県分に値します。人口減少社会にあっては、共に勤務する上司、先輩、同僚、部下、後輩、つまりすべての「他人(ひと)に関心を持つ」ことによって、一人ひとりを大事にし、その生産性を高め、海自が有する人的基盤を強化して行かねばなりません。このコンセプトを人口減少社会におけるキーワードを用いて言い換えれば、「人への投資」ということになると思います。私はそれに全力をもって取り組む所存です。

 今を生きる我々は、30年後、つまり21世紀中葉に勤務する後輩諸君にとっての海上自衛隊を、いわゆる「残念な組織」とすることなく、素晴らしい創設100周年を迎えることが叶う組織にしなければなりません。私は、歴代総監を始め、各級指揮官並びに歴代隊員諸官がこれまで築いてこられた海上自衛隊呉地方隊の輝かしい伝統を継承し、より素晴らしい組織として後進に繋ぐべく変化に挑戦し続けていく所存です。

 ウェブサイトをご覧頂いている皆さんに置かれましては、海上自衛隊の活動に対します、引き続きのご理解、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

令和4年3月吉日
海上自衛隊 呉地方総監
伊藤 弘

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プロフィール
出      身
 千葉県
前   配   置
 舞鶴地方総監
勤 務 方 針
 伝統の継承・変化への挑戦
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